書いてるのは十二月三十日ですけれど。日本はもう大晦日ですけれど。
こちらでは週に二回、英会話教室に通っています。先生は牧師のスティーブ。
スティーブが教えてくれるのは英会話には違いないんですが、むしろ文化理解が中心です。会話をしながら、アメリカではこういう風にするんだよとか、アメリカではこんな行事があるんだよ、なんて教えてくれるのですね。なので細かく文法を指導したりといった内容ではありません。就職や受験対策にはならない教え方ですが、とにかく会話をして様々な文化を知る意味においては、中々楽しい授業です。
水曜は夜七時からの授業なのですが、この日は事前に連絡がありまして、今日の参加者は私しかいないと、だったらウチに来て食事をするかい?と。
普通に授業をやってもいいし、ハロウィンの夜を米国人のお宅にお邪魔して満喫してもいい、どっちでも好きな方を選んでOKと言われたんですね。
これ、考える余地あります?どうせ先生と一緒に過ごすんだし。どう考えたってお邪魔した方が良いに決まってますがな。
と、スティーブ宅にお邪魔する前にかぼちゃをお見せしなければなりません。
僕の住むアパートでは管理人さんの企画で割と頻繁にイベントがあります。あるんですが正直それほど盛り上がってる感じではありません。いつの間にかアパートの住人がお互いにみんな友達、みたいなのが理想なのかもしれませんが、そう上手くもいきませんやね。
それでもイベントが企画されるのは悪くありません。そこから多少なりとも交流が生まれる可能性はありますしね。
それで本日はSignature apartment 主催、あなたのカボチャでみんなを驚かせちゃおうコンテスト発表の日でもあったんです。ウチは早い段階でかぼちゃランタンがありましたが、ハロウィン前に腐りました。あのまま放っておくと、カボチャの顔に醜悪なシミがあちらこちらに出来、嫌なにおいを発し、おぞましい虫が這い回る本気のホラーになってしまうので月末を待たずにご隠退を頂きました。なのでコンテストには参加させておりません。
ちなみのこのコンテスト優勝者には賞金が出ます。
そして賞金は自動的に次の月のお家賃に充てられる仕組みになっています。うぬぬ。
では発表しましょう
第三位

「掘らない」という発想が斬新ですね。僕の写真掲載コンセプトも抑えてくれている素敵な作品でした。
第二位

これは手が込んでいます。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』ですね。
第一位

一位なのに写真がピンボケですね。がっかりですね。ブログにあげるつもりならちゃんと撮れば良いのにね。
カボチャがカボチャを食ってる造形がお見事。
順位は僕が決めたんじゃありませんよ、念のため。
そんな事をやっている間にスティーブ牧師のお宅に到着致しました。
写真は好きに撮って良いよと言われましたが、他人様の家を撮って回るのも趣味が良くないので暖炉の写真を一枚だけ。

十月末でもう暖炉が恋しい気温です。
火って温かいですね。
食事をしていると子供たちがやって来ます。本当に「トリックオアトリート」って。
当たり前ですが小さい子供には大人が付き添っています。お菓子をあげるとね、親御さんが「ちゃんとありがとうって言いなさい」と注意してました。こういうイベントを通じてコミュニケーションを学ぶんですな。やっぱり外に出なきゃいかんよ。
仮装も実に多彩で定番のお化けや魔女から、ディズニープリンセス、果ては和服に刀を挿してる子もいました。ホロウィンの仮装に選ばれるような服で毎週人前に出て小津映画の弁士をやってるのかと思うと若干妙な気持になりましたけれど。
ハロウィンで訪ねてくる子供の数は年々減ってきているのだそうです。少なくともスティーブの住んでいる地域では。今年は六十人ほどだったでしょうか。もういい加減に卒業しなさいよと言われながら毎年来る子もいました。今年十七歳、来年もまた来ますと言い残して去って行ったそうです。
ハロウィンといえば、かつて日本人が撃たれてしまった悲しい事故がありました。たしか今年もスカンクを間違えられて撃たれた子供がいたんではないでしょうか。
ハロウィンに繰り出す子供が減って、発砲事件は無くならない。ゆっくりと形を変えてゆくのでしょうか、それとも規模は縮小しつつも変わらないのでしょうか、あるいは何かの拍子に突然規模か大きくなったりするんでしょうか。僕が気を揉む必要はないのですが、らしさは残って欲しいなと思うのでした。
でも子供たち、ちょっと寒そうだったな。