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 依然として『終戦のエンペラー』関係の検索で辿り着く方が多いようです。拙ブログ。
 昨日ツイッターにも書きましたが、未見の方はフェラーズ准将と高橋の身長差に注目して頂きたいと思います。あの身長差が、あのシーンの後でこうなるのかという、実にさりげない、でもメッセージに溢れたラストでありますよ。

 早い所『風立ちぬ』を見に行きたいのですが、8月に入ってからじゃないと無理だなあ。『パシフィックリム』も見たいなあ。小川伸介は見に行けなかったらなあ。『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん―吉原最後の証言記録―』は行けるかなあ。知り合いの出ている舞台にすら満足に顔を出せない状況だものなあ。
 
 そこそこ仕事があって有難い事ですけれどね。結局、こういう仕事では、食うに困らないちょうどいいバランスで売れたい、というのが一番の贅沢な望みなんじゃないかと思いますね。自分の時間もあって、かつ生活は安定して、なんて夢のようですね。いまだにそうなりたいって平気な顔して言いますけどね。

 今日の告知はこちら。

●“おはなしと生演奏”で楽しむ 癒しのリラックスコンサート
日時/8月28日(水)18時~
会場/五反田文化センター音楽ホール
出演と演目/
<えほんコンサート>(絵本スライド上映×朗読×生演奏)
『くまのこうちょうせんせい』(こんのひとみ:作、いもとようこ:絵、金の星社:刊)
朗読:投野彩香
『あたたかい木』(くすのきしげのり:作、森谷明子:絵、佼成出版社:刊)
朗読:秋山雅子
音楽:かぼちゃの馬車音楽隊
  投野彩香(歌)、益子侑(ヴァイオリン)、篠塚恵子(クラリネット)、神津かおり(ピアノ)

<活弁と生演奏で贈る無声映画の魅力>
『チャップリンの冒険』(1917・ミューチュアル社)
活動写真弁士:片岡一郎
音楽:アンサンブル・バラダン
   上屋安由美(編曲・ピアノ)、益子侑(ヴァイオリン)、市川仁志(オーボエ)、田中まさよし(パーカッション)

<ミュージカル落語>
『一口弁当』
作・演出・口演:三遊亭亜郎
音楽:細川麻美(ピアノ)

料金/4000円→チラシ番号「S2」を見たとお伝え頂ければ、前売りに限り2000円で御入場いただけます。
主催/株式会社ハーモニー
協力/佼成出版社金の星社、片岡一郎
ご予約/03-5715-7071(電話・株式会社ハーモニー制作スタジオ)
    03-5715-7072(FAX・株式会社ハーモニー制作スタジオ)
    http://concert-yoyaku.jimbo.com/ (Web申込)

癒しのコンサート


 物凄いボリュームの公演です。データを打ち込むだけで一苦労。
 今回ご一緒する三遊亭亜郎さんは、一時期弁士の仕事もされていたことがあるんです。
 今を去る事十数年前、鶯谷に東京キネマ倶楽部がオープンしました。現在では特異な個性を持つ貸しホールとして稼働していますが、当初は長年使用されていなかったグランドキャバレーを改装した、昭和テイストにあふれる空間で連日、活動写真が見られるシアターレストランとしてスタートしたのです。
 毎日、無声映画に弁士を付けて上映するとなると澤登翠一人では回していけませんので、弁士オーディションが行われたのです。最近は弁士的な事をされる声優さんが(良くも悪くも)いますが、当時、このオーディションに応募してくる声優さんなんて殆どいませんでした。状況は変わったものだと思います。
 ともかくも、オーディションから何人かの弁士が誕生しました。その内の一人が三遊亭亜郎兄さんだったという訳です。
 東京キネマ倶楽部では本当に色々な事がありました。それはいつか全てどこかにブチマケテやるとして、色々あった末に、活動写真の常設館としては実質一年の運営を持って終了、そこから本格的に弁士の道に入るもの、本来の仕事に戻っていく者等々、個々のドラマがあるのですが、亜郎兄さんとはあれ以来お目にかかっていません。十数年ぶりの再会となります。

