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 またしてもフィルムが到着したよぅ。本日はアラ・ナジモヴァの『サロメ』です。完全版なら一時間以上ある作品ですが、僕の購入した物は約三十分。どんな風に短くなっているか分かりません。これはカケです。うまく編集されたバージョンならこの長さは結構使い勝手が良い。でも尻切れだとちょっとキツイ。
 ここまで書くと「片岡の野郎は短くなった映画を上映して平気なのか」と不快に感じられる方もいらっしゃるかも知れません。お気持ちは分かります。映画を映画として上映するなら全長版で上映するのが正しいと思います。ただ我々は演芸という側面も御座いまして、この方面から攻める場合は必ずしも完全版の上映が良いとは限らないんですな。このあたりちょっと難しい部分です。

サロメ フィルム
『サロメ』16mmフィルム

 あとはここ数日の話題としては『新世紀エヴァンゲリヲン』を見始めたという事でしょうか。実はちゃんと通しで見てなくて、この際だから見ちゃおうと。幸いミシガン大学のスクリーンアーツ&カルチャーズはエヴァのテレビシリーズはDVD全巻持っているので、これ幸いと。
 余談ですが、DVD貸し出しカウンターは数人のスタッフさんが交代でやっていらっしゃいます。そのうちの一人が研究テーマがアニメなんでしょうね。僕がサイレント映画を借りる時にはさほどの反応をしないんですが、アニメを借りると過剰に反応します。『天空の城 ラピュタ』を借りた時には「マイ フェイバリット」だと言ってましたし、今回も実に嬉しそうに貸し出してくれましたし、日本では新作が公開中だよと言ったら食いつく食いつく。アニメは凄いですなぁ。俺の事を誰かアニメ化してくれないかしら(違)。

 図書館の貸し出しカウンターというと、日芸所沢校舎のカウンターにいたおじちゃんを思い出します。彼も生徒が自分の好きな映画を借りると一言添えずにはいられない人でした。赤木圭一郎の主演作を借りたら「恰好良かったんだよ」としみじみ語られたのを良く覚えています。この時見た作品のタイトルは完全に忘れてしまったというのに。


 今ではYouTubeで『サロメ』の完全版が見られてしまいます。

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|11/30| 活弁コメント(0)TB(0)
 たまにはリアルタイム記事を更新します。
 といっても若干遅れですが。この度、季刊メタポゾンさんで連載を持たせて頂くことになりました。
 まいかい、私が無声映画を数本ご紹介する内容で御座います。
 今回はその第一回。取り上げるのは『月世界旅行』と『チャップリンの冒険』の二本。無声映画に関してのあれこれを思いつくままに語らせて頂いております。

 そしてなによりの驚きは私のページの前には大西巨人さんの映画語り、私のページの次には西原理恵子さんの漫画という豪華なお二人に挟まれての掲載です。

 是非ご覧ください。是非お求めくださいませ。出来たら定期購読もお願いします。
 実際、読み応えのある良い雑誌ですよ。

 映画も本も、これからのデジタル化は避けられないでしょう。デジタルだから出来る本も映画もあります。それは素晴らしい事です。けれど紙だからこそ出来た本があり、フィルムだからこそ撮られた映画があると思うのです。
 メタポゾンは紙の匂いのする雑誌です。なんとなくね。

メタポゾン 第七号

|11/29| 活動コメント(0)TB(0)
 日本でサンドウィッチというと三角形か四角形ですね。つまり日本ではサンドウィッチは食パンで挟んだものですね。ですね、といってますが世間様の認識がどうかは本当は知りません。ウチの母は昔パン屋をやってまして、僕も手伝ったりなんかしまして、そんな僕の人生においてはサンドウィッチはそういうものだという事です。
 ちなみにサンドウィッチと書いてますが、子供の頃はサンドイッチでした。
 母がなんでパン屋をやっていたかというと、母の実家がパン屋だったからです。大正生まれの祖父母が経営しておりました。あの世代はコーラとは書きませんね、気を抜くとコラーになってました。だしぬけに怒られる形ですよ、コラー。
 それからスパゲッティもスパゲテーでしたね。今改めて思い返してみますと何となく美味しそうですスパゲテーパン。スパゲテーパンのスパゲッティはケチャップまみれの真っ赤々なスパゲッティでした。スパゲテーはたまにスパゲッチィになっていた事も思い出しました。

 そんな大正の語感を体に宿した僕が本日の夕食に選んだのはサンドウィッチでした。もっともこれは僕の思うそれではないのですね。ほら町中でみかけるサブウェイね、ああいう奴ね。なんか色々選んで出てきたのを食べました。不思議なタイミングで祖父母を思い出すものです。

サンドイッチ屋
サンドイッチ屋さん。コラーも売ってます

 それから相変わらず大学からDVDを借りて見ています。本日借りたのはこれ。

ポルノ無声映画


 無声映画時代のポルノですね。
 ポルノ、我々にとってはエロの局部はこっちではモザイクがかかっていません。当然ながらこのDVDも丸見えです。昔のだけではなく、今のも当然こちらでは丸見え(のはず)です。近頃の日本人少年諸君はいきなりネットでエロをみるそうなので、丸見えに対して思い入れは無いでしょうが、僕らの世代はいわゆる無修正に徹底的に無駄な思い入れがあったりします。だからこの無声映画のポルノが無修正である事、さらにポルノなのにDVD化にあたってはちゃんと鑑賞の為に音楽を付けている事に感心してしまうのです。
 日本でこういうソフトを出すとしても音楽は入れないでしょう。そんな事したって売り上げに対して繋がらないからなのかもしれませんけれど。結果として日本のソフトは局部は修正で音楽は無修正となり、海外は局部は無修正で音楽は追加されてのリリースとなる訳です。
 ポルノだけならまだ良いんです。ほかの無声映画も邦画作品は音楽に対する思い入れが薄い。だから見ていて物足りない。もっとあるだろうやり方が!とか思っちまいますね。
 たかがポルノ、されどポルノでいろいろ考えさせられますわ。
|11/28| もやもやコメント(0)TB(0)
 日本の魅力はなんといっても四季がある事でしょう。おかげでいつの時期にも美しい景色があり、美味い食い物があり、それらが定期的に変化してゆくのですから実に贅沢な国であります。けれど現在の東京は何でもある。一年中世界中の物が食べられて、服だって買おうと思えば真夏に冬服だって買えちゃう。実に便利ですが、季節から、せっかくある季節から遠ざかっているようにも感じられます。

 Ann Arborは東京ほど都会ではありません。といって何にもないような田舎でもない。だから実に住み良い町でありまして、なんでそんな事を改めて思ったかと言うと、季節や天気の変化に少し敏感になったような気がするからなんですね。

 僕は東京にいる時から月を眺めるのは好きなんですが、こっちの月は違うように感じます。感じます、と言ってみたところで月は月ですから、むしろこちらの心境の変化の方が大きいのでしょう。変化のないようでいて、どこかで変化してるんですな、アタクシも。

 というような事を感じた今日のお月様で御座います。

ミシガンの月


|11/27| もやもやコメント(0)TB(0)
 そういう訳でクロアチアの準備です。具体的には台本の直しと稽古ね。
 今年は日活創立百周年でした。年明け早々に神保町シアターさんで『御誂治郎吉格子』を説明させて頂き、どうやら今年最後の作品も『御誂治郎吉格子』となりそうです。これは弁士としては実に幸せな一年であったと言えるでしょう。

 ところでクロアチアで上映する『天狗退治』は無声版なのか、それともトーキー版を音を消して上映するつもりなのか分かりません。いちおうどっちにでも対応できるようにはしていきますが。こういう事がこの仕事結構ありますね。現場で「あちゃー、このバージョンだったか」みたいなのね。あれは焦りますよ。ま、プロとして最低限お客さんに動揺を見せない程度には出来るようにならないとイケません。

 そうそうクロアチアでは字幕をつけて頂ける事になりました。完全に僕の説明台本に合わせた字幕です。しかも映画祭は国際イベントという理由からクロアチア語と英語の両方の字幕が現在制作中なのです。なんという素晴らしい待遇!これで僕の『御誂治郎吉格子』はドイツ語、クロアチア語、英語に訳される事になります。なんだか凄すぎて実感湧きませんが、日本映画を愛する皆様のお蔭ですね。アリガタヤ。
|11/26| 活弁コメント(0)TB(0)
 「貴殿のATMカードはdeactivatedした。再開を所望される場合は下記番号へへ電話されたし」と携帯にSMSが届いたんです。
 やれやれと思って電話すると、「貴様のカード番号をプッシュしやがれ」と。
 やれやれと思ってプッシュすると「その番号は知らないのですぅ、ごめんちゃい」と。

 結果としてこれはいわゆる詐欺メッセージだったんですがね、でもカードの番号だけでどうするのか未だによく分からないんですがね。なにしろどの銀行かも向こうは知らないですからね。でも全く情報が無いよりははるかに情報がある状態ですね。そもそもなんでこんな怪しい電話に対応してしまったかと言うとですね電話口の英語が聞き取れて調子こいちゃったちょうど、銀行からの連絡待ちだったからなんですよ。デビット―カードの問題がまだカタが付いてなくてですね、どうしたモンかなと思っていた所で奇跡のようなタイミングでこのSMSだったんですわ。それで番号を押してしまったと。
 なんの被害も無かったから良いんですけれどね。
 でも詐欺ってタイミングであっさり引っかかるって事ですね。例のオレオレ詐欺だって、誰もが「自分は大丈夫」と思っていて引っかかってしまうんですものね。詐欺にかかってしまう絶妙の瞬間があるんでしょうね。
 気を付けたいものですね。気を付けてもどうにもならないのを「絶妙の瞬間」と言うんでしょうけれど。

 さて、先日来、連絡を取っていた案件がようやく決定したのです。つまり久しぶりのクロアチア公演。そもそもは渡米に合わせてメールアドレスを変えたので知人には全員にアドレス変更のお知らせを送りました。返事をくれる方、くれない方、向こうも変わってて届かない方、意図的に無視してる方等々、対応は様々で面白かったのですが、そんな中でクロアチアのTajnaは「震災の後、気にしていた」と返信をくれ、とても嬉しかったのです。彼女とは震災直前の恵比寿映像祭で会って「またクロアチア行たーい」「OKよ」なんてお喋りをしてそれっきり連絡が途絶えてまして。そりゃ、気になるわな。申し訳ない。
 とにかくお互いの無事を確認できたと思ったら「ところで12月にザグレブで映画祭があるけれど来られる?」と。これが10月の頭頃だったでしょうか。それから演目選定とか、どうやって行くかとか相談をして、本日ついに確定が出たんですね。いや航空券そのものはすでに買ってしまったので僕が行くのは決まっていたのですが、作品の決定が出なかった。本日ようやく日本のフィルムセンターからOKが出て、これで僕がクロアチアに行って何をするかが決まったという次第。

 クロアチアは初めての海外公演の土地ですから想いもひとしお。そこで今年は大藤信郎の『天狗退治』(無声版)と『御誂治郎吉格子』の二本を説明出来るってんですから、これはゴキゲンになろうという物です。
 海外で生活をしている間に、さらに海外公演が出来るなんて巨匠のような生活じゃ御座いませんか。


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『天狗退治』の無声版はこのDVDに収録されています。そしてこれを持っているミシガン大学に拍手

 しかしこの仕事、つくづくご縁のものだと思います。クロアチア人と二年に一回のペースでちゃんとお付き合いが続いている、これだけで人生楽しいなと思いますね。こういう縁を大事にしていれば、どうにかあと二十年くらいは生きていけるんではないかと思うのです。

