皆様明けましておめでとう御座います。
本年もよろしくお願い致します。
なンてんですかね、去年は大変な年でした。地震はあるし、談志師匠は亡くなるしで、これまで自分がいかに太平楽に生きていたかを思い知らされた一年でありました。しかも大晦日に信じられない訃報が飛び込んできたりする訳でね。つくづくこの世は憂き世だと思った次第です。
ですが、憂き世であればこそ、どうやら生きている実感が感じられる気もするのです。上手く行かない事だらけの中で、ほんの少しの幸せが感じられるようになれば良いのかもしれません。今日を生きている幸せを感じられるようになれば充分なのかもしれません。
テナ事を書くと、ならもっとお前はギリギリの生活をしてみろ、それからそういう事を言えという方も居るかも知れない。それは全くその通りで、のんきにブログなんぞ更新しているのは望外の幸せなのかもしれません。
つらつらと書いてますがね、着地点を決めて書いてないんです。
念頭の雑感です。
とりあえず、生きてます。そんだけです。
ええと、あちこちで言ってますが報告が二点ばかり御座います。
まずは間もなくですね、1月4日と7日に
神保町シアターさんで弁士を務めさせて頂きます。1月4日は12時から『御誂治郎吉格子』、14時半から『生れてはみたけれど』、7日は14時半から『出来ごころ』です。どうだい、このラインナップ!私の出演の全てのプログラムはサイレント映画ピアニストの柳下美恵さんの生演奏とご一緒させて頂くのです。
新年一回目の上映で『御誂治郎吉格子』を説明するなんて谷天郎になった気分ですよ。しかも立て続けに『生れてはみたけれど』を説明する。もう日本無声映画史の最も凄い所を同じ日に……。嗚呼、お腹が痛い。どうか皆様、私の奮闘を見届けに神保町シアターに遊びに来てやって下さいませ。
私の出ない日も9日には坂本頼光が出演しますし、ピアニストの方も柳下美恵さんの他に長谷川慶岳さん、天池穂高さん、神えりさんが連日出演。同じ映画を違う弁士、違うピアニストで見て聞くとどう違うか、なんて楽しみ方も出来てしまう豪華な10日間です。
神保町シアターさんでは初のサイレント映画特集です。今後に繋げる為にも大切な一回目、是非ともお運び下さいませ。
それからですね、このたび何とミシガン大学から芸術家滞在プログラムで招聘を受けまして、9月から数ヶ月アメリカで生活する事が決まりました!!!芸術家滞在ですよ、あたし芸術家ですよ。もうびっくり。
まだどのくらいの期間、米国暮らしをするか決まってないのですが、せっかくなのでなるべく長く向こうに居られるように画策中です。
今年は師匠に入門して丸10年の記念すべき年なんですが、その年に渡米が決まったのは、そろそを私も弁士として生きて良いよと芸の神様が言ってくれているのかもしれないと甘い考えに身を浸しています。こちらもどうか皆様のご支援を賜りたく思います。
なにとぞよろしくお願い致します。
皆様にとっても、私にとっても、誰にとっても良き年でありますように。