fc2ブログ
 フィリピンから帰って参りました。
 いい意味でも悪い意味でも東南アジアで御座いました。
 楽しかった。

 さて、間もなく江村玲子さんの一時帰国記念上映会が行われます。 
 江村さんはドイツ在住ですし、日本の無声映画関連の人脈の外側で活動されている方なので日本で演奏を聞ける機会は滅多にありません。是非是非お越し下さい。その後には私の勉強会だとか色々ありますので、そちらにもお越し下さいませ。
 
 本日は研究会のお知らせです。
 研究会といっても気楽な会ですので、興味のある方は是非。

●映画説明レコード分析:無声映画伴奏譜「ヒラノ・コレクション」の活用へ向けて
日時/9月11日18時~
音源提供/片岡一郎
コメント/毛利眞人(音楽評論家)
会場/早稲田大学早稲田キャンパス6号館2階 演劇映像学連携研究拠点 会議室221
定員/15名(要事前申込)
主催/早稲田大学演劇博物館演劇映像学連携研究拠点
料金/無料
問い合わせ先/研究分担者 白井史人 fumitoshirai2310_atmark_gmail.com
(_atmark_は@にかえて送信してください)

 早稲田大学が所蔵する無声映画研究の重要な史料である無声映画時代の楽士・平野行一(1898~没年不詳)が所蔵し、使用していた伴奏譜コレクションを今後に活用するためのプロジェクトの一環として、実際にはどんな曲がどんなタイミングで演奏されていたのかを探る試みを映画説明のレコードから行います。
 谷天郎先生の 『新版大岡政談』とか生駒雷遊先生の『忠次旅日記』とか、結構凄い音源を持って行きますので演芸ファンも是非どうぞ。

 定員15名だそうですのでお申し込みはおはやめにどうぞ。
 そしてなぜかこういう企画ばっかり話題になって広まりますが、私の出る普通の公演にもいらしてね。
 
●江村玲子 一時帰国記念上映会
日時/9月6日18時30分開場、19時開演
演目/『清水次郎長 森の石松』『The Land of the Wooden Soldiers 』他
出演/江村玲子(ピアノ)、片岡一郎
会場/両国門天ホール
料金/前売 2,500円、当日 3,000円
ご予約・お問い合わせ/syoseibusi@yahoo.co.jp

二番勝負 表

二番勝負 裏


●第四回 片岡一郎の活動写真勉強会
日時/9月17日19時~
演目/当日のお楽しみ
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)
会場/喫茶 茶会記
料金/2,000円(1D付き)
ご予約・お問い合わせ/syoseibusi@yahoo.co.jp

二番勝負 表

二番勝負 裏


●映像と語り芸 幻燈機が生んだ芸能
日時/9月23日14~16時
プログラム/映像と語り芸の流れ
錦影絵  春朧花機巧(はるおぼろはなからくり)に壁(かべ)くぐるとは/錦影絵池田組
幻燈    幻燈さまざま  -明治から昭和へ-/片岡一郎
無声映画 ちびっ子ギャング・ドッグ・デイズ、坂本龍馬/澤登翠
会場/国立劇場小劇場
料金/一般 3,500円 (学生 2,500円)
ご予約・お問い合わせ/国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
0570-07-9900
03-3230-3000[一部IP電話等]
チケットインターネット購入/パソコンから http://ticket.ntj.jac.go.jp/
スマートフォンから http://ticket.ntj.jac.go.jp/m

9月23日 映像と語り芸_1

9月23日 映像と語り芸_2


●国産アニメーション100周年記念《スクリーンに蘇る!アニメーション傑作選》
日程/10月14日(土)・15日(日)・21日(土)・22日(日)14時~(片岡出演)・28日(土)・29日(日)
11月11日(土)・12日(日)・18日(土)・19日(日)・25日(土)・26日(日)
演目/『なまくら刀(塙凹内名刀之巻) 』『浦島太郎』『瘤取り』
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)
会場/川崎市民ミュージアム 映像ホール
料金/一般 600円、大学・高校生・65歳以上 500円、小中学生 400円、未就学児、障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者 無料
※定員270名(各回入れ替え制)、開場は15分前です。
※前売り券はありません。当日先着順での販売となります(満員の際は入場をお断りすることがあります)。

表

裏
 
スポンサーサイト



|09/05| レコードコメント(0)TB(0)
 自分のイベントの告知は依然としてじゃんじゃかしないといけないのですが、ちょっと目先を変えましてライナーノーツを書かせて頂いたCDのご案内です。これ、凄いですよ。もったいぶらずに早速ご紹介だい!