 トーキー版はYouTubeに上がっています。クロアチアのTanjaも大好き大藤信郎の『天狗退治』をご覧くださいませ。

 
|11/25| もやもやコメント(0)TB(0)
 この日記は過去の記憶、メモ、ツイッター、フェイスブック、メールのやりとりを総動員して書いています。なので帰国力そのものが根本的に欠如している僕でもなんとか書けているのですが、本日はとうとう恐れていた事態に直面しました。
 過去の記録をみると、この日は一日日記を書いて終わったらしいのです。無為だ、なんと無為だ。

 いやそんな事は本当を言えばないのです。メールを見返せば一応、交渉らしきものもやってるしね。ただ表だってこれをやりました、ってのはないですね。せかっく海外に居るんだから外食をいっぱいして画像をアップしたり、ついでに自撮り画像なんかもあげちゃえば素敵な海外生活っぽくなるかもしれません。ことによるとセレブっぽく……はならないにしても、ちょっぴり優雅には見えるかもしれません。

 でも良いの、そういうブログじゃないから。スタートラインで失敗してるから。

 あ、先日(23日)e-bayで買ったフィルムが届きました。『国民の創生』と『シーホーク』の二本立てです。ほら、ちゃんと頑張ってるじゃんか、俺ってば。帰国後の上演をお待ちくださいませ。

『国民の創生』『シーホーク』
赤いリールが『シーホーク』、灰色が『国民の創生』
|11/24| もやもやコメント(0)TB(0)
 寒いのである。
 久しぶりに公演のない金曜日。でも何もしなくて良いってんでもなく、また何かしてないと不安になる残念な性格ゆえに今日は学校へとやって参りました。
 実はですね、早急に台本を書かねばならない作品が御座いましてね。そのDVDを学校に借りに行かねばならないのでしてね。しかし紀伊國屋から出てるDVDもちゃんと買ってるミシガン大学ってホントに凄いな。

 しかし寒い。まだ11月だってのにしっかりツララです。

つらら


 ミシガン大学にはいくつも図書館があります。それぞれの学部であったりに対応しているんですね。先日行ったハーバードには80くらい図書館があるとか言ってましたっけ。しかしながらミシガンの図書館も負けず劣らずで、全米でも屈指の充実度を誇る大学図書館なのです。しかも一般市民にも開かれている。DVDの収蔵もなかなか結構でして、我がScreen Arts & Culturesには巨大なコレクションがあってワタクシなぞは日々無声映画を借り倒してムハムハしておる次第ですが、当然ながら無いものもある。でも無い物が他の図書館に所蔵されている可能性がある。今回、僕が必要なのは大藤信郎のDVD。検索してみたら在校生が誰でも使えるメインの図書館にちゃんとある。ステキ!
 ただですね、この在校生用の図書館、貸出期間がとても短い。DVDは二日で返せと仰る。学科の先生と話すと「僕はいつも返却送れちゃうんだ。アッハハー」なんて笑っておられますが、僕はその辺り外様じゃない?もし返却遅れて「おい、この日本人、わが校の大事なDVDをさては持ち逃げするつもりだろう。貴様がそのつもりならこちらにも考えがあるぞ。お前のビザは剥奪だ!」
 テナ事になったら困るじゃない?だからしっかり返却日に返すんですよ。
 だからね最低限の物しか借りないと心に決めてDVDブースに乗り込んだのですが、ちゃんとこっちにもsilentってくくりがあるのねぇ。素晴らしいわね。お目当ての大藤信郎さんもありますね。ルビッチもありますね。なんてみていたら目に飛び込んできたのが『'The Call of Cthulhu』の文字。ぎゃぎゃぎゃ『クトゥルフの呼び声』の無声映画ですと?!よくよく見てみたら2005年に撮られた新作無声映画の様子。こんなものがあったのね、と借りてしまうワタクシ。

 あのですね、僕が恐竜が好きなのは皆さんもうご存知でしょう。繰り返しますが『ロスト・ワールド』が説明したくて仕方ありません。
 映画のジャンルではホラーは苦手です。ホラー好きは「怖いのが面白いんじゃん」とか言いますが、あいつらどうかしてるんです。怖いのは怖いんだよ、面白くなんかないんだよ。
 そんな僕ですが怪奇小説は結構好きです。ポーもスティーブン・キングも実は好きなのです。『アッシャー家の末裔』もいつか説明したい作品ですが、それはそれとして高校時代に僕が読みふけっていたのはH・P・ラヴクラフト。談志ひとり会に通って、ラブクラフト読んで高校時代をやり過ごしました。どんな高校生だよ。高校時代の友人知人と未だに付き合いが繋がっているのが自分で信じられません。正直言うと高校三年時のクラスメート、顔と名前を全員一致させる前に卒業式が来ました。最低ですね。同窓会の案内は貰った事がありませんが、この広い地球のどこかではやってるんでしょうか。

 とまあ己の暗い青春を象徴するラヴクラフト作品は、実は無声映画にとても向いている世界観だとかねてより思っておりまして、誰かクトゥルー神話で無声映画を作れば良いのにとずっと思っていたのですが、やっぱり同じこと考える奴は居たんですね。で、実際に作っちゃう酔狂っぷり。実に素敵で御座います。ニャル子さんみたいなのもあっても良いと思うんです、というか大歓迎なんですが(読んでないけど)、やっぱりこういう風に正面から取り組んでくれるのが一ファンとしては嬉しいですね。
 映画としての完成度の話になると、この記事が物凄く長くなるのでここでは避けます。いつかネタに困ったら書くかも。


|11/23| もやもやコメント(0)TB(0)
 サンクスギビングデイってご存知?感謝祭ともいいますね。名前くらいは聞いた事があっても、ほとんどの日本人には実感の湧かないイベントですね。正直、僕にはいまだに実感は湧きません。まあそりゃそうでしょう、アメリカ人やフランス人に「さあこれが七五三ですよ」といって全力で楽しんで貰おうったってそうはいきませんからね。こういう事は生活や習慣の中で体の中に入ってくるものです。
 だからといって「オイは日本人じゃけんの。アメリカさんの祝日には興味なか」なんて態度もよろしくありません。あといい加減な方言を書くのもよろしくありません。折角アメリカに居るのですからね。そしてアメリカの方々は積極的に自国のイベントに僕らを誘ってくれます。これは乗らないと勿体ない。 

 サンクスギビングというのはですね、イギリスからアメリカに来て食料面でエラい苦労した人々が現地の住民の協力を経て収穫が出来たお祝いの儀式なんですな。
 感謝祭といえばターキーですね。七面鳥ですね。この時期にはスーパーに山の様に七面鳥が売っています。しかも安い。サンクスギビングデイをターキーデイと言う人もあるくらい、定番なのが七面鳥。
 アタシは食べ物を写真に撮る習慣が全くないので、むしろ何となく恥ずかしいので折角のターキーも写真に撮ってはおりませんが、堪能させて頂きました。本場のターキー。
 思いつくままに書いているので、順番は前後しますが、今日お邪魔しているのは我が恩人のノーネス先生宅。私の他にも先生の生徒さんもいらしております。

 これは英会話の先生のスティーブに教えて貰ったのですが、アメリカでは何代も遡ってずっとアメリカ人という人は殆どいないのだそうです。だから会話の中で自然に「あなたのお爺様はどちらのご出身?」なんて言うんだとか。日本人同士だとお互いずっと日本人なのが珍しくないですが、こっちではそうではない。なので一口にアメリカ人といっても、それぞれに出自があり、それぞれの家族に引き継いでいる祖国の文化があったりする訳です。ノーネス家にもあるんですね。特別な時だけ作るメニューが。ぱっと見シンプルで、味もシンプル、でも作るのにとても手間がかかるという、決して効率の良くは無い、けれどしみじみ美味しい素敵な料理でした。
 写真はこれまた撮ってません。名前は・・・スンマセン食べるのに夢中で忘れました。
 でも良いの、食卓の光景をちゃんと覚えてるから。

 やぱっりですね、海外から来た人をおもてなし出来る自国の文化ってのは必要だと思うのですよ。これがウチの国の料理ですよ、って出せる環境って良いなと思いますね。ノ
ーネス先生は舌が肥えてるからご招待するのにはハードル高いのだけれど。

マーカスと
Markus Nornes先生と

 上の写真を撮るときに「そういえば二人の写真は撮ってませんね」と。そういう風に行って頂けるのが有り難い。
|11/22| もやもやコメント(0)TB(0)
 絶対追いつかない気がしてきました、このブログです。
 みなさまお元気ですか?
 僕はまだボストンから帰ってなかったのですね。現実世界ではまもなくアナーバーから去らねばならない時期だと言うのに。おぅおぅ。サクサク書きましょうね、サクサクね。

 ハーバード大学、ボストン大学でのお仕事を終えまして、何のかんの遊び呆けて、今日はもう帰る日です。早いわお姉さま。人間良い思いをすると、日常に戻りたくなくなります。でもアナーバーでの暮らしも充分に良い思いなのです。贅沢病ですよ。まったくの話が。

 今日は午前中にちょいと博物館を覗きましょう。

ハーバート 最終日1

ハーバード 最終日2
由緒ある井戸の複製

ハーバード 最終日4

ハーバード 最終日3

ハーバード 最終日5

 道々写真も撮りながらね。

 そんなこんなで訪ねて行ったのがHarvard Museum of Natural Historyでした。
ここ、良いです。そんなに巨大な博物館ではないけれど、展示の幅が広くてね。中でも目玉展示はGlass Flowersです。2日前に、ハーバードの博物館ではグラスフラワーが有名だよ、とキートン似のヘイデンさんに教えて頂いていたので、それじゃ見に行こうってんで来たんです。グラスフラワー、その言葉から思い浮かべるのはガラス製のキラッキラしたお花で、まあ綺麗!なんて光景じゃないですか、僕は少なくともそういうのを思い浮かべて見に行きました。

 ちょっぴりグロい。

 ハーバードにあるのは、そういうんじゃないのね。ガラス細工の植物標本なんですが、昔は植物の細かい部分を研究したり、あるいは学生に実物を提示するのが困難だったりしたので、気の遠くなるような根気でもって大きなガラスの模型を拵えるんですよ。だから細部まで実にリアルでね、弁とか毛とかが実にリアルでね、んでもって大きくてね。
 素晴らしい展示なんです。こうして学問は成されていたのかと思うと感慨深くなるような。でもキラッキラを想像してたからね。ちょっと驚いちゃったね。ハーバードに行ったらグラスフラワーには一見の価値がありますので、ぜひ覗いて頂きたいと思います。
あとは鉱石とか、生物とか、楽しい楽しい。個人的に一番アガったのは恐竜なのです(また?)。

ハーバード 博物館 トリケラトプス
トリケラトプス

 白眉はクロノサウルスの全身骨格でね。とにかくデカいんですわ。今調べたら全長12m!勝てない、どうやったって勝てない。こういうのが海の中を泳いでたんですよ、その昔は。勝てないどころじゃありません、狙われたら逃げられっこありません。大きすぎて上手く写真に撮れなかったので博物館で売っている絵葉書をご紹介。

クロノサウルス
いつか誰かにこの絵葉書を送ります

クロノサウルス
なにが「すごい」だ、俺

 もうあれだね、現代に生きている事に礼を言うべきだね、俺は。ちょっとの事で不平を漏らしちゃいけないね。恐竜時代にネズミか小魚として生まれる可能性を考えたら、今のままで十分に幸せだね。
恐竜側に生まれる可能性がちっとも頭をよぎらないのが我ながら不憫だね。

 実をいうと、辿り着くのにちょっと迷っちゃったのです。なので十分に見て回る時間がなかったのです。もう一度、行きたいねハーバード。この間、松村牧亜さんと二人で「アメリカでも無声映画祭をやるべきだ。そして拠点はハーバードにすべきだ」と身勝手1000%な要求をアレックスにしておいたので、それが実現すると良いな。