 そんな僕の話はお客様には関係ないですね。えほんコンサート、活動写真、ミュージカル落語の組み合わせは、音楽事務所でないとなかなか企画されない内容ではなかろうかと思います。映画ファン、演芸ファンの方々は普段とちょっと違う雰囲気を楽しんでみては如何でしょうか。

 それからとても大事なのがチケット代についてです。通常料金が4000円ですが、チラシ番号「S2」を見たとお伝え頂ければ、前売りに限り2000円で御入場いただけます。発音は「えすに」でも「えすつー」でも構わないはずです。カタカナ英語発音でも、ネイティブチックな発音でもOKです、きっと。
出演者に直接チケット確保を頼んでも2000円になると思います。要はもともと2000円。このブログをご覧になっているあなただけへの特別なご案内です!
 
 全ての演目が生演奏という豪華な会です。
 是非是非、お運びくださいませ。

 「癒しのリラックスコンサート」が僕に全く似合わない言葉だって自覚はありますよ。言われなくても。

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|07/30| 活弁コメント(1)TB(0)
 このところ雨にちっとも遭いません。以前は出かけた五分後にいきなり降り出す、なんて事が良くあったのに、最近はお出かけ中でも僕が屋内にいる時だけワッと降って、帰る頃には綺麗に上がっています。そろそろ雨男を返上してもいいかなと思っております。

 実際に雨男とか晴れ男があるかといえば無いでしょう。血液型性格診断も話のタネ以上には意味を見出していません。神様も居るとは思えません。でも妖怪は居ます。そんな価値観で生きています。都合が良いね、人間て。矛盾を矛盾として抱えながら生きていゆくのが楽しいんじゃないですか。当節どうも理性的ぶる方が多すぎて窮屈でイケマセン。人間てもっと曖昧で良いじゃないかと思う次第。

 本日はひとつご報告が。
 先達て秋田ツアーについてご案内をさせて頂きました。縄文の湯とCat Walkで『オペラの怪人』をやるとアナウンスしておりましたが、この二か所では作品を変更することなりました。なぜと言って縄文の湯は温泉宿、Cat Walkはお祭りの後にライブハウスでのイベントですから、そんな状況で『オペラの怪人』はどうなんだろう?重すぎやしないか?長すぎやしないか?という事になりまして、じゃあいっそのこと、作品を変えちゃおうと。
 となると気になるのは何に変えるかですが、その場の雰囲気で決めちゃおうという事になりました。人間てもっと曖昧で良いじゃないかと思う次第。
 上小阿仁村 生涯学習センターでは『オペラの怪人』をやりますので、もし『オペラの怪人』が見たかったんだ、という方がいらっしゃったら、そちらにお越し頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

 それからプチぐら★も明後日に迫ってきましたよ。 
 こちらで何をやるかも、まだ決めてません。先日の若手勉強会もそうでしたね。これを自転車操業と取るか、十年の蓄積が出ていると取るかで大きく評価が分かれますね。でも何か珍しい物をとは思っています。よろしくお願い致します。イギリスから声優になるために日本に来たReinaさんの話をじっくり聞く機会なんて、そうそう御座いませんから、遊びに来て頂きたく存じます。

ぷちぐら10


 そしてそして、アンサンブル・バラダンは東京でさらに公演を致します。
 詳細はこちら。

●2013 無声映画ライブ 東京
日時/9月3日19時~
会場/ラトリエ by APC(渋谷)
出演/片岡一郎(弁士)
    音楽 アンサンブル・バラダン
    田中まさよし(パーカッション)
    上屋安由美(ピアノ・作曲)   
    市川仁志(オーボエ・口笛)
    益子侑(バイオリン)
上演作品/『オペラの怪人』他
料金/3000円
主催/映画ライブ2013実行委員会
協力/You Music、M-Rak音楽企画、デジタル・ミーム
ご予約/yu_vn_infoあっとyahoo.co.jp

バラダン2013名古屋


 ベースは8月30日の台場公演と同じです。『オペラの怪人』を私の説明と、アンサンブル・バラダンの演奏でお届けするという点においては。
 ただし台場では僕がちょっとした朗読をやるのに対して、この日はむしろ演奏会の色が濃くなります。料金面では台場は1000円、こちらは3000円ですから随分違いますが、これはイベントの方向性の違いと思って頂ければ幸いです(あと会場費)。勿論どちらも全力で臨みますので、その辺りはご心配なく。
 台場の会場は公共ホールで会場の大きさも十分、渋谷のラトリエは弦楽器の販売と修理をメインにしている所なのでホールはコンパクト。となると音の響きなんかも両者で随分違うんでしょう。弁士が変われば映画が変わるとはよく言いますが、同じように会場が変わると音楽が変わります。そんな視点からもお楽しみいただけるのではないかと思っておりますよ。