●物語 宮本武蔵 吉川英治原作・市川八百蔵 甦る戦前のラジオ名朗読
読手/市川八百蔵(八代目・市川中車)
発売日/2016年10月16日
レーベル/ぐらもくらぶ
商品の説明/
全身耳と化す! 剣禅一如の武蔵をはじめ、お通・沢庵・巌流等、篇中の人物と興趣の場面を活躍す。待望の名調子! (レコード発売時の惹句)
昭和14年から15年にかけてラジオにて放送された吉川英治原作の「宮本武蔵」は、徳川夢声ほかによって朗読された。
なかでも当時人気を博した歌舞伎俳優・市川八百蔵による朗読がレコードとして発売された。
戦時下の国民娯楽としてのラジオ・コンテンツを70年の時を経て完全復刻! 芸能史・文学史・放送史の重要な音声資料が今よみがえる!
大西秀紀・濱田研吾・片岡一郎など充実の解説陣による貴重な一篇!

原作:吉川英治 朗読:市川八百蔵(八代目・市川中車) 絵:清水三重三
監修・解説:大西秀紀・濱田研吾・片岡一郎
復刻:保利透
■Track List
Disc 1
1. 樹石問答の巻
2. 花田橋の巻
Disc 2
1. 吉岡と決闘の巻・吉野太夫の巻
2. 巌流島の巻

物語 宮本武蔵 吉川英治原作・市川八百蔵 甦る戦前のラジオ名朗読


 『宮本武蔵』の朗読といえば徳川夢声と思ってらっしゃるそこのアナタ!その考えは半分正しく半分間違っています。
 夢声の『宮本武蔵』が素晴らしいのは間違いないのですが、何人もの読み巧者が武蔵をそれぞれの味で表現しているのです。中でも当時、夢声と人気を二分したのが市川八百蔵です。残念ながら放送音源は残されていません。しかし当時収録されたSPレコードが現存し、とうとう復刻される事になったのです。アタシ、事前に聞きましたがね、良いんですよ。夢声とはまた違った味で。
 このレコードを自力で揃えようとしたらとてもじゃないですが三千円じゃききませんよ。お得もお得。そこに大西さん、濱田さんの解説がついて来るってんだから盆と正月が一緒に訪れたみたいなもんですよ。俺の駄文がなけりゃ一万円だって安いかもしれない。

 しかもあなた、このCDが10月9日の秋のぐらもくらぶ祭り2016でフライングゲットできちゃうってんだから大変だ。
 折も折、歌舞伎座に出る直前の私が市川八百蔵のレコード復刻に関わるなんて、これも縁というものでしょう。
 芸能の縁は複雑に織りこまれて美しい画を生み出すのではないかと近年思う事大であります。
 このCD、本心からお勧め致します。お買い求めの上、御愛聴下さいませ。

 イベント情報は下記の通り。

●THE MAGNIFICENT FRIDAY FM COCOLO 765
日時/10月7日14時~(片岡出演は15時台)
出演/加美幸伸(DJ)、片岡一郎(ゲスト)
放送局/FM COCOLO
※大阪のラジオ局ですがradicoで全国どこからでも聞く事が可能です。


●CHUMMY TRAIN 京都FM 89.4MHz
日時/10月7日16時~20時(片岡出演は19時台)
出演/谷口キヨコ(DJ)、片岡一郎(ゲスト)
放送局/α-STATION FM-KYOTO
※京都のラジオ局ですがradicoで全国どこからでも聞く事が可能です。


●秋のぐらもくらぶ祭り2016「古川ロッパとエロ・グロ・ナンセンス」
日時/10月9日13時30分開場、14時開演
内容/
★第一部・14:00~ 
毛利眞人・プロデュース公演「わたしこのごろ変なのよ」これが元祖だ!ニッポン・エログロナンセンスの世界!
『エロ歌謡』をメインに昭和初期に熱病のように吹き荒れたエロ・グロ・ナンセンスの実像とは?(トークとライブほか)