 そんなアレックスは忙しいのに今日も時間を割いて食事を一緒にしてくれました。お世話になりっぱなしですばい。

 帰りの飛行機はちょっぴり混み混み。
 なぜかというと明日はサンクスギビングだからなんですね。

ハーバードから帰り デトロイト
デトロイトの空港も少し華やか
|11/21| もやもやコメント(0)TB(0)
 ボストン大学からの依頼は出発の少し前に来ました。
 現在僕はミシガン大学で働くためにビザを発行してもらっているので、余所で収入を得るためには事前に手続きが必要なんです。だいたい一か月前には申請しなけりゃいけない。そんな状況下でボストン大学さんから依頼が来たので、これはハーバードとひとっくるみかな、それでも良いか。なんて思って受けさせて頂いたのですが、ボストン大からの別枠依頼だったんですね。当たり前っちゃ当たり前です。ボストン大学とハーバード大学は違う学校ですから。
 どうもまともに組織に属した事のない人間はこういう感覚が薄くていけません。
 S先生、僕がアメリカに来ると知った当初からボストン大学に呼びたいとは思っていたのだけれど、予算がなかなか付かなくて諦めかけていた所、急遽予算が降りたので電光石火、ハーバードに合わせて授業にご招待下さったのちう次第。直前で予算が下りちゃう当たり、流石に持ってる男だね。
 ホテルで朝食。食事をしている最中でも遠慮なしにクリスマスの準備です。

ハーバード ホテル クリスマス
こっちではくるみ割り人形をよく飾ってます

 朝、ホテルからボストン大学までタクシーで移動。
 こっちのタクシーはあんまり領収書がしっかりしてません。日本だと税金の内訳まで書いたレシートを出してくれますが、こっちは書き込みの出来る名刺みたいなものをペロっとくれるだけって場合がほとんど。大目に申告出来るっちゃ出来ますけれど、これで受け付けて貰えるか、ちょっとハラハラします、日本人としては。大丈夫でしたけどね。
 実際、日本はとても領収書に細かいです。海外公演の経費計上なんて日本でしようとすると結構大変なのですよ。なぜって海外で発行される領収書は割とアバウトなのしか出ないから。でも自腹になったら大変だしね、という。

タクシー 領収書
これは比較的ちゃんとしてる方


 本日は公演ではなく、授業での実演です。
 ボストン大のS先生の授業で実演を幾つかやって質疑応答。演目は『専売特許』と『太郎さんの汽車』と『喧嘩安兵衛』の今渡米における定番セットです。『専売特許』はアメリカのスラップスティックコメディなので、こちらの方々にしてみれば弁士が無くても楽しめる作品、実に良くウケる。初めから終わりまでワンワン来ます。
 海外公演では日本映画を演る事が多いのです。日本文化として呼ばれるのだから当然なのですが、僕は以前から短編で良いので現地の作品を一本入れるべきだと思っていました。映画祭のような場所ならいざ知らず、こういう授業ならなおさらです。最初に面白いと思ってもらわないと後の授業がキツいですし、授業を終えた後の生徒さんが「あれ詰まんなかったねー」とでもなろうもんなら、彼らは生涯無声映画なんぞ見ちゃくれないでしょう。だから学校公演て大事なの。

 実演の後は質疑応答。そんなに特殊な質問はありませんでしたので、ある意味気楽に対応させて頂きました。
 これまでは夜の公演であったり、授業といっても最初の三十分だけ実演をやったら教室をさよならするのがほとんどでしたが、今日は授業の最初から最後まで僕が中心で進めていく形でした。それだけやると生徒さんの顔を見ている余裕があるので楽しいですね。遅れてくる生徒さんも、早めに出て行っちゃう生徒さんも結構堂々としてました。前の授業の関係とか、次の授業の関係があるんでしょう。受講してくれた方もも他の授業から見に来た生徒さん、ボストン大の生徒さんではない聴講生の方、ボストン大学の先生、とまああっちこっちから来て頂いて年齢も性別も国籍も入り混じっていて、魅力的な教室になっておりましたよ。

 ハーバードもそうですが、ボストン大学も牧師さんが作った大学ですので、敷地の中に協会があります。
 
 ボストン大 教会

 ボストン大 ステンドグラス
ステンドグラス

 ボストン大 ステンドグラス2
近寄ると装飾が凝っているのが分かります

 お仕事は昼でお終いにして、夕方からはボストン見物と繰りこもうではないか、と向かった先がクインシーマーケット。行く先々でマーケット覗いてる気がするね。買い物全然しないくせにね。でもマーケットは良いです。町歩き好き、言い換えるなら町歩カーにとっては外せない場所と申しましょう。
 クインシーマーケットは1820年代から続く歴史あるマーケットで、今も大勢の人でにぎわっています。クリスマスの賑わいが、なんとなくアメ横の賑わいを彷彿とさせるのも不思議な感覚。

クインシーマーケット

 
 お母さん、アメリカはもうすっかりクリスマスだったよ。

クインシーマーケット ツリー

ボストン 夜

ボストン 夜2



 クリスマスグッズ専門店もありました。
 期間限定オープンだと思います。そうであってくれ。

ボストン クリスマス屋さん

ボストン キティちゃん

 夕食はマーケットの中にあるフードコートで焼肉弁当

焼肉屋
「日式」っていう書き方が完全に日本ではない事を証明しています

ボストン夜3

どーもくん
ドーモくんも実は人気キャラ
|11/20| 活弁コメント(0)TB(0)
 無事に『毒流』が説明出来て良かった……。
 昨夜は心底ほっと致しまして、寝る前に『非常線の女』の稽古をしようと思ったんです。『毒流』『犬の生活』と一緒にDVDを送って頂いてましたのでね。『非常線の女』は先日ミシガンで演ったばかりなので、とりあえず『毒流』の台本に全力を注いていたんです。んでもってやっとおさらいが出来ると思ってDVDを再生したら、これ『東京の女』じゃね?という。
 いやー、ミシガンで一回出来ていて本当に良かった。

 今日は夜まで時間も御座いますので、そのへんをウロウロと。

ハーバード 教会2
教会は良いね

ハーバード 教会
イイね

 見知らぬ土地を歩くのは大好きです。自由時間はただひたすら歩いているなんて事もしょっちゅうです。知らない場所がだんだん知っている場所に変わってゆくのが楽しいのでね。だから一番ワクワクするのは長年住んでいる自宅周辺で入ったことのない路地を発見した時。
 どうでもいい話ですが。
 そういう訳で、僕は初めての土地でも二日目にはかなり歩けるようになります。安全な地域限定です、もちろん。
 今回宿泊したのはハーバード大学に至近のInn at Harvard でした。吹き抜け天井があって、なかなか素敵空間。

ハーバード ホテル 外
ホテル 外

ハーバード ホテル外
ホテル 中

 そんなこんなで夜。
 しつこいですが告知サイト
 今夜の演目は前述の通り『非常線の女』です。
 音楽は昨日は大定番のピアニストでしたが、本日はかなり実験的でなんとドラムオンリー。演奏者はDamon Krukowskiさん。
 正直を言えば無声映画の音楽は音階が出る者の方がやり易いのです。ドラムだけはなかなか難しい。実際、このシーンはメロディが欲しいな、と思う場面はありました。でもドラムのある種客観的な音が『非常線の女』に物凄くフィットする瞬間があるのです。その時には説明をしながら「うむむ、カッコイイ」と唸らされてしまったのでした。

 日本人は「間」を尊びます。水墨画と油絵の違いを思い浮かべて頂ければ分かり易いと思います。片方は余白だらけ、もう片方は絵具で埋める。弁士も楽士も日本人はあえて無音の時間を設けます。それに比べてヨーロッパもアメリカも楽士の方は基本的には音で作品を埋めていきます。あえて無音を設ける事はあまりしません。
 ところが『非常線の女』は奇妙な作品です。先日ミシガンで共演したArwulf-Arwulfさんは「あえて無音の場所を作ってみたいんだけど大丈夫?」と向こうから提案してきました。そして今日のDamon Krukowskiさんも、かなり大胆に無音部を作ってきます。こういう作品てちょっと無いです。何がそうさせるのか、とても興味深い作品だと思いますね。

 それから今日は本番中にマイクの電池が切れました。
 会場は百人程度の広さなので、ほぼ満席とはいえ生声でも問題ない大きさ。まあ良いかと思って続けていたら、新しいマイクが届けられたのです。そこまでは頻繁には無い(あっては困る)けれど、時折ある事です。終演後に両日質疑応答があったのですが、この日の質問に「途中でマイクを使うのを止めた時間があったけど、どういう演出意図なのか?」と聞かれて流石に驚いちゃったりしました。「電池が切れただけです。僕よりスタッフさんの方が動揺していたと思います」と答えておきましたが。

ハーバード情報誌 表紙
情報誌表紙

ハーバード情報誌 中
情報誌中 掲載ページ

 今回もっともお世話になったのはアレックスですが、次いでお世話になったのはハーバード・フィルム・アーカイブのHさん。彼はとてもお洒落な方で、着ている服のセンスがヨーロッパ的な品の良い雰囲気なんですよ。しかもHさん、バスター・キートンに実に良く似ている。僕が「キートンに似てますね」と言ったら「よく言われる」と笑ってました。フィルム・アーカイブのスタッフがキートンにクリソツだなんて、幸福な出会いというべきでしょう。多分、ものすごい頻度で言われるんだろうな。

 という訳でハーバードに来たらバスター・キートンにそっくりな人を探してみて下さいませませ。

 終演後はなんだかとても良いレストランに連れて行って頂きました。昨日のは打ち上げって感じですが、今夜のは、でぃなーって感じ。

 映画とは全く関係ないんですが、ハーバード大学は一年生は全員、寮に入って暮らすんですって。これは家が遠いとか近いとか、金があるとか無いとか関係なし。とにかく一年生の間は寮生活が規則なのだそうです。お部屋も個室じゃなくて相部屋。
世界中から優秀な学生が集まってきている自負があるからこそ、生活を一緒にさせて家の環境に左右されない人間関係を築くのが目的だとか何とか。中々に面白い校風だと思いました。

 アメリカで暮らしていても、日本で暮らしていても、どんな国で暮らしていても自由だとか平等だとかは建前でしかないと思うのです。でもこうして建前を全力で肯定する姿勢は素晴らしいと思います。
 じゃあお前、全寮制の環境で暮らせよ、と言われたら逃げ出しますが。

 Damon Krukowskiさんと「またご一緒しましょう」とお約束をして宿へ戻ります。ミシガンよりはずっと温かいので、夜の散歩も乙なものです。

 明日は出発前に急遽決まったボストン大での講義が昼にあります。
 働くなあ、わたし。
|11/19| 活弁コメント(0)TB(0)
 目覚めてみればここはハーバード。そう、日本人ですら知っているハーバード。僕が受験をしても一生受からないであろうハーバード。

 ハーバードに限らず、こっちに来てから呼んでいただいた大学、おおむねそうでしょうけどね。というか今、どこかの大学の入試を受けても受かる場所なんて無い気がするよ。そう思うと退化してるよ。たまに学生に戻りたい時がありますね。そしたら今度は普通に就職して、普通の生活をするんだ。普通を指す言葉が普通しか出てこないんだ。つまり普通を想定できていないんだ。