 本当はね、台場と渋谷で僕が作品解釈が違う台本を用意できればベストなんでしょうが、中々そこまでは……。そんな元気があるなら、一つの台本に注力すべきでしょうし。とはいえ、その日によって語り手も、演奏者も感覚が変わりますから、どこかに変化はある筈です。もしも、もしも、そんな方がいて下すったらですが、両方聴き比べて頂くのも一興かもしれません。

 でも良く聞かれるんですよ、「どこに行ったら無声映画って見られるの?」って。現在、それなりに無声映画の上映機会は増えていますが、ふと興味を持った方が何となく行ってみようかなと思って、すぐに行けるほどには場が無いのです。なので我々としては少しでも上映回数を増やす必要も御座います。そんな気持ちがあふれて、器からこぼれんばかりに、いやさこぼれて溢れての東京2Daysです。ご贔屓賜りますようお願い致します。
|07/24| 活弁コメント(0)TB(0)
 今年はまだ冷やし中華を食べておりません。
 皆様いかがお過ごしでしょうか。
 連日にわたる告知も今日明日でひと段落です。あとは情報解禁待ちのがチラホラと御座いますが、それはおいおい。今年はお陰様で忙しくさせて貰っています。そこまで儲かってる訳じゃありませんが、これは単価の問題ですね。業界をあげて取り組むべき問題ですので、皆で力を合わせて取り組めれば良いと常々思っています。

 以前は弁士が団結する未来図を思い描いて頑張っていた時期もありますが、そのために力を注ぐのはちょっと疲れちゃったというね。芸人がまとまるって本当に大変な事なのです。演芸史を紐解けば分かります。

 何の話か分かりませんが、そういう事です。
 愚痴じゃありません。暑いんでしょう。

 気付くと「プチぐら★」Vol.10 声優になってみました。イギリスから来たけれどの巻の日が近づいて参りました。イギリス人声優のReinaさん、ぐらもくらぶの保利透さんとのトークイベントです。こんな話を聞いてみたい、なんてリクエストがありましたらお気軽にどうぞ。あなたのご希望に沿ってお喋りいたします。

ぷちぐら10


 本日の告知メインは名古屋です。先日、秋田公演についてご案内致しましたが、今度は名古屋へも向かいます。まあお忙しい。

●2013 無声映画ライブ 名古屋
日時/8月26日19時00分~
会場/スタジオ・ハル
出演/片岡一郎(弁士)
    音楽 アンサンブル・バラダン
    田中まさよし(パーカッション)
    上屋安由美(ピアノ・作曲)   
    市川仁志(オーボエ・口笛)
    益子侑(バイオリン)
上演作品/『太郎さんの汽車』『オペラの怪人』
料金/2000円
主催/映画ライブ2013実行委員会
協力/You Music、M-Rak音楽企画、デジタル・ミーム
ご予約/052-752-2650  hhntmatsuokaあっとyahoo.co.jp(スタジオ・ハル)

総合案内/yu_vn_infoあっとyahoo.co.jp

バラダン2013名古屋


 チラシに使われている写真は、去年の名古屋公演終演後に撮ったものですね。チラシに使われる事になるなら、もう少しちゃんとした顔をしときゃ良かったと思ったり、元が元なんだからどうやったって同じだろうと思ったりです。にしても我が方ながら物凄い撫肩ですな。滑り台か。

 昨年の名古屋公演はなんと満席でこっちがびっくりしちゃったりしました。今年もきっと、と思いますので興味を持って頂けました方はお早目のご予約が吉で御座います。去年食べたひつまぶし、美味しかったなァ。今年は鰻がね、お高くていらっしゃるから。打ち上げで行ったレストランも美味しかったなあ。名古屋は美味しい所だなあ。