★第二部・15:30~ 
佐藤利明・プロデュース公演「ハリキリ・ボーイ」昭和の喜劇王・古川ロッパ・リスペクト・ショー
喜劇王・古川ロッパ(古川緑波)が今よみがえる!昭和を駆け抜けたコメディアンの軌跡をたどる(トークとライブほか)
トーク:大谷能生(音楽家)/毛利眞人(音楽評論家)/保利透(アーカイブ・プロデューサー)/佐藤利明(オトナの歌謡曲・娯楽映画研究家)/片岡一郎(活動写真弁士) ほか
ライブ出演:(歌・山田参助、ギター・武村篤彦)/北園優(まさるちゃん) ほか
●イベント関連CD・本の即売とサイン会の予定あり
料金/前売り予約券・2000円、当日券・2500円
会場/江戸東京博物館ホール(両国)
※当日受付にてチラシ持参、またはサイト情報をプリントアウト&スマホ提示で当日2.000円にてご入場いただけます
※当該期間中に、※浅草・ヨーロー堂にてCD事前購入し当日レシート提示の方には1.500円にてご入場いただけます
期間:9月27日(火)〜10月8日(土)
対象店舗:浅草ヨーロー堂
対象商品: 「ハリキリ・ボーイ ロッパ歌の都へ行く」VICL-64652~3
「ニッポン・エロ・グロ・ナンセンス」VICL-64643~4
引換方法:浅草ヨーロー堂で発行されたレシートをご提示ください。

roppa-h1

erogro-h1


★前売り券はチケット・ぴあにて好評発売中!!!
・Pコード:454115
・興行コード:1643137
・秋のぐらもくらぶ祭り『古川ロッパとエロ・グロ・ナンセンス』(アキノグラモクラブマツリフルカワロッパトエログロナンセンス) | チケットぴあ[演劇 寄席・お笑いのチケット購入・予約]
主催:ぐらもくらぶ/協力:ビクターエンタテインメント講談社メタカンパニー・活動写真実演会
<お問い合わせ>
メール:gramoclub78@gmail.com
電話:03-5273-2821(メタカンパニー内)

秋のぐらもくらぶ祭りフライヤー2016


●芸人が挑戦! 活動弁士グランプリ
日時/10月14日18時~
出演/清水圭(MC)、片岡一郎(活動写真弁士)、柳下美恵(伴奏)、お~い!久馬(ザ・プラン9)、ヤナギブソン(ザ・プラン9)、月亭太遊ミキコロコロチキチキペッパーズ大自然
会場/よしもと祇園花月
料金/全席指定[エリア指定] - 前売500円 当日700円
チケット購入/チケット吉本 
もしくは ■全国のファミリーマート/Famiポート ※トップメニュー「チケットよしもと」ボタンをタッチ。


●京都国際映画祭2016 小津安二郎特集「突貫小僧」「淑女と髯」
日時/10月15日14時15分~
演目/『突貫小僧』(新発掘完全版パテベビーバージョン)、『淑女と髭』
出演/片岡一郎(澤登休演により代演)、柳下美恵(ピアノ)
会場/よしもと祇園花月
料金/全席指定[エリア指定] - 前売500円 当日700円
チケット購入/チケット吉本 
もしくは ■全国のファミリーマート/Famiポート ※トップメニュー「チケットよしもと」ボタンをタッチ。

2016年10月15日 京都国際映画祭2016 小津安二郎特集「突貫小僧」「淑女と髯」


●京都国際映画祭2016 ショート・コメディ傑作選
日時/10月16日11時30分~
演目/『ブッシュ家のポンコツ自動車』『無理矢理ロッキー破 修復版』 他 短編を上映
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、益子侑(ヴァイオリン)、月亭太遊(活弁チャレンジ)、新野敏也(解説・喜劇映画研究会
会場/大江能楽堂
料金/前売500円 当日700円
チケット購入/チケット吉本 
もしくは ■全国のファミリーマート/Famiポート ※トップメニュー「チケットよしもと」ボタンをタッチ。

2016年10月16日 京都国際映画祭2016 ショート・コメディ傑作選


●代官山映画会 vol.4 片岡一郎と新垣隆の『瀧の白糸』
日時/10月19日 開場18時、開演19時
演目/『瀧の白糸』
出演/片岡一郎、新垣隆
料金/前売り・3000円 当日3500円 +1ドリンクオーダー要
会場/晴れたら空に豆まいて(代官山)
ご予約/予約フォーム
電話・03-5456-8880(晴れたら空に豆まいて)
Peatixチケット予約ページ
チケットぴあ(販売は9月12日~)