 本日は以前から会いたかった方々と会えるのも楽しみのひとつでした。
 まずは昼食、ハーバードの皆さんと、そしてわざわざNYから無声映画伴奏者の松村牧亜さんが来てくださいました。松村さんの演奏、僕はフィルムセンターで拝聴させて頂いた事があるんです。それからツイッター、フェイスブックではお付き合いがあり、本日ようやく直接出来るという次第。
 MoMAの公式上映で演奏した日本人無声映画伴奏者は松村さんが初というんだからすごいじゃ御座いいませんか。
 早速お昼ご飯に向かいますが、さすがボストンですな。食べ物屋さんも豊富。バーガーも当然ありますし、アジア系もヨーロッパ系もお好み次第。昨日はタイと言いながらベトナムに入っちゃったから、今日はタイにしようか、てな具合にお店になだれ込みますですよ。

後姿
左・アレックスさんの背中 右・松村牧亜さんの背中

 夜と昼のハーバードを歩いて感じたのは、学生がオサレ。
 ミシガンとかカンザスは素朴なんですよ。インディアナは牧歌的。対してハーバードはもっとこう、慣れてる感じっていうのかね。面白いですね、雰囲気の違い。
 あとねハーバードの院生さんが凄い事いってましたよ。「ハーバードって結局、オックスフォードの真似ですから」って。おいおいハーバードまで来てまだコンプレックスあるのかよ。もう良いだろう。もっと自信持てよ。俺なんか日本大学芸術学部演劇学科理評コースだぜ。理評コースってのは理論評論を詰めた言葉で、しかも今は無くなっちゃたコースだぜ。それでもまあ何とか俺は生きてるぜ。良い学校ですけどね、ニチゲー。

 お昼は無難に美味しゅう御座いました。
 海外に限らず各地でお仕事をすると、現地の方が食事に連れて行って下さる機会が多いのね。当然、美味しい所に案内して下さいますよ。我々もそれが楽しみの部分がありますよ。特に安くて美味しいお店が良いですね。高くて美味しいお店も好きですが、土地の人が行く安くて美味しいお店が良いですね。
 だから基本的に仕事先で不味い物にはそんなに当たりません。
 でも以前、飛騨高山に行った時にハズレを引きました。実は高山はラーメン屋さんが多いんです。現地の方に聞いたら「どこでも大体美味しいですよ」と仰るので、適当に入ったんですよ。あそこは不味かった。後で聞いたら、数少ない外れだと言ってましたっけ。でもこうやって何年か経って言えるから結果的には当たりなのかもしれませんが。

 お昼を食べたら今夜と明日の公演会場であるハーバードフィルムアーカイブさんにお邪魔しての会場下見で御座います。
 ハーバードフィルムアーカイブってこんな所よ。

HFA 中2

HFA 中1

HFA 中6
赤い壁に四角い枠が付いてるのが分かりますか?

HFA 中7
枠に近寄ってみました このデザインが素敵


 そんなこんなで日が暮れて、あっと言う間に公演時間がやってきてしまいました。
 いまさらですが告知サイト

看板
受付

 本日の演目は本ブログでしつこく言及しました『Shoes (毒流)』と『A Dog’s Life(チャップリンの犬の生活)』の二本立てです。ブルーバード映画とチャップリン、どちらも日本映画に多大な影響を与えた存在です。いうなれば上映作はアメリカ映画史の作品ですが、同時に日本映画史を考える上でも必須の作品といえる訳です。
 しかもですよ『毒流』はやっとの事で届いたDVDは白黒版だったのが、なんと本番は染色版というサプライズ。はしゃいでるの俺だけ。

HFA 中4
はしゃいでいるので、珍しく自分の写真

 ピアノ生演奏はRobert Humphrevilleさんです。リハは本番前にちらっとやってお終い。あとは本番の出たとこ勝負。日本でもこういう事がほとんどですけれど、海外でこれをやる楽しみってあるんです。だって海外のミュージシャンは僕の日本語が分からないんです、つまり純粋に音(言葉)と音(音楽)のセッションになるんですね。それでちゃんとお客さんに届くパフォーマンスになった時の楽しみと言ったら、なかなか他では味わえません。
 Robert Humphrevilleさん、さすがにフィルムアーカイブとお付き合いのある方ですね。素敵な演奏でした。
 『A Dog’ Life』は、喜劇の上映はこうでなくちゃと思わされる笑いに次ぐ笑い。つまりこれって無声映画を構えずに見てるんですね。古い映画だから退屈なんだろうって先入観もない、名作だから伏し拝んで鑑賞させて頂かなければというリキみもない。あるのは目の前の映画を楽しんじゃおうとする素直な姿勢。そういう風に見られれば無声だからとか、トーキーだからとか、カラーだからとか、3Dだからとか、そういう形式から全てを決めつける愚を犯さずに済みますね。そういう人たちが封切館だけじゃなくてフィルムアーカイブの上映会に来ているってのが大事。とっても大事。
 海外の無声映画伴奏者の方とお話しすると、大抵の方が「弁士の存在は知っていたけれど、共演するのは初めてだ」と、そして終演後には「楽しかった」と言って下さいます。後半はお世辞交じりでしょうけれど、少なくとも怒ってはいません。いないと思う。

 終演後にはもう一人お目にかかりたかった方、オペラ訳詞家の三浦真弓さん。三浦さんはツイッターで何やら面白い人だと思ってフォローさせてい頂いていた方。ボストン在住だとは知っていたので、思い切ってナンパしたところひょいひょいきたお忙しい中をいらして下さって感激でした。お土産にボストン名物のチャウダーまで頂いちゃって、こんなことなら練馬大根でも持ってくるべきだったと思いましたね。嘘です、思いませんでした。

クラムチャウダー
チャンダーは二つ頂きました。気づいた時には一つ食べてしまっていたので、画像に残っているのはこちらだけ

 さらに2013年2月に某所で企画されている公演に為にJのSさんも来て下さって。
 もちろん初めてお会いする多くのお客様にいらして頂いて、毎度の事ですが幸せな仕事をしていると実感しますね。

 三浦さんで思い出しましたけどね、洋画の上映の時には字幕翻訳を自分でやる機会が最近多いんです。日本でも仲良くしている翻訳家の方がいてちょいちょい見に来て下さる。翻訳をお仕事にされている方の前で拙訳の台本で公演をする気まずさったら、もう、ね……。中国映画をやった時にも(これも自分で訳した)翻訳をされている方が見えて「誤訳があったのに、最終的につじつまが合ってたのが凄い」ってよく分かんない褒められ方をされた事があります。
 ま、他人の台本じゃないからね。自己責任だからね。
 でも自己責任で訳すからこそ、自由な作品解釈が可能でもあるんです。訳ってやってみると分かるけれど、単純に外国語力だけの問題じゃないのね。作品解釈力であり、アウトプットする日本語力が物凄く大切。逆に言えば他人の訳を使うと弁士にとって最も重要な作業の台本書きの骨の部分を他人に任せる事になっちゃうんです。でも自分で訳すときは、意味の分かんない文章が出てきたり、適切な訳語が見つからなかったら必死で考えて作品に踏み込まなきゃいけない。答えは作品の中にしかないから。
 極力、弁士も自分で訳すべきなんでしょう。出来る範囲でね。
 『Shoes』の邦題がどうして『毒流』なのかは全く不明だと以前書いたと思います。でも今回は自分なりに、なぜ『毒流』なのかを考えて台本に盛り込んでみました。こういう感覚って訳す作業の先にあるきがするんです。

 『毒流』に僕がこだわる理由に、かの生駒雷遊先生が得意にされており、晩年の録音が今でも聞けるからだという事も以前書きました。その『毒流』の前説で晩年の雷遊先生は「生駒雷遊で御座います。二代目ではありません。弁士がこんなに生きておりますのに、無声映画という物が少なくなりました」と洒落混じりに仰っています。
この時期、まだ往年の弁士諸先輩方はかなりの数がご存命でしたが、肝心の無声映画がフィルムの所在が掴めない物が多く、今の様に家庭用ソフトも無いといった状況でサイレント映画の上映自体が、現在よりも(無声映画時代に近いにも関わらず)遥かに貴重でした。自分はまだ生きているのに、無声映画が上映できない。かつて一世を風靡した身にとってはさぞかし寂しかったでしょう。それ故にたとえ断片であっても自分の語りで浅草の観客を唸らせた『毒流』を再度説明出来る事は万感胸に迫るものがあったのではないかと思うのです。

 そんな歴史的背景に想いを馳せながら『毒流』は生駒調で説明させて頂いたのでした。

 ここに辿り着くまでに、かなり大変でしたがお陰様で楽しい夜となりました。

 松村さん、三浦さん、Sさん、ボストン大学のS先生もご参加頂いての打ち上げも楽しゅう御座いました。

HFA プログラム
ハーバード・フィルム・アーカイブプログラム

HFA プログラム中
自分のページ

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 本日は移動日です。ハーバードのあるボストンへと移動します。連日飛行機に乗るとか、なんか偉い人っぽくない?
 飛行機の時間までは余裕があるので『毒流』の台本書きかと思いきや、博物館見物にゴゥ。いやだって、チェックアウトの時間がね。

 クリーブランドでは師匠の澤登も公演をした事があるんだ、なんて話をJさんに教えて頂きながら、まずはクリーブランド出身の大統領ジェームズ・ガーフィールドゆかりの場所に。

ガーフィールド大統領ゆかりの寺院
この日は午後から何やら式典があるらしかった
 

 ここから見る景色が素晴らしいのです。

クリーブランド 景色
クリーブランド一望

 それから博物館に。
 展示物あれこれ。

クリーブランド展示1

クリーブランド展示2

クリーブランド展示3

クリーブランド展示4

クリーブランド展示5



 ここにはピカソの青の時代の代表作 《ラ・ヴィ 人生》もありました。眼福々々。
 どの絵かは検索してくれぃ。

 あれこれ遊んでいたら空港に向かわねばならない時間となりました。

クリーブランド空港
クリーブランド・ホプキンス国際空港

 この項を書くためにクリーブランドの空港について調べたらクリーブランド空港の謎なんという検索サードで記事がソロゾロ。そうなのね、クリーブランドにはNASAの研究施設があるんですね。


 ボストンの空港で待っていてくれたのは二〇〇七年に日芸で会って、二〇〇八年にニッポンコネクションに呼んでくれた、僕の恩人でありますアレックス・ザルテン氏。彼は本当に日本の映画からアニメからゲームから詳しい人です。ハーバードでも、これから非常に面白いプロジェクトが始まります。まさかアレを集めるだなんて、さすがハーバードは凄いなと思わされます。日本の大学は完全にこの分野の研究では出遅れてしまった感じですね。
 そのアレを言っても良いのかしら?
 アレックスに訊いてみてOKなら言っちゃおう。日本から寄贈とか出来たら良いよね。僕と同世代なら絶対に知っているアレです。

 という事でやってきました、ハーバード。
 明日は『犬の生活』と『毒流』の説明です。
 台本はこの日の深夜二時頃、完成しました。ぜぇはぁ……。
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 アメリカに来て77日目です。ナナナラビですね。ラッキーセブンですね。
 本日はオハイオ州クリーブランドに来ております。空港まで迎えに来てくれたのはクリーブランド・シネマテークのJさんです。Jさん、中々に気さくな方。自分の車はボロなんだ、カミさんの車は新しいんだけどね、なんて言って笑っています。いや、カミさんて言ってませんwifeです。でもこの人は日本人だったらカミさんて言葉を使うだろうなと思わせてくれる雰囲気の方です。

 そして車は実際ボロでした。
 けなしてるんじゃなくてね、なんだかアメリカっぽい使い込んだ感じのボロで悪くないんです。助手席のシートベルトが壊れてたり、後部座席のドアを閉めるのにコツがいったりしますが。
 でもボロ車の持ち主のJさんには大変な秘密があったのです。それを夜知った時にはボロ車が何やら由緒正しいヴィンテージカーに見えてしまったのです。俺、単純だから。

 公演は今夜なんですけれどね、大分早くついちゃいましてね。ホテルにチェックインできるまでまだ三時間は必要だってんですね。でも却って良かったんです。そのままホテルに連れて行かれたら本番まで『毒流』の台本を書いて終わりです。でも折角クリーブランドまで来て、何も見ないじゃ悲しいじゃないですか。だからちょっと町中を案内して頂きました。さすがにシネマテークの方だけあって案内する場所が心得てらっしゃる。
町中にある小さな教会。
 「ここで『ディアハンター』の結婚式のシーンが撮られたんだよ」とかね。
 嬉しいじゃないですか。車の中から見ただけなので写真は撮ってませんが。

 いま調べたら『アベンジャーズ』の大規模ロケもクリーブランドで行われたとか。
 つまりクリーブランドってのは、ちょっと昔のアメリカらしい風景が残っている都市なんですね。その最たる例がこのウエストサイド・マーケット。一八四〇年からある歴史あるマーケットです。

ウエストサイドマーケット1

ウエストサイドマーケット2

ウエストサイドマーケット3

 雰囲気がフランクフルトにあるマーケットにそっくりなのね。調べてみたらドイツ系の祖先が一番多らしいじゃないですか。やっぱりなんとなく繋がるものがるんでしょうかね。それから図書館やらフードコートやら一八〇〇年代末に建てられたホテルに連れて行って貰ったりね。

古いホテル
古いホテルの天井

 泊まったのは別のホテルでしたが。
 
 何となく観光させて頂いて、ホテルに入ったら休む間もなく『毒流』の説明台本を待ち合わせ時間まで書いて、会場入りして、リハやって。
 この会場も良いでしょう?
 