 全国、というか全世界美味しい所に仕事で行くのは幸せですね。
 名古屋の皆様にお目にかかれるのを楽しみにしております。

 早速、益子侑さんのブログでも告知されています。益子さんの文章、俺のみたいにクドクドしくなくて簡潔で良いな。見習わなきゃ。
|07/22| 活弁コメント(0)TB(0)
本日は選挙の日ですね。
選挙は行った方が良いですが、一部の行った方が行かない方を小馬鹿にした発言をするでしょ。あれは嫌ね。自称映画通がライトな映画ファンを馬鹿にして説教しるみたいな感じがして嫌ね。そういう態度が結局若い人を遠ざけている訳ですね。

一部の人ですよ、そんなのは。でも影響力大きいからね、そういう人。
色々ですね。色々で良いんですよ。

この所眠くてたまりません。あんまり眠いんで、眠気対策を試してるんですが効きませんね。ちょっとだけ仮眠を取るのがベストらしいんですが、絶対本格的に寝ちゃうし。刺激の強いガムをかじってみてるんですが、噛みながら意識が飛ぶし。しょうがないね、ナルコレプシーのケがあるからね。何やっても無駄な時はありますね。

せめてもう少し効率よく生きられないものか。うむむ。

 では今日も今日とて告知のお時間ですよ。

●~やたみほフィルム・マフラー展2013~(編みメーションを作り続けて14年)
日時/9月14日(土)14時~15時
会場/ウタカタカフェ(高円寺)
弁士/片岡一郎
編みメーション作家/やたみほ
料金/1000円(ワンドリンクつき)

ウタカタカフェ


 僕はオンリーワンとはこの方の事をいうのだと思っています。編み物でアニメを作る、気の遠くなるような作業で素晴らしい作品を世に送り続けているのが、今回の主役であるやたみほさんです。弁士も口で説明するより実際に見て貰った方が早い仕事でありますが、編みメーションも実際に見て頂いた方が早いかもしれません。なにしろアニメーションではなくて、編みメーションなんですから。







 こんな素敵な作品を作っているやたみほさんが、近年取り組んでいるのがフィルムマフラーという作品世界です。これは読んで字のごとく、編み物でフィルムを作っちゃおうという、これまた気の遠くなるような作品なのですが、なんとも言えず可愛いんですよ。
 フィルムマフラーの発想には、僕や無声映画との出会いがあって、という背景がありまして今回は僕が出演させてもらう流れになったんですね。ですので編みメーションの説明も致しますし、普通の無声映画の説明も致します。まだ作品はなにをやるか未定ですが、きっとこれまでやった事のない作品も演る事になるかと思います。何より弁士としては、今現在生きていて、現役の作家さんの作品を説明できるのが嬉しいですね。ほら、僕らの普段扱う作品て、関係者がみんな彼岸の方だから。

僕の出番は14日のみですが、展示は9月2日から15日にかけて行われます。14日は行けないよという方も、他の日に是非ともお出かけ下さいませ。火曜日(3、10日)はカフェがお休みですのでお気をつけて。
 いま気付いたのですが、副題が「編みメーションを作り続けて14年」のイベントで14日に出演というのも偶然の一致とはいえ何となく嬉しいですね。

 個人的には、この夏『オペラの怪人』とか『吸血鬼ノスフェラトゥ』とか『下宿人』とか、陰気な作品が中心なので、編みメーションで陽の気を補充したいと思います。
|07/21| 活弁コメント(0)TB(0)
 ここ数日、ブログのアクセス数が伸びています。昨日なんて300越えでどうしちゃったのかしらと思っていたら検索ワードが「終戦のエンペラー 海外の反応」でした。これで200以上来てます。そういえばサンディエゴで見た後にその事をブログに書いたなと。海外の反応じゃなくて、海外での僕の反応で申し訳ない感じです。ちなみに僕が見に行ったのはサンディエゴのショッピングモールに入っているシネコンでした。日中だったのでそんなに人は多くありませんでした。反応はそれこそ穏やかなもので、特に政治的にどうこうといってエキサイトしているお客さんは劇場内にはいませんでしたよ。それから日本人も僕だけでした
 メディアではどんな評価だったのか知りませんが、公開直前まで在米邦人の間でもかなりノーマークな作品だったのは間違いありません。
 