片岡一郎と新垣隆の『瀧の白糸』 Ver.2



●無声映画を語った“活動弁士”から学ぶ伝わる話し方

日時/2016年10月20日(木)16:50~18:20
出演/片岡一郎
定員/20名
場 所/法政大学 多摩キャンパス 社会学部棟 多目的ゼミ室A
対 象/法政大学学部生
料 金/無料
お申し込み/各キャンパスの学生生活課
お問い合わせ/042-783-2152(多摩学生生活課)

無声映画を語った“活動弁士”から学ぶ伝わる話し方 


●第二回 片岡一郎の活動写真勉強会
日時/10月22日(土)19時~
出演/片岡一郎
会場/綜合藝術茶房 喫茶茶会記
料金/2000円(1ドリンク付)
ご予約/syoseibusi@yahoo.co.jp(片岡)

片岡一郎の活動写真勉強会


●第29回東京国際映画祭プレゼンツ 歌舞伎座スペシャルナイト
日時/10月27日 開場16時30分  開演17時30分
演目/片岡一郎(活動弁士)、古舘伊知郎(喋り屋)、尾上菊之助(歌舞伎俳優)、上屋安由美(ピアノ・作編曲)、宮澤やすみ(三味線・作編曲)、田中まさよし(パーカッション・鳴物)
演目/『血煙高田の馬場』(弁士・古舘伊知郎)、『忠臣蔵』(弁士・片岡一郎)『鷺娘』(歌舞伎舞踊・尾上菊之助)
会場/歌舞伎座
料金/10000円(*“歌舞伎座スペシャルナイト” 特製お弁当*付き)
ご予約/
【チケットご購入方法】
チケットWeb松竹 (24時間受付、発売初日は10:00〜)
◆チケットホン松竹(10:00〜18:00)
ナビダイヤル 0570-000-489 または 03-6745-0888 / 06-6530-0333
※窓口販売・お引取りは9月29日(木)午前10時より
※窓口販売用別枠でのお取置きはございません。
※電話番号のおかけ間違いには充分ご注意ください。間違い電話防止のため、電話機の「リダイヤル機能」はご使用いただかず、1回ごとにダイヤルボタンを押していただくよう、ご協力をお願い申し上げます。

第29回東京国際映画祭プレゼンツ 歌舞伎座スペシャルナイト


●ふるさとと文学2016 『石川達三の秋田』
日時/10月29日13時~16時30分
内容/
「県民読書の日」記念第3回「ふるさと秋田文学賞」表彰式
(あいさつ)佐竹敬久(秋田県知事)
小田美恵子(読書と図書活動をすすめる議員の会会長)
「ふるさとと文学2016 『石川達三の秋田』」
(あいさつ)下重暁子(日本ペンクラブ副会長)

《第1 部》映像「激流に浮かぶ小舟~石川達三の人・作品・世界」
構成脚本/吉岡忍(作家)
映像制作/四位雅文(映像作家)
語り/片岡一郎(活動弁士)
作曲演奏/森ミドリ(音楽家)

《第2部》
石川達三の作品朗読「あんどれの母」(抄)
朗読/壇蜜(俳優)

《第3部》座談会「石川達三の秋田~読書が人をつくる」
浅田次郎(作家・日本ペンクラブ会長)
西木正明(作家・日本ペンクラブ副会長)
壇蜜(俳優)
佐竹敬久(秋田県知事)
コーディネーター/吉岡忍

《第4部》
パフオーマンス『踊る。秋田2 0 1 6
川村泉舞踊団「Ra i Se」 (全国第73 回全国舞踊コンクール文部科学大臣賞)

会場/県児童会館けやきシアター
料金/無料(往復はがきにて要申込み)
申込み方法/
往復はがきに「石川達三の秋田参加希望」と書いて、氏名・年齢・郵便番号・住所・電話番号、同伴を希望される方は同伴者名・年齢(1 名まで)を明記し、返信はがきに宛先を記入して、下記まで送付する。
〒010-0952
秋田市山王新町14-31
秋田県総合政策課県民読書推進班
・締切平成28年9月3 0日(金)必着
・抽選で合計7 0 0名に整理券を返信する。
・お間合せ電話番号
018 -862-5 2 0 0 (県総合政策課県民読書推進班)