クリーブランド シネマテーク1
客席数600


クリーブランド シネマテーク2
当然の様にピアノがある


クリーブランド シネマテーク3
ピアノ側からスクリーンを見てみると


クリーブランド シネマテーク4
弁士台に居るのは僕ではなくJさん


 この古い感じがね、良いですね。ちゃんとピアノも置いてありますしね。
 本日の演目は『東京の宿』でした。正直言うと事前に稽古している余裕は無かったんです。だから『東京の宿』で助かりました。ミシガンで演って、インディアナでも演ってますから流石に呼吸は忘れていない。これならこなせる。
 というつもりでやったんですが、やっぱり稽古をしないで上がったバチで御座いましょうかね。まさかの映写トラブル・・・。映像復旧までどうにかお喋りで繋ごうとしますが、こればっかりは語学力の問題でどうにもならず。公演後に質疑応答があるので通訳さんに来ていただいていたんですが、急遽お仕事をお願いする結果となってしまいました。
 イカンね。弁士の仕事はこういう時に間を持たせるのも本来はコミですからね。ほんとイカンね。

 そうそう会場がシネマテークなだけあって上映前には今後の上映予定作の予告編も流れました。これも良いですね。普段はあんまり予告編を映す環境では仕事しませんから、ちゃんとリアルタイムの中で仕事をしている気になりますよ。

 クリーブランドに限らず、アメリカのお客さんは楽しんでくれているのが伝わるので実は演りやすいのです。この日もトラブルこそあったものの、むしろトラブルも生物の魅力として捉えて下さっている方が多くて、非常に救われた心持でした。

クリーブランド プログラム表紙
シネマテークプログラム表紙 2012年11・12月号

クリーブランド プログラム
僕が出ていたというアリバイ 『ブリキの太鼓』も上映します

 こうして三五歳の初仕事を乗り切ったのでした。


 終演後は毎度の打ち上げですが、今回はシネマテークの常連さんたちも参加してのお食事。これがめっぽう楽しい。さっきみた『東京の宿』の解釈について、あれやこれや意見を交わしたり、Jさんが「最後に出てきた警官て、笠智衆じゃない?」なんて話題から話が広がったり。それに皆さん、映画以外の話もちゃんと出来るのが素晴らしい。ワキアイアイという言葉がぴったりくる夕食でした。ワインも美味しかったしね。
 いえね、日本だとね、映画の話しか出来ない人とかね、いるんスよ。
 アメリカにも、いくらでもいるんでしょうけどね。
 日本だってそんな人はむしろ少数だけどね。

 ひとしきり食べて飲んでお喋りして、さあホテルに帰ろうかという段階で判明したJさんの事実。それはなんとJさんはKnightの称号を持っていらっしゃるという。俺、Knightと仕事しちゃったよ。ホテルまでJさんの車で送って頂いた訳ですが、もうボロ車だなんて思いません。この車は「はいマイケル」って言うに違いないと。
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 お誕生日おめでとう、俺。
 自分の誕生日は忘れますね。毎年、誕生日直前にハタと思いだすのが通例です。でも流石に今年は海外生活で、なんとなく感慨もあるんでしょうか、11月に入った時から少しは意識してましたよ。さらに時差の関係で先に15日になる日本から「おめでとう」メッセージも寄せて頂きましね。否応なく、今日は誕生日なんだなと思いますね。

 誕生日なので何か欲しいですね。主に仕事。
 でも仕事がらみでは良い事がありました。先日ebayで買ったフィルムが到着しました。それからそれから届きました『毒流』のDVDが届きました。首の皮一枚で繋がりましたね。でもねこれから字幕翻訳を自分でやって、その後に台本も書かなきゃいけないの。無茶苦茶なスケジュールですね。明日はクリーブランドで『東京の宿』を説明して、明後日が移動日で、明々後日には本番。あ、考えたら気が遠くなってきたよ。
 
 でも出かけるのよ、今日は。
 なぜかというとヌーンレクチャーの日だから。しかも講師がお友達づきあいをさせて頂いている岡田万里子さんだから、どうしたっていかなきゃいけません。講演のテーマがDancing the Tradition and Conserving the Arts: Kyomai in Kyoto's Geisha Quarterだってんですから面白いに決まってます。行かねばなりません。てか行きたい。楽しみにしてたんだ。
 京舞というのは祇園の中で育まれた、ある意味とても閉鎖的というか、限られた空間での芸能でして、そこにはさまざまな歴史があって、提示される資料もいちいち面白くてですね。芸能とはなんなのかを改めて考えさせられる時間でした。
 芸人になったら売れたいと思うじゃない?色んな所に行って、大勢の人に見て貰って、って思うじゃない?それが普通だと思うと、そうでない芸能って沢山あるのよね。ある限られた土地を前提にしていたり、活動出来る期間が限られていたり。そうした時間的空間的制限が芸能に重要な個性をもたらす事もある。マジョリティを獲得する過程で個性が削がれる事もある。
 芸能とは?なんて思いましたね。

 それからあとは記憶が御座いません。
 ひたすら台本でした。

 本日も画像が無いので、海外の弁士シリーズ。
 メキシコ生まれで、日本に来てタカラジェンヌをやって、メキシコに帰ってから日舞と役者と弁士をされている飯田イレネさんの動画です。この項を書いていると時にたまたま見つけました。


 こっちにいる間に、共演がしたいなぁ。
 イレネさんは日本髪の方です。
|11/15| もやもやコメント(0)TB(0)
 海外へどうやって行くか、それが問題だ。
 東京なら何とでもなる事です。でもいざとなると土地勘がないので、どこに何があるか分からない。飛行機のチケットをどこに相談して買えば良いのか、見当がつかない。これが練馬の自宅だったら歩いて5分の距離に小さな旅行代理店があるので、そこに相談すりゃあ何とでもなろうものを。

 なんて言っていても始まりません。Fさんに教えて頂いた旅行代理店に昨日メールを送った所、一件からはなんの返答も無し、JTBのUSAさんはあっという間に返信がありました。こういう時、なんのかんの大手って安心よね。

 大手と言えば僕が口座を作ったChase銀行はネットで調べると殿様商売で最低と頻繁に書かれてます。僕が日本で主に使っているのは三菱東京UFJ銀行ですが、こちらも殿様商売呼ばわりされています。大きい所はちょっとした傷も大きく見えちゃう部分もあるんでしょう。近所のおばちゃんがやってる店で起きたミスなら「しょうがないな」で済むことも、大きな会社で同じ事が起きたら「おたく上場企業でしょ?」とか言われちゃうのね。とかく近頃は文句を言った者勝ち、なんて空気もありますから。
 あのねChase最高!三菱東京UFJ完璧!って言ってるんじゃないのよ。誤解のなきよう。

 ともかくも大手のJTBさんのお蔭でチケット購入の筋道が付きました。
 その方法はと申しますと、小切手を郵送する、です。
 でも最近は航空会社もチケット手配から24時間以内に支払いが無いとキャンセルになってしまうんだそうで、キャンセルになると現在の値段そのままの保証もなくなってしまうのです。といってJTBさんが僕のチケット代を肩代わりしてくれる訳もなく、Over Night便でNYの支店まで高額小切手を郵送しなければならなくなりました。これもね、あんまり発送にモタついていると明日までに届きませんからね、家の近所で速達を扱っている所を探すのですよ。

 どの業者が良いかなと調べると、どの業者も必ず「あいつらOver Nightとか言って平気で送れる」という評判を見かけます。運送業に絶対はないものね。でも小切手だしね、明日の午後二時までに届かないと困っちゃうの。

 結局、日本でも有名なFedExを利用しました。選んだ基準は窓口が徒歩圏内にあったから。どこかの日本人の方がブログでFedExのスタッフがいかに横柄かを書き綴っていたので心配しながらの手続きでしたが、システムも良く理解していない上に英語もからっきしの客を相手にとても良くして頂きました。Ann Arborのワールドマーケット脇にあるFedExは対応が良いです。現地情報。

 ただし料金が高っえええ
 翌日到着指定便でミシガンからNYまでで日本円で3000円くらいしました。
 チケット代が値上がりしたようなもんですね。でも仕方ありませんね。

 あとはドイツのボン無声映画祭に現地の弁士が現れた、なんて情報もキャッチ。
 実際に聞いた方の感想によるとイマイチだったそうですが、技術はやってりゃあがりますからね。そうなったら地元の言葉で話せる弁士がいるのに、わざわざ日本から弁士を呼ぶ必要もなくなってしまいます。でもボンに弁士が現れたのは間違いなく僕の影響です。この辺りにジレンマがありますね。広まるのは嬉しいし、世界中が弁士や楽士や無声映画に親しんでくれるのは嬉しいけれど、結果として自分の首を絞めてしまうかもしれない。それでも広がった結果だけマシですけれど。既得権にとらわれて、閉ざして閉ざして閉ざしきった結果に自分の首が絞まるよりは良いでしょう。
 
 いや、同じか……。

 そんな想いを抱えながら海外公演の準備は着々と進んでいくのです。

 今日は写真が無いのでYouTubeで発見した、存在感が尋常ではない海外のBenshi


 
 Silent Horror Filmだそうですが、笑いを取りにいっているとしか……。
|11/14| 活弁コメント(0)TB(0)
 ついに来ました。
 ソーシャル・セキュリティー・ナンバー・カードが。
 これで僕もアメリカの社会の構成員として認められたという事です。
 日本ですら社会の構成員として働けてない気がしますが、それはそれとして考えましょう。カードが届いたのも嬉しいですが、大事な手紙や荷物が受け取れる環境をようやく作れたのが嬉しいですね。下手すりゃ請求書を無視し続けて、後で罰金の山なんて可能性もゼロじゃありません。そうでなくてもギャラの小切手が届かないとか、仕事の依頼の手紙が届かないとか、海の彼方にあるのはニライカナイだったりとかするじゃないですか。