 といった感じね。町山さんみたいに「アメリカではこう受け止められています」って言えなくて御免なさいね。

 えっとですね、昨日からの知人の作品を取り上げコーナー、本日は飯島一次さんの新刊『朧屋彦六 世直し草子 風雷奇談』であります。飯島さんは映画ファンでもあり、江戸ファンでもあり、そしてシャーロック・ホームズファンでもある方で、この「朧屋彦六 世直し草子」はそんな飯島さんが好きな物をエイヤっとばかりに一つの鍋に放り込んで、見事なバランスで仕上げた小説です。弁士の僕から見ると実に活動写真趣味で良ぅ御座います。まずタイトルが良いね。前作が『浮世頭巾』で本作が『風雷奇談』。表紙のイラストは鞍馬天狗と旗本退屈男を合わせたような雰囲気で。
 近頃あまり使わない表現ですが、肩の凝らない娯楽小説とでも申しましょうか。サラリと読める、そんな具合も江戸趣味かもしれません。双葉文庫から発売中です。前作共々、この機会にご覧下さいませ。


風雷奇談-朧屋彦六 世直し草紙(2) (双葉文庫)風雷奇談-朧屋彦六 世直し草紙(2) (双葉文庫)
(2013/07/11)
飯島 一次

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 私はと申しますと、充実の日々を送らせて頂いております。
 ドイツの準備もだんだんと始まりましたしね。これからも何だかんだで海外は多くなりそう。昨日も某打ち合わせで「片岡さんも英語頑張らないと」と改めて言われちゃったい。頑張るよ、俺。

 頑張る私の公演情報、本日はこちら。

●音和座ライブ 群馬公演
日時/9月8日(日)13時30分~
会場/中之条町立中央公民館 ツインプラザ 交流ホール
出演/音和座
     熊本文(筝)
     宮澤やすみ(三味線)
     熊本圭吾(尺八)
     藤高理恵子(琵琶)
     松田光輝(鳴物)

    片岡一郎(活動写真弁士)

上演作品/『喧嘩安兵衛』 音和座&片岡
       『江戸怪賊伝 影法師』 音和座&片岡
       音和座ライブ 音和座

料金/500円(前売)、700円(当日)
問い合わせ/0279-76-3113(中之条大学事務局)

音和座 群馬


 久しぶりの群馬ですよ。この公演は中之条の方が「なにか面白い、他ではない人達を地元に呼びたい」と思ってネットを探した末に音和座を発見して下さったのだとか。しかも公式サイトの問い合わせフォームが上手く機能しなかったのに、それならとメンバーの個人サイトを探してお問い合わせ頂いたという、全く持って感動的な依頼なのです。これは我々も全力で望まねばなりません。
 しかも中之条町のサイトをみると、ここには映画祭はあるわ、明治時代の建築物はあるわで、我々が行くためにあるような町だという事が分かるのです(言い過ぎ)。にしても中之条町のサイト、良いなあ、素敵だなあ、行きたくなるもんなあ。
 群馬はシネマ前橋さんでお世話になっている土地です。上州は国定忠治ゆかりの土地でもありますから、今後機会があれば忠治ものも上映したいですね、などと夢は膨らむばかり。群馬の皆様にお越しいただきたいのは勿論のこと、近郊の方々にも足を延ばして頂きたい公演であります。
 前日は『喧嘩安兵衛』を山内&山城の声色掛け合いで上映しましたが、こちらでは私が独演させて頂きます。ますます冴えわたる音和座の音と共に阪妻作品二題、どうなりますか、お楽しみに願います。

 うーん、楽しみ。

 明日は選挙ですね。こういう仕事をしていると結構、政権の影響って受けるんです。文化助成ってね、権力の気分次第で随分規模が違うのです。勿論改憲や原発の問題も重要ですが、そんな視点もパフォーマーは持っている、というお話でした。

 それでは聞いて頂きましょう。世界を魅了し続ける音和座の『残酷な天使のテーゼ』。




|07/20| 活弁コメント(0)TB(0)
 はいはい。ちょっと間が空いてしまった告知ブログです。本当は告知目的じゃなかったはずのブログです。本人があんまり宣伝をガツガツしないで済むような芸人になりたいね。まあ仕方ないね。