石川達三 表


石川達三 裏
|10/07| レコードコメント(0)TB(0)
 このところNHKの連続テレビ小説が好調のようであります。
 アタクシはそもそもテレビを見る習慣が無いものですから、好調と言っても詳しくは知らないのですが、それでも『あまちゃん』や『ごちそうさん』というタイトルくらいは見てなくても知っていますし、知人に大いにハマっている日地が居るのも把握しております。つまりは詳しくない者でも知ってしまう程に好調なんですな。
 余談ですが、僕が見た朝の連ドラは『ふたりっこ』でした。浪人中でね、朝になるとモソモソ起き出しては『ふたりっ子』を見るんですよ。ドラマは面白かったけど、暗い思い出と結びついてますね。三倉姉妹も大きくなったね。 

 僕の暗い青春時代はさておき、近年の好調を受けて先日から始まったのが『花子とアン』であります。
 主人公は村岡花子さんといって実在の人物で、児童文学の翻訳で知られている方です。代表的な訳書がドラマのタイトルにも活かされている『赤毛のアン』ですが、それだけでなく『しあわせな王子さま』『ジャックと豆の木』『フランダースの犬』『あしながおじさん』とまあ凄いの何の。我が国の児童文学における功績たるや甚大であります。

 村岡花子さんには執筆・翻訳の他にもう一つの顔がありまして、それが「ラジオのおばさん」でした。
 つまり書き手でありながら、話し手でもあったのですね。ではラジオのおばさん、村岡花子の声はどんなだったのか?それが分かるCDが保利透さんの監修で復刻されるのです。題して『花子からおはなしのおくりもの』。

 私も十年以上、弁士をやってますと色々お付き合いも広がりまして、近頃では本、音楽、論文等々を送って頂ける様になりました。文化人みたーい。本CDも発売前に聞かせて頂いたのですが、実に良いのです。まず抜群に聞き取り易い。そして旧来からある語り芸のような押しの強さがなく、童話の語りに誠に良く合う。
 知人が復刻しているから紹介しているのは事実ですが、それを抜きにしても語りのお手本として実に素晴らしい録音だと思います。

 このテの商品なぞを見ると、皆様の中には「あぁ便乗商品だろ、嫌だね」と思う方もいらっしゃるかも知れません。しかしながら、どんなに優れた作品であってもタイミングが合わなければ時代を飛び越える事は出来ないのです。ミケランジェロの彫刻だろうが、ゴッホの絵だろうが、モーツァルトの音楽だろうが。良いものは必ず分かるなんていうのは理想論でして、良いものが正しく良いと評価されるには相応の理由が必要なのです。
 村岡花子の声が再評価されるには、つまり彼女の声が復刻されるには今を置いて他にないのです。してみれば、この瞬間に立ち会える我々は幸せではありませんか。古い音盤収集の労なくして、僅か二千円ちょっとでまとまった録音が聞けてしまうのですから。

 ちなみにこのCDは収録作品も興味深いのです。『フランダースの犬』や『小公子』があったかと思えば『桜井の駅』、そして『アリババ』まで。実に多彩、実に多様。読む人、語る人、演ずる人、もちろんドラマを見る人、みんなが聞いて発見のある素敵な企画盤であると思います。
 発売は四月十六日で御座います。


花子からおはなしのおくりもの花子からおはなしのおくりもの
(2014/04/16)
朗読:村岡花子

商品詳細を見る


 ついでに僕の出るイベントも紹介させて下さいな。
 ついでにって、自分のブログだけどさ。

●キネカ大森30周年記念大感謝祭 特別企画
日時/4月12日14時30分
演目/『雄呂血』(35mm・24fps)
弁士/片岡一郎
三味線/宮澤やすみ
パーカッション/田中まさよし
会場/キネカ大森
料金/1500円

キネカ大森『雄呂血』

●検証日本映画 Vol.12 小津安二郎 ”小津”という唯一無二の芸術
日時/4月25日13時20分~
演目/『落第はしたけれど』
会場/新文芸坐
料金/1300円(三本立)
チケット販売は当日のみ


●検証日本映画 Vol.12 小津安二郎 ”小津”という唯一無二の芸術
日時/5月2日12時25分~、19時~
演目/『その夜の妻』
会場/新文芸坐
料金/1300円(二本立)
チケット販売は当日のみ


検証日本映画 Vol.12 小津安二郎 ”小津”という唯一無二の芸術

●大東京モダンミュージックの世界 ~浅草オペラから東京の戦前ジャズまで~
日時/5月6日13時~19時
内容/
「浅草六区に花咲いたエンターテインメントの胎動から戦前の日本におけるジャズソングまで、戦前洋楽史&芸能史をその足跡と音源資料そして実演による追体験として今甦る!」
★ぐらもくらぶCD「大東京ジャズ」「六区風景 想ひ出の浅草」発売記念★