 嬉しいので見せびらかしちゃいましょう。
 こんなのです。

SSNカード

 ソーシャルのセキュリティーなナンバーを書いたカードですから、さぞかし立派なものが来るかと思っていたらペラッペラ。左側なんて切り取り用のミシン目が見えますね。良いのか、こんなにヤワな物に大事な情報を載せておいて。それでいいのか、アメリカ。あとこのカードは番号が漏れると悪用出来ちゃいます。だから注意書き「持ち歩くな」としてありました。家の中のちゃんとした場所にしまっておけ、という事ですね。たしかに普通にお出かけをしたり、買い物をしていてSSNを求められることはありませんからね。でもなくしちゃう人も居るだろうな。オレオレ詐欺みたいなので番号を聞き出しちゃう人もいるんじゃないかしら。余計な心配ですかね。

 SSNカードは届きましたが、デビットカードは届いてません、『毒流』のDVDも届いてません、飛行機のチケットを買う算段もまだついてません。

 実にこの時、僕は八方ふさがりに近い環境でした。
 でもひとつ突破口が見えるだけで俄然状況が良くなるパターンがありますね。今回もそうだと信じるしかないのです。
 ひとまずミシガン大学の日本人職員であるFさんに飛行機のチケットの良い買い方がないかを相談しましたら融通が利くであろう旅行代理店を数件紹介して頂きました。『毒流』のDVDも今日中に届く予定だとの連絡も来ました。 何とかなるかもしれませんね。

 というか何とかなっておくれよぅ。

 写真はヒゲのキティちゃん。
ヒゲのキティちゃん

|11/13| もやもやコメント(0)TB(0)
 月曜日なので学校にやって参りました。
 出勤義務はないのですが、なんだかんだと来ています。主に図書館に用があるんですが。
 Silent Ozuが終わってしまいました。するとどうでしょう。学校のあちらこちらで見かけたSilent Ozuのポスターが撤去されているではありませんか!(当たり前)
 あのポスターが貼ってある間は「君はここに居ても良いんだよ」って言われていた気がしたんです。あれがなくなると「あれ、まだいたの?」的な心象風景と申しましょうか、急に不安を感じるもんです。

Silent Ozu チラシ
いまはむかし さいれんとおづという じょうえいかい ありけり

 誰かに言われたってんじゃないですよ、念の為。
 つまりSilent Ozuが自分にとっても足場だったんだなと、改めて感じたって話です。
 どうして日本映画業界はもっとちゃんとフィルムを取っておいてくれなかったんだろう。フィルムが残っていればSilent Ozuが終わったらSilent Mizoguchiをやって、その後はSilent Itoをやって、Silent Naruseをやって、Silent Yamanakaをやって……。そうして世界を回って生活出来たのに。それが現在の惨状たるやね。もう少し後年の弁士の事も考えて頂きたいででわ、ぷんすかぴー。

 話は変わりますが、来月は海外公演があります。海外公演て米国じゃない国ね。
 海外なので飛行機に乗ってゆくのですが、チケットをどうしようと。先方としてはこっちで買って、清算のの方が経理的にはやり易いようなので、そうしましょうと言ったはいいものの、なんとカードの限度額が。
 日本は現金社会じゃないですか。だからカードを使う頻度がそれほど高くない。加えて私のような貧乏人はカードの限度額までお買い物をする機会も少ない。限度額なんて気にした事がなかったんですわ。でも考えてみたら、米国内の移動もカードで払って後日精算とか他にやったりして、じわじわと来てたんですよ限度額の壁が。日常生活に使う分には問題ない金額が残ってました。でも海外への往復となると、もうダメ。お金はあるんです、口座に。でも払えない。銀行からのデビットカードがまだ届いていない事が、こんな場面で響くとは思わなかった。旅行代理店の窓口で直接相談するか、BillMelaterってのを使ってみるか、あるいは誰かのカードで払ってもらって小切手を切るか、色々と考えますが結論出ず。でもこれもクリーブランドとハーバードに行く前に何とかしないといけない。一週間くらいの度ですから、その間放置するとチケット代が上がってしまう。
 情けない話じゃないですか。お金があるのに払えない。
 貧乏人でも「お金を使わせてくれ」と思う時ってあるんですね。

 海外で数ヵ月暮らすなら限度額も事前に何とかしておくべきだと学びました。
 渡航先でカード会社に連絡して「限度額上げておいてー」って言っても認めてくれませんしね。
 限度額を上げるのは先々に収入のアテがある場合のみね。海外で文無しは尋常じゃなくキツいですから。

 しかしチケット、どうやって買おうか。
|11/12| もやもやコメント(0)TB(0)
 本日は日曜日です。郵便は届きません。待っていてもハーバードからDVDは届かないのであります。諦めがつく日は却って安心ね。
 僕はジタバタしても仕方のない事には抵抗しない主義です。そんなの当たり前じゃないかと思う方も多いでしょうが、僕の抵抗しなさっぷりは大したもんですからね。せめてもう少し抵抗しようよ、と思われます、よく。でも仕方ないものは仕方ないですからね。祈ったところで郵便が日曜に来る気遣いは無し。本日は諦めて『犬の生活』の台本と、某作の字幕翻訳(の為の字幕起こし)に精を出すことに致しましょう。

 だから今日は話題がありません。 
 でも何か話さないといけません。

 先日、ミシガンシアターに『Samsara』を見に行ったと言いました。当然ながら新作です。
 先日、ミシガンシアターには1927年製のシアターオルガンがあると言いました。当然ながら古い楽器です。

 これらふたつは普通に考えれば繋がりません。まさか『Samsara』を上映中に演奏する訳にもいきませんね。でもミシガンシアターでは毎日シアターオルガンをお客さんの前で演奏しています。ちゃんとシアターオルガンが生きた財産だと認識しているんですね。

ミシガンシアター シアターオルガン


 最近、柳下美恵さんが劇場にピアノを設置する運動を熱心にされています。そして実際にピアノを入れさせちゃうから大したもんです、あの方は。ここでピアノを導入した映画館はミシガンシアターのやり方を参考にして頂けたらと、外部の人間の勝手な考えですが思うのですよ。無声映画上映の時だけピアノを引っ張り出すんじゃ勿体ないじゃないですか。一日一回でも良いからピアノの演奏がある映画館て素敵だと思いませんか?

 映画館だけでなくてね、僕ら無声映画業界の人間も、もっと出来る事があるんじゃないかと思ったりしますね、はい。それには自分たちの扱っている物の魅力を常に再検討していかにゃなりませんね。ミシガンシアターが自分の館の魅力を分かっている様に、僕らも自分の魅力をちゃんと説明できるようにならねばなりませんね。

 説教臭い話でした。
|11/11| もやもやコメント(0)TB(0)
 ちょっと焦っています。
 Silent Ozuが終わってやれひと段落と思いきや、そんな事は無いからです。
 来週は小ツアーがありましてね、十六日にクリーブランドで『東京の宿』を説明して、そのままボストンに移動、十八日に『犬の生活』と『毒流』を、十九日に『非常線の女』をハーバードフィルムアーカイブで説明して、二十日にボストン大学で実演交じりの講義をせにゃなりません。このうち『東京の宿』『非常線の女』はやった事があるから良いんです。ボストン大学では演目はこちらが演りやすい短編を持参すれば良いから問題ないんです。『犬の生活』もミシガン大にDVDが所蔵されているから委大丈夫なんです。

 問題は『毒流』です。その舞台も精一杯に務めさせて頂くつもりですが、弁士としては『毒流』には力を注がざるを得ないのです。『毒流』を演る事は渡米前に決まっていたので、生駒雷遊先生の録音もこっちに持ってきてモチベーションを高めていたのです。
 
と こ ろ が

 台本制作用のDVDが来ない。市販されているソフトなら個人的に買っちゃうところですが、オランダのフィルムアーカイブ所蔵作品なので世の中に出回っていない。当然ながらYouTubeにも上がっていない。
台本の書き様がないんですナ。

 これにはちょっと理由があって十八日は『毒流』と『犬の生活』ですが、実は最近まで別の作品の予定だったのです。それが、まあ、さまざまな理由から差し替えになりまして、結果として発送も遅れてしまった訳でして、でもこの差し替えは予想できていたりもしまして、早い話が自業自得なんでして。

 まだ一週間以上時間があるので台本を書くだけならな問題ありません。でも問題は十六日にクリーブランドに出発しなければならないって事です。どう遅くても十五日にはDVDを受け取らないとアウトです。完全にアウトです。僕は芸の神様に愛されているので、なんだかんだと大丈夫なんですが、それでも早く届くにこした事はありません。

という訳で焦っています。
 これは後追い日記で二〇一三年になってから書いているので分かったのですが、十一月六日に熊のぬいぐるみの写真を撮ってから一六日にオハイオ・クリーブランドシネマテークでの公演日まで写真を一枚も撮っていません。『犬の生活』の台本を書きながら、結構追いつめられていたようです。

 でも今日、初めてebayで16mmフィルムを落札しました。これから買い込みますぜ。

Grief in Bagdad
『Grief in Bagdad』というタイトルです。明らかに『バグダッドの盗賊』のパロディ映画

 焦って無かったのかもしれない。
|11/10| 活弁コメント(0)TB(0)
 本日はSilent Ozuの最終回です。
 ミシガンに来て二か月半、毎週々々金曜日に小津作品を説明する。夢のような時間でもあり、想像以上のハードワークでもありました。一言で言えば楽しかった。
 重圧もありましたね。なにしろお客さんが楽しみにしてくれているのが分かるんです。最初の数回こそ日本の文化だ、珍しい映画だってんで来てくれていたお客さんが、後半は「これは面白いものだ」と思ってきてくれている。『出来ごころ』の後に日本人小学生の男の子が「すげぇ面白い」って言いながら帰ってくれたばかりか、その後もほぼ毎週来てくれたりしました。突貫小僧や飯田蝶子の顔を覚えてしまって彼らがスクリーンに現れるだけで、何か楽しい事をするに違いないと期待する空気が感じられたりもしました。『非常線の女』の圧倒的なモダンな空気に戦前日本のイメージがガラリと変わった方もいらっしゃいました。シンポジウムとの共催での『東京の宿』では研究家の皆様からスタンディングオベーションを頂く、この上ない光栄に浴しました。『生れてはみたけれど』で無声映画時代から歴史が繋がる映画館で説明をさせて頂きました。そして日本語が全く分からないのに二カ月半すべての回に来て下さった方や、最終回にお疲れ様とヨモギ大福を差し入れして下さった方、様々なお客様に恵まれた事も強く心に残っております。

 いい思い出を書いているとキリがないのです。嫌な思いはしてないんじゃないだろうか。
 
 そんなSilent Ozuが今日、終わります。寂しい、とても寂しい。
 本日の演目は『浮草物語』、音楽はLittle Bang TheoryのFrank Pahlさんです。彼との共演はもう三度目ですから、不安も文句も御座いません。楽しくも悲しい小津世界を見事に表現してくださいました。Little Bang Theory の音楽で玩具楽器の持っている可愛さとほんの少しの物悲しさを知れたのも今回の大収穫であったと思います。

 最終回なので一世一代の名演を、とも思ったのですが無い袖が振れる筈もありませんで、どうにかこうにか。もっと上手くなりたいですね。
 
 あ、そうそうSilent Ozuシリーズには定職を持った気分を味あわせて頂きました。安定って素晴らしいですね。なので今日の前説で「Silent Ozuが終わったから、俺は明日からFloating Weed(浮草)だ」って言ったらアメリカ人に「Oh….」って言われましたよ。仕事くれぃ。
 この機会を与えて下さった皆様、協力して下さった皆様、お越し下さった皆様に感謝です。

 最後にSilent Ozu初日、Michigan Theaterでの風景をもう一度ご覧ください。(つまりまた写真を撮ってない)