 まずはアンスティチュ・フランセ関西のアリス・ギィ特集と、一門の後輩の勉強会での大入りをお礼申し上げます。自分の関わった企画が立て続けに大入りだったというのは嬉しいものです。どっちもそんなにキャパの大きい会場じゃないけれど、満席は満席ですものね。

 この勢いで26日の「プチぐら★」Vol.10 声優になってみました。イギリスから来たけれどの巻 も大入りと行きたい所です。なんとこのイベント、特にチラシ等を用意していなかったのですが、トークゲストのReinaさんが業を煮やしてご厚意でチラシを制作してくれました。ゲストが一番宣伝熱心です。いかんこってすなァ。僕ももうひと押しします。Reinaさんは先日、俳優事務所の預かり所属になったばかりなのですが、このイベントが初めての仕事だそうです。初めてが私との仕事なんて恐縮するやら申し訳ないやら。

ぷちぐら10

 
 せめて盛り上げないといけませんね。どうぞお運びくださいませ。

 といった具合に自分の宣伝ばかりしていると、ここのインターネットは良くないインターネット、なんて事になってしまいます。たまには他の事も書かねばならないと思い立ちまして、知人友人の仕事もご紹介したく存じます。

 本日は第一弾。

26日のプチぐらの仕掛け人でもある保利透さんの主催するレーベル、ぐらもくらぶが素敵なCDを発売しましたよ。

伝説の歌声 北廉太郎「ヴォルガ旅愁」


伝説の歌声シリーズ 北廉太郎『ヴォルガ旅愁』伝説の歌声シリーズ 北廉太郎『ヴォルガ旅愁』
(2013/06/30)
北廉太郎

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 知る人ぞ知るティーン歌手北廉太郎が1937年から1940年にかけて吹き込んだ歌声が堂々の復刻です。現代だと十代の歌手は幼い子供が頑張って歌っているイメージが浮かぶかもしれません。ところがどっこい(古い表現だね)、北廉太郎の成熟した歌声は昨今のAKB48に代表されるような未成熟な十代像とは根本的に違った若さの在り方を示してくれます。かつては十六歳で元服といって大人でしたが、今日では二十歳成人は早すぎるんではないかと議論される程に子供の期間が日本では長くなっています。芸能でも子供と大人の境界線といえる時期は確実に変わってきて、高校生はまだまだ子役ですし、二十歳を過ぎても水着グラビアはずーっと続ける方はいたりで、実にもう。

 偉そうな事を言えるだけ自分は成熟しているかと考えれば、私くらい未成熟人間もいないのでお恥ずかしい限りではありますが、それはともかく北廉太郎が時代を越えて我々の耳に届いた時、そこから感じる若さと成熟が絶妙に混ざり合った哀愁からは、かつて我々が持っていた、そして忘れつつあるある種の豊かさを、僕たちは再確認せざるを得ないのであります。

 こういった音楽が巷にあふれた時代があって、今の私達が居るのです。
 お手に取って頂きたい一枚です。CDが売れない時代ですが、データではなく物質として手元に置いておきたい物ってあると思うんですね。これはそんなCD。


 ではでは続いて自分の告知をば。
 ようやく情報がフル解禁になりました。夏の夜は活動写真で、てな具合でテアトルグループのキネカ大森さんでさせて頂きますよ。

●「夏ノ夜ノ活動弁士達2013」
日時/8月3日(土)、10日(土)、17日(土)19時~
会場/キネカ大森
弁士/坂本頼光(3&10日)、片岡一郎(10&17日)
上映作品/『リング』(3日)、『吸血鬼ノスフェラトゥ』(10日)、『下宿人』(17日)
料金/1500円均一(特別興行につき一般・シニアも1.500円となります)
協力/IVC

 テアトルのSさんと、ずっと前から温めていた企画です。僕の演りたい作品をかなり自由に選ばせて頂きました。ヒッチコックの『リング』と『下宿人』、そしてムるナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』の素敵三本立て。行くね、俺が客なら行くね。
 いやーずっと演たかったのよヒッチコック。この仕事をしているとよく言われるのが「小津ってサイレントを撮ってるんですか!?」ってやつなのですが、ヒッチコックにも同様の感想が浮かぶ方、多いかもしれません。
 撮ってるんですねサイレント、イギリス時代に。小津にも溝口にも、そしてヒッチコックにもいえる事ですが、サイレントで名を上げてトーキー化に対応しきった監督には共通した強さを感じます。映画史を作り上げた巨人にして、いまなお映画の教科書ともいえるヒッチコックの無声映画時代をスクリーンで見るチャンスはそう多く御座いません(フィルム上映ではないのですが)。ましてや弁士の説明があるとなれば、日本どころか世界的に見てもレアな場です。

 今年はアンソニー・ホプキンズの『ヒッチコック』の上映も御座いましたから、ヒッチのサイレント作品を上映するには絶好のタイミングでしょ?