出演/ 
大谷能生(音楽家「日本ジャズの誕生」青土社ほか)
毛利眞人(音楽ライター「ニッポン・スウィングタイム」講談社ほか)
保利透(ぐらもくらぶ主宰)

ゲスト/
岡田則夫(大衆芸能研究家「SPレコード蒐集奇談」ミュージックマガジン社ほか)
小針侑起(浅草オペラ研究家)
片岡一郎(活動写真弁士)
山田参助vo武村篤彦g)+香取光一郎acc
青木研(bjo)
渡邊恭一(ts・cl)

■第一部 13時00分~
「蓄音器で聴く戦前日本のジャズ世界」

■第二部 15時00分~
「浅草六区と浅草オペラ・戦前の大衆芸能」

■第三部 17時00分~
「若きジャズマンらによる戦前モダンミュージック座談会」

料金/1500円(入れ替え無し)
会場/江戸東京博物館ホール
主催&お問い合わせ/ぐらもくらぶ gramoclub78@gmail.com
オフィシャルサイト/「レコード狂の詩」

ぐらもくらぶ



|04/02| レコードコメント(0)TB(0)
 ん~、このカテゴリーは久しぶりなのです。まあ、興味のある人が少ない上に見せびらかしだから、わざわざアップするのもどうかと思うしねぇ。でも久しぶりの出物なのですよ。

 今回のレコードはこちらです。
尊王攘夷

 2枚組みでしてね。「オリエント 4055~6 映画説明 『尊王攘夷』 伍東宏郎」です。

 日本映画史に詳しい方なら勿論ご存知の大作が『尊王攘夷』です。1927年ですから昭和2年、日活太秦作品、監督は池田富保、出演は大河内伝次郎、山本嘉一、谷崎十郎、岡田時彦などです。助監督に渡辺邦男が入ってるのね。今調べてて気付きました。この作品は壊滅的な日本無声映画においてまとまって残っている幸運なフィルムでもあります。ビデオも出ておりますのよ、廃盤だけど。

 ただちょっと珍しいのは、このレコードが伍東宏郎の吹き込みだという事です。近頃まったく更新できていない弁士列伝で伍東先生は扱っておりますが、この方が解説したのは松竹=阪妻プロ作品であります。「東山三十六峰…」の謳い上げで一世を風靡した『尊王』もそうですし、『雄呂血』の吹き込みもやっぱりこの先生であります。んが!がですね『尊皇攘夷』は日活なのですよ。あまつさえ大河内の出演とくればこの吹き込みは谷天郎が適役であろうかと思われるのです。その辺が珍しい盤なのです。いえね、伍東宏郎はオリエント、谷天郎はヒコーキと契約しているレコード会社が違うっていう問題はあります。ただなぜこの盤がオリエントで企画されたのか興味は尽きません。尽きませんと言ったって興味を持つのは世界で私くらいなモンでしょうが。

 はい、今日の話題についてこられた人、手を挙げて。
|06/06| レコードコメント(0)TB(0)
レコードが届きました。ここ2年ばかり探していた物が古書店の目録に載っていたので慌てて注文した物です。

 前回はヤフオクで出品されていたのですが競り負けてしまったのですね。もう少し正確に言うと、私以外に入札がいなかったから最低の金額だけ入れておいたら終了間際に突然、てパターンです。悔しかったのなんのってアナタ。よくあるけどね。

 物を集めていると競り負ける、一瞬目を放した隙にさらわれるというのは付き物です。こういう時、私は荒俣宏氏の言葉を思い出して耐えるのです。

 一度市場に出たものは必ずまた出る

 良い言葉ではありませんか。もっとも次に出るのが50年後、100年後の可能性だってあるんですが。

 今回手に入れたレコードは、そのなもズバリ「活弁」です。収録は以下の通り。
1、真白き富士の嶺 西村小楽天
2、金色夜叉 福地悟朗
3、佐土情話 西村小楽天
4、国定忠治赤城落 竹本嘯虎
5、吉良の仁吉 谷天朗
6、月形半平太 竹本嘯虎

 んでもってジャケットね。
活弁


 いいじゃんかよう。嬉しかったんだよう。自慢させてくれよう。
|12/27| レコードコメント(0)TB(0)