サイレント小津初日


 とかいって、来週金曜日にはオハイオで『東京の宿』を説明するんだけどな。
|11/09| 活弁コメント(0)TB(0)
 あまりマメにご報告はしておりませんが、毎週木曜のヌーンレクチャーには予定が合う限り通っております。本日のテーマがModern-Day Hermits: The Story of Hikikomori in Japan and Beyondです。これはどう見たって面白そうなテーマですよ。興味のある内容は誰にとっても大して変わらないのか、本日のヌーンレクチャーは今季初の立ち見の出る大盛況。無声映画であったり芸者の京舞であったり、震災アーカイブであったり、日本野球であったりと毎回多角的なテーマをヌーンレクチャでは取り上げていますが、圧倒的な集客を誇ったのが今日の「引きこもり」でした。
 つまり米国で日本について学んでいる人たちが、真に今日的なテーマとして関心を寄せているのが「引きこもり」とそこに連なる現象群だと考えられる訳です。引きこもりの最先端は日本であるとも捉えられます。名誉なのか不名誉なのか知りませんが。そして僕の心性は基本的に引きこもりですが。

 ところで僕は現役弁士の中でも一番、無声映画の字幕を訳す機会が多い人間だろうと思います。別に語学力が高い訳ではないのは皆さんご存知の通りで、そもそも日本語だってアヤシイんですから、こちとら。現役の中で最も英語力が高いのは麻生子八咫さんで間違いないでしょう。
 じゃあなんで訳す機会が多いかと言えば、僕が新しい作品に手を出すのが大好きだからなんですね。マツダ映画社さん所蔵の作品を借りるなら字幕を訳した抜出台本を貸してくれます。IVCさんから映像を借りるなら字幕付きの素材をお借りする事になるでしょう。僕の場合、海外のアーカイブ所蔵作品を説明する機会が多かったり、海外メーカーが出しているDVDを使わせて頂いたり、自分でフィルムを購入したりしますのでどうしても自分で訳さなきゃいけない。誰かに頼む余裕もないですから、辞書と首っ引きで訳すのです。
 以前なんて中国の無声映画やってましたからね、中国語も訳した事がある。精度は別にして。無声映画の字幕だからギリギリなんとかなってますが。それでも誤訳はしてしまいますが。
 実は現在、次なる作品の翻訳に取り掛かっております。詳細はまだ書けないのですが、アメリカ英語じゃない英語字幕。これは苦戦の予感がしますよ。じっくり取り組みたい所ですが、翻訳して説明台本を仕上げるのが年明けメドなので、あんまりゆっくりもやってられない。いやはやどうなりますやら。
|11/08| もやもやコメント(0)TB(0)
 弁士の始祖の一人に十文字大元という方がいらっしゃいます。何しろヴァイタスコープの上映の際に説明を担当した方ですから始祖も始祖。この先生、並みのインテリじゃないんですね。アメリカで暮らした経験があり、実業家の顔もあり、奥様は十文字学園の設立者。
 インテリの弁士と言えば染井三郎や徳川夢声の名前が挙がりますが、十文字大元はそういう知識のある芸人とは根本的に違うのです。知識人がふとした縁で芸事もするようになったというパターン。なので弁士として活動した時期は長くない筈です。しかしながら初期に活動した数人の始祖たちによって弁士のスタイルは方向づけられたのですから、十文字大元の名を弁士の歴史を語る上で落とすことは出来ません。
 今日はミシガン大学の図書館で戦前の映画雑誌を繰っていました。そうしたら十文字大元の談話が収録されていたのですが、そのなかに「ミシガン大学で苦学した」との記述があるじゃないですか。ちょいと待っておくれ。十文字大元はミシガン大学に居たのか。ミシガン大学に長期滞在した弁士は俺が最初じゃないのか。
 これはね、個人的には大発見ですよ。僕がここにいる間に、十文字大元の足跡を探らねばなりません。たしかにミシガン大学に居たという証拠が見つかれば、弁士の歴史に貴重な一コマが加えられるのです。興奮しますですね。

 そんなミシガン大学には金曜会という組織があります。
 ミシガン大学で働く日本人によって立ち上げられた団体で、主に医療系の方々がメンバーです。平均して月に一度集まって研究発表や親睦交流を目的としている、と認識しています。本日は金曜会の例会にお邪魔してお喋りをさせて頂きました。金曜じゃないけれど。

 最近日本語の通じない相手ばかりに仕事してましたからね、今日はとてもリラックスでしたよ。特に何を話すか準備していかなくても、映画を挟みながらならアドリブで2時間いけますからね。とても気が楽でしたよ。
 それにミシガン大学に呼ばれたと言っても基本的には映画関係、あとは日本語教育関係の人との出会いが中心です。医療系はよっぽどのきっかけがないと交流できませんからね、そういう意味でも貴重な体験でした。お互いが日本に居たら出会うきっかけがあったとしても、積極的に交流をしようとしたかも分かりません。でも異国の地で同邦人だと思うと立場や分野を越えて何となく親近感が湧くから不思議なものです。
 大学を歩いていても東洋人は東洋人同士で集まっている光景を目にします。コミュニケーションが取り易いというのもあるでしょうが、やっぱり出身が近い人だと安心するんでしょう。アメリカでは仲良くしている友達同士が、母国で知り合っていたら仲良くなれるかは全く別ですから。

 そんなこんなでミシガン大学という枠の中にある十文字大元と金曜会の存在を知って、同郷の連帯感を不思議なタイミングで理解した夜でした。
|11/07| 活弁コメント(0)TB(0)
 今月は僕の誕生日があるんですよ。
 三十五歳になります。いまさら目出度い歳でもないですが、内面は子供のままなので毎年成長していない事実を受け止める意味では重要な日であります。

 誕生日と言えば誕生日プレゼントですね。
 頂いちゃいましたよ。前に見た時になんて可愛いんだろうと思っていたんです、こいつ。

くま1

くま3

 売っているお店はCherry Republicといいます。縫いぐるみ屋さんではないのです。
 ミシガンはタルトチェリーの名産地でなんと全米の七割を産出しています。このお店はチェリー加工物が専門のお店で、クッキー、ジャム、ソーダ、チョコ、サルサソース等々の品物が置いてあります。どれも美味しいのでAnn Arborでは結構メジャーなお土産なのだそうです。このお店のキャラクターが熊なんですね。

 この日以来、熊は我が家の人気者です。

くま2


 そういや俺、高校時代に後輩が共同で買ってくれた誕生日プレゼントも縫いぐるみだったな。
 
|11/06| もやもやコメント(0)TB(0)
 ソーシャルセキュリティーナンバーが届かないんですよ。申請したのが十六日で、申請後に発行された書類には「二週間経って届かなければ連絡してね」って書いてあります。連絡してね、たってね。困っちゃいますよね。
 仕方がないので、申請した事務所に再度行くことにしました。幸い我が家から事務所は近いのです。そうね、歩いて三十分てとこね。近いんですよ、これでも。歩いて行けるならそれはご近所なのです。

 それに今日はもう一つお出かけの理由が御座いまして。
髪をね切りたいんです。私、こっちに来てから日常生活は眼鏡で過ごすようになりましたけれど、弁士の時はコンタクトレンズなんです。髪が長いとね目にゴミが入りやすいんですよ。前髪でひっかけたゴミが目の中に入ってくるんですよ。裸眼なら問題ない大きさのゴミですけれど、コンタクトレンズだと巨大な遺物に早変わり。。。本番中に目が痛くて涙を流していると、それを見ていたお客さんが「お、片岡は映画に感動しながら説明をやってるな。たいしたもんだ」なんて思ったりはしないんです。

 ただ痛いだけね。

 あと見たい映画もあるしね。

 なんと今日はご予定の三本立てです。
 ソーシャルセキュリティーナンバーは、発送したはずだけど届いてないと。もう一度発送しますと。もう番号は確定しているから、それを教えておきますと。そんな具合でした。だから手続きそのものは簡単でした。大変だったのは往復で歩いた道。グーグルがさ、歩けるって言うから歩いたのさ。そしたら車がびゅんびゅん走る道の脇の植え込みみたいな所しか人間の居る場所が無くてだね。恐ろしい思いをしましたですよ。しかも事務所に辿り着いてみたら、自分が良く使うバス路線の反対方向行きが止まるバス停が事務所の前にしっかりあって、それならそれと先に言ってくれりゃ良いのにってね。

ともあれこれでソーシャルセキュリティーナンバーは取得できました。
税金とか、ギャラのやり取りがこれで出来る訳です。
最初に貰ったお給料だけだと若干生活がキツくなってきてしまうので、手続きが出来るのがありがたいです。なにより嬉しいですね、アメリカにおけるソーシャルのセキュリティーなナンバーが僕に発行されているんですから。世間様に認められた気がしますよ。

 髪は美容院に切りに行くことにしました。実は人生初美容院です。いつもは床屋で問題ないのです。でもこっちの床屋の評判をネットで調べたら「東洋人の髪質に慣れていないから角刈りにされる」「何も聞かれずにバリカンで刈られた」等々、恐怖のレポートオンパレードなんですわ。これでも一応人前に出る仕事ですからね。和服に角刈りはウケるような気もしますが、やっぱりちょっと違うだろうと。ある程度、日本語の通じる所でお願いしようと探した結果、ウチからバスで二十分ばかり行った先に日本人がやっている美容院があると判明しましたので、そこに行くことにしたのです。お店のサイトをみると日本語で予約電話もOKとしてある。でもお店の存在に気付いたのが昨日の深夜だったので、とりあえず行ってみようかしら、とソーシャルセキュリティーナンバーをひとまず取得した僕はバスに乗り込んだ次第です。

 そういう訳で、僕の人生初の美容院にやってまいりました。

 おそるおそるお店に入ります。
 「こんにちは」っていったら、明らかに理解していない顔をされました……。
オーナーさんが日本人なんですね。でも従業員すべてが日本語分かるわけじゃないんですね。
結局、一言も日本語を話さずに髪を切って頂きました。後半、美容師さんがバリカンを取り出してきた時にはちょっとヒヤリとしましたが。角刈りってどのタイミングからでもいけるじゃないですか。ある程度こっちの要望通りに切っていると見せかけて、最後のどんでん返しにバリカンでジャキジャキなんてお茶目な美容院だってあるかもしれないじゃないですか。

 ねぇか。

 無事に切って頂きましたけどね。
 でもただ髪を切るだけでも国の違いって出ますね。日本だとお客さんを中心に床屋さんや美容師さんが回りながら髪を切りますね。1000円でやってくれる床屋さんでも。こちらは美容師さんが切りやすいように、こちらの首をグイッと捻ります。あ、無理に捻じ曲げたり、ねじ切られたりはないですよ。あくまで自然な可動範囲の中での話。

 本日学んだことは、日本語対応を謳っているお店でも、日本語が話せる人に担当して欲しいなら予約をするのが必須という事ですね。あたりまえですね。
 茶化して書いてますけど、悪いお店じゃありませんよ。綺麗だし、仕上がりも良かったし。

 久しぶりに頭がすっきりして向かったのはお馴染みMichigan Theaterです。上映作品は『Samsara』。劇場告知のポスターですでに興味津々で、サイトを見てみたら撮影には70mmフィルムを使ったと書いてあるじゃないですか。これは行かねばなりません。
 良かったですよ『Samsara』。ネイチャー系に見せかけて実は非常に作為的で。それになにより映像が美しい。
 世界各国から集めた美しいもの、凄いものが極めて意図的に配置されているんですが、ナレーションが一切ないので観客がどう判断するかに解釈は委ねられているんですね。とても自由で、極め付きに不自由な作品が『Samsara(サムサラ)』です。でもこういう作品て、映画館でこそのドキュメンタリーだと思います。もしテレビのドキュメンタリーとして放送しても解説ゼロだとすぐにチャンネルを変えられてしましますでしょ。劇場だと観客も腰を据えてみなければなりませんからね。作品と向かい合うには劇場空間て良いですよ、やっぱり。ともかくも映像の美しさだけで十分に鑑賞の価値がある作品です。ソフト化したらDVDではなくBDで見たい作品ですね。でも出来ればスクリーンで、しかも大スクリーンで。日本でも公開しないかしら。


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 よろしければ、予告編だけでもご覧くださいませ。

 本日の晩酌は白鶴の梅酒で御座います。

白鶴の梅酒


|11/05| もやもやコメント(0)TB(0)
 夏が終わりました。
 いや、もう寒いんですが。

 サマータイムが終わりました。こっちではサマータイムとは言わないそうです。Daylight saving timeというみたいです。どっちにしても、日が短くなってきたから時計の針を動かしましょうという訳です。

 日の光を有効に使うためだけなら、わざわざ時計を動かさなくても、みんなが何となく一時間早く(もしくは遅く)行動すれば良いだけのような気もしますが、そこで時計を動かしちゃうというのは、僕らの生活がいかに時計に縛られているかを物語っているようでもあります。

 しかし冬時間、日が暮れるのが早ぇのなんの。まだ夕方だったはずの時間にもう真っ暗。

 日本でも再三サマータイム導入は検討されていますが、どうなんだろか、やっぱり日本には向いてない気がするのよね。日中を有効に使うためのシステムですけど、日本は夜になったら電気がピカピカですからね。衛星写真で見ると日本だけ光り輝いているじゃないですか。あの状態である続ける限りは、日の光の為に時計を動かすような作業は歓迎されないと思うのですが、さて。

 町はハロウィンが終わって、あっという間にクリスマスモードに入りました。
 何ぼ何でも11月の頭にクリスマスは早すぎる気がしますが、m&mまでクリスマスモードじゃ抵抗のしようも御座いません。

m&m
イルミネーションを体に巻きつけて悦ぶM&M

サンタミッキーミニー
50%オフのハロウィンミッキーのすぐ近くに居ました

サンタさん
あわてんぼうのサンタクロース
|11/04| もやもやコメント(0)TB(0)
 米国に居る間にしなければならない事のひとつにお買い物があります。ブランドのスーツとか時計とかには全く興味がありません。身の丈に合わない物を身につけていても勿体ないだけですしね。そういえばずっと前にもらったダンヒルの財布が、家のどこかに放ったらかしている筈だな。ダンヒルが高級なのか、それとも実はお安いブランドなのか分かりませんし、頂いた財布が言い物なのかも分かりません。もっといえば「馬鹿、ダンヒルなんて無ぇよ」って言われたら、僕は、そうなの?と思うに違いないのです。今後もブランド品には興味を持たないと思います。何かの拍子にお金持ちになったら分かりませんが。

 何を買うのかと申しますと、フィルムね。無声映画のフィルムね。
 落語家さんや講釈師さんは稽古をつけても貰って覚えたネタはその後基本的には自由にかけられますね。でも弁士はそこが違うんです。映画はあくまで映画なので、上映にお金や許可が必要な事も少なくありません。著作権が切れていても、映像を所蔵されている方や機関には相応に仁義を通さねばなりませんので、自分にピッタリくる作品に巡り合えたとして自由に上映は出来ないのです。
 映画をお金を出して借りねばならない状況には、安い仕事を受けられないという問題もあります。
ちょっとしたカフェでの仕事でギャラが二万円と言われたとしましょう。こちらとしては折角お声掛け頂いたんですから受けられるものなら受けたい。でも映画を仕事で借りると、まぁ二万じゃ収まりませんな。二万円の仕事を受けるために五万円払わないといけない、なんてジョークみたいな局面もあるのです。ましてやキャリアが十年以内だと、そんなに割のいい仕事なんて土台回って来ません。ただでさえ少ない収入は消え失せ、受けられる仕事も受けられない負の螺旋階段を力ずくで降りさせられる状態になってしまうのです。
 
 じゃあどうするか。

 僕の場合はフィルムを自分で手に入れようとしたのです。それ以外には自分でアニメを作ったら凄く評判になったS本君なんて人もいますね。でもアニメを作っている坂M君ですら、自分で自由に使えるフィルムを欲しています。
 弁士は映像ありきの仕事ですから映写が出来ない場所では仕事が出来ません。最低限スクリーンが張れて、映写機が設置できて、さらに客席おける場所でないと仕事が出来ませんでした。会場に広さ、高さが必要だったのです。ところが近年の目覚ましいビデオプロジェクターの進歩、映像ソフトの画質の向上によって十年前とは比べ物にならない次元で、簡単に上映が出来るようになった。小さい会場でも弁士の仕事が可能になった。

 僕らも芸人ですからね。取りこぼしたくないんですよ。でもカフェ上映の為に松竹さんや日活さんにお金を払っていたら前述の通り仕事にならない。

 でも

 自前のフィルムを持っていれば万事解決ですね。初期投資だけで、あとは自由に使える映画は、現代の弁士ならどうしたって欲しいものです。大きな仕事も、小さな仕事も受けられれば、こんなに素晴らしい事はありません。

 という訳でebayを始めました。ebayとは物凄く規模の大きいネットオークションです。世界規模に展開はされていますが出品・購入ともにアメリカが中心なのです。こっちにきたらフィルムを買うのは心に決めていました。日本のヤフオクでも時折無声映画のフィルムが出ますがコレクターが頑張り屋さんが多いのか短いアニメ作品に十万円が付いたりとか、ちょっと手が出せない取引が少なくありません。
 ebayはその点、お安いです。もちろんオークションなので高くなるときは吊り上りますが、無声映画のフィルムならそんなに高くならない。短編のコメディなら一万円以内で一本買えてしまいます。

 ebayのアカウント作って、それからpaypalのアカウントも作って、うんでもっていきなり高額取引は怖いので安い無声映画のDVDに入札したら即決で決まって泡食って、手続きは物凄く簡単で、出品者を一言も交わさずに支払いと送り先提示が出来てしまって……。
 あれよと言う間に米国ネットオークションデビューを果たしたのです。

 日本のヤフオクだと、相手とのメッセージを交換して、社交的な言葉を交わして、それから振込先を教えて貰ったりしてといったやり取りがまだ多いですが、こっちは実にドライです。登録だけ出来ていれば支払いは一瞬ですよ。おそらく日本人は取引相手の顔が見たい文化なんじゃないでしょうか。大事な話は直接会わないと進まない、なんて考えも日本では根強いですね。

 もしebayのやり方を調べていてここまで来てしまった方がいらっしゃったら、全く役に立たない記事を書いている事をお詫びします。懇切丁寧なガイドが日本語でもネット上にはありますので、そちらをご覧くださいませ。

 これからどんなフィルムが手に入るか、楽しみね。
|11/03| もやもやコメント(0)TB(0)
 ここ最近、僕は無声映画上映における生演奏の重要性について繰り返し発言をしております。これから先、無声映画は盛り上がってゆくには生演奏での上映が必須だろうと。生の魅力が提示できなければ、無声映画の可能性を世間一般に伝えるのは現時点では難しいだろうと。今だって年間にとんでもない数の新作映画が公開され、膨大な量の演芸会が催され、星の数ほどの演劇が上演され、気の遠くなるような演奏会が行われている中で、あえて無声映画に足を運んでもらうにはどうしたって生の、今の息吹を感じさせる内容にしないと成立しないと思うのです。
 無声映画が貴重だから劇場に足を運んでくれる時代では少なくとも無い。

 以前、冗談で「こんな古い映画を見に来てくれる奇特な方々」って言ったら本気で怒って出て行ったお客様がいましたっけ。お前は何の仕事をしているんだという憤りだったそうですが、本気で言ったと思われちゃうのが我ながら情けない。

 ともあれ生演奏です。生演奏で上映すべきなんです。でも自分の関わる仕事で必ず生演奏に出来るかと言えば、これまた情けない限りです。どうしても予算の問題があります。柳下美恵さんやカラード・モノトーンさんにお願いすれば音楽は間違いなく良いものになりますが、毎回々々サービス価格でお願いする訳にもいきません。あちらは尊敬する業界の先輩ですから。といってそこら辺にいるミュージシャンを適当につれてきても酷い目に合わされる可能性が高いのです。
 弁士も楽士も無声映画に付随するパフォーマンスは押し引きのさじ加減が難しい。テが合わない相手とのパフォーマンスは実に辛いですし、酷い人になると映画なんか見ないで適当に自分の得意な曲を演奏してコラボで御座い、なんてパターンもあります。そんな事になるくらいなら、というので割に頻繁に行われているのが、既成の録音物を選曲して上映に合わせてキューシートを見ながら流す方式です。でもこれは次善の策でしかない。選曲上映はどうしてもライブ感に欠けますし、用意された曲目の限界や、選曲者のセンスの幅なんかで相手の手の内が結構簡単に見えちゃう部分もあって、どうにも盛り上がりきらない。

 本日はSilent Ozuの日です。演目は『非常線の女』で、音楽はArwulf-Arwulf.氏。
 Arwulf-Arwulf.はDJなんですね。つまり作業としてはライブなんだけど、演奏はしていない。

 この日はね、最高でしたよ。
 音楽は生演奏であるべきと思っていたこちらの認識をあっさり打ち壊してくれました。実に、実に楽しい。

 僕が生演奏の必要性を強く言っているのは、僕自身が選曲上映に飽きてしまったからでもあります。でも今日は違った。
 良い予感はあったんです。Arwulf-Arwulf.とは先日の『淑女と髭』でもご一緒していますが、彼の選曲は作品のコメディパートよりも近代都市の空気感を優先して表現していました。となれば『非常線の女』はうってつけの映画です。上映中も「音楽がこう来るなら、こちらはこうしよう」なんて考えながら、まさにライブとして音楽と戯れさせて頂きました。九十分が瞬く間。終演後に聞いたら「僕は日本語は分からないけれど、弁士の声を音楽として聞いたから全く問題なかった」と、そして「今日は人生が変わるほど感動した」と言ってくれました。僕が彼の音楽によって語りを変えた様に、彼も僕の声やお客さんの反応によって音を変えたのでしょう。

 つまり問題は既成曲を使う事ではなかったのです。選曲上映でも十分にライブ感は得られます。ただしその為には膨大な音楽が頭の中に入っていて、上映中に駆使できるセンスと反射神経が必要なのです。結局は生演奏をしているのと同じだけの労力が必要なんですね。そこまで出来るなら選曲上映にも大いに可能性があります。
 選曲上映が予算削減のための方法である時代は終わったのです。
 もっと研究されて良い上映方法ですよ、これは。
 
 殆どの弁士も楽士も、映画が主で演者は従、という美意識を持っています。けれどそれは演者が消えてしまえばいいというのではないのです。ある時は映画よりも引き、ある時は映画よりも前に出て、さらにある時は映画と並ぶ。映画との押し引きが上手く絡み合うからこそライブとして楽しめるのです。そうでなけりゃ無音が一番優れているって事になっちまいますから。
 Arwulf-Arwulf.は押し引きのさじ加減が理想的でした。
 楽しい夜はビールが美味いね。

 この項を書くために当日録音した物を聞きましたが、もっと上手くならなきゃいけないね、俺。

 写真はハロウィンが終わって余力50%のミッキー
50パーセントミッキー
|11/02| 活弁コメント(0)TB(0)
 とても嫌な事、というよりは悲しい事がありました。
 それだけです。
|11/02| もやもやコメント(0)TB(0)
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