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(2013/06/21)
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 さらに10日は坂本頼光さんとのリレーで『吸血鬼ノスフェラトゥ』の説明を致します。夏らしくホラーですね。昨年夏はミシガンシアターでシアターオルガンの音楽と共に『吸血鬼ノスフェラトゥ』を観ましたが、今年は自分で説明いたします。盆でも晩夏に野外で無声映画祭がありますし、夏の無声映画ってのは良いものです。
 イベントタイトルも「夏ノ夜ノ活動弁士達2013」ですから、ここで皆様にお越しを頂いて2014、2015と続けて行きたく思っておりますので、よろしくお願い致します。


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 アリス・ギィと『下宿人』と、長年演りたかった作品を立て続けに説明出来て、この夏は僕にとって幸せな夏です。暑いけど。
|07/19| 活弁コメント(0)TB(0)
 明日は京都です。京都で念願のアリス・ギィを説明します。

●弁士つき無声映画上映会~世界初の女性映画監督アリス・ギィ特集~

 なので本当はブログなんて更新している場合じゃないのです。稽古しないと。
 だって難しいんだもん、アリスの映画ってば。俺にとってはよっぽどこっちの方がワンダーランドだよ。一番の難物は『キリストの生涯』ですね。キリストの生涯を32分で描くってのは相当アレです。キツイです。でも1906年の32分て、物凄い超大作なんですよ。そういう視点で見ると、セットもお金がかかっていますし、アリスがいかに信用されていたかが伺えます。

 そして今日の告知の前に小さく告知(結局告知)。
 長々情報がオープンに出来なかった企画が、ようやく公表できました。作品や弁士のスケジュールは近日中に公表できますので、もう少々お待ちいただくとして、とりあえずタイトルと日程だけでも。

●「夏ノ夜ノ活動弁士達2013」
日時/8月3日(土)、8月10日(土)、8月17日(土)
連日夜の回19:00より上映
会場/キネカ大森
弁士/片岡一郎、坂本頼光(出演スケジュールはもう少々お待ちください)
作品/(発表までもう少々お待ちください)
料金/1500円均一

 結構、珍しい作品がかかります。(予定)

 
 こういう案件を何カ月も前から相談して進めているんですよ。涙ぐましいな。
 さて、上記イベントの詳細は作品が決定してからとしまして、兎にも角にも確定分を進めなければなりません。

 あの、昨年、ドイツで愉快な道中を繰り広げた音和座再び!
 大げさですね。
 今年の夏はアンサンブル・バラダンさんとだけではありません。なんと音和座さんとのツアーもあります。あちあらが洋画なら、こちらは邦画。結構、準備で大わらわなのでゴザイマス。

 では詳細。

●音和座ライブ 東京公演
日時/9月7日(土)13時~
会場/両国門天ホール
出演/音和座
     熊本文(筝)
     宮澤やすみ(三味線)
     熊本圭吾(尺八)
     藤高理恵子(琵琶)
     松田光輝(鳴物)

    片岡一郎(活動写真弁士)
    山城秀之(活動写真弁士)
    山内菜々子(活動写真弁士)
  
    大藏千太郎(舞)

上演作品/『喧嘩安兵衛』 音和座&山城&山内
       『江戸怪賊伝 影法師』 音和座&片岡
       音和座ライブ 音和座&大藏千太郎

料金/3000円
問い合わせ/studiokotodamaあっとgmail.com
主催/音和座

音和座東京表
チラシ表

音和座東京裏
チラシ裏


 もう総力戦です。国家総動員です。進め一億火の玉です。
 それくらい全力少年な布陣でお送りします、音和座ライブ2013 東京公演。
 もちろん音和座の面々がそれぞれに愉快な方々なのは言うまでもなく、そこに大藏千太郎先生が加わるという。この方、実際に会うととても気さくで偉い人だという事を忘れてしまうのですが、本当のところはエラい人なのです。なにしろあーた、大藏流次期宗家ですよ。アタシなんぞみたいなフナムシとは育ちが違う。なのに重ねて言いますが、実に気さく。天はニ物を与えるんですな。ヤんなっちゃう。そんな千太郎さんの舞が見られるだけで、もはや元は取ったようなものでありますよ。

 そして我が澤登一門の弟弟子、妹弟子が今回は『喧嘩安兵衛』の声色掛け合い説明に挑戦します。大丈夫かね君たち、といささか気がかりですが、声色掛け合いは準備が大変なので滅多にやらない上映形態です。この機会に是非ご覧下さいませ。上映作品の『喧嘩安兵衛』は声色掛け合い時代の映画ではありませんが、そこはご愛嬌。

 ついでに、ごくおまけで私も出させて貰います。今回は『江戸怪賊伝 影法師』です。音和座がこの作品に音楽を付けるのは初めて、つまりネタおろし。さらに今回上映版は見る機会が多いマツダ映画社版とは若干バージョンが違います。今月29日に無声映画鑑賞会でマツダ版が上映されますので、見比べが吉、なんて言ってみたり。

 音和座ライブは次の日、群馬です。あとちょっと時期はズレますが8月11日には福岡公演も御座います。
 よく音和座のメンバーと話すのです。「何となく集まって、こんなに続くと思わなかった」と。でも長く続くというのは、かえって何となく集まったのが良かったのかもしれません。そういう意味で、だんだん熟練の色も出て参りました音和座と片岡一郎を見に、両国までお運びくださいませ。

 明日は多分更新できません。京都で飲んだくれている可能性が大。
|07/13| 活弁コメント(0)TB(0)
 今夜のご飯はカレーライスでした。
 カレーは良いですね。一年中食べられる。あと世界のどこに行っても最低限美味しいのが保証されている稀有なメニュー、それがカレーですよ。アメリカでもカレーレストランに行きましたね。なんだかよく分からないカレーを食べました。日本語が通じないだろうと思っていたら店員のお兄ちゃんが一年間日本で暮らした事があるって人でした。中央線沿線暮らしだったそうです。

 世界を駆け巡るカレーに幸あって欲しいものです。
 連日、告知ブログを上げております。もう一ヶ月を切りながら、まだ詳細が決まってないのがチラホラあったりしてちょっぴり焦り気味ですが、それはそれとして決まっている物からご紹介していきましょう。

 昨日まではアンサンブル・バラダンさんとの秋田ツアーのご紹介でした。実は東京でもやります。しかも二公演。その内の一回目を本日はご案内です。
●台場に集まれ☆☆☆コミュニティこそ家族力 とっておきの無声映画上映会
日時/8月30日18時~20時30分
会場/港区立 台場区民ホール
出演/片岡一郎(弁士)
    音楽 アンサンブル・バラダン
    田中まさよし(パーカッション)
    上屋安由美(ピアノ・作曲)   
    市川仁志(オーボエ・口笛)
    益子侑(バイオリン)
上演作品/『太郎さんの汽車』『オペラの怪人』
参加費用/1000円
ご予約/03-3472-2775(ハート・コネクションズ)
主催/NPO法人ハート・コネクションズ
    株式会社アーバン・コネクションズ
    株式会社ハーモニー
支援/デジタル・ミーム

台場チラシ表
チラシ表

台場チラシ裏
チラシ裏


 
 やー、これで秋田に行こうかな、と思っていた人も安心ね。お値段もツアー最安の1000円ですしね。
 でも秋田ではお祭りが待っていますから、やっぱり夏の秋田が楽しいという方は、それはそれで来て頂きたいのです。
 それから、この日はほんの少し朗読をします。大した量じゃないですし、物語でもないのですが、たまの事なのでお付き合い下さいませ。
 ここでの上映ターゲットは基本的にファミリーなんですね。教育映画と怪奇映画を夏休みの終わりに見せようだなんて、実に実にベタな企画であります。でもベタって大切ですからね。ご家族連れで遊びに来て頂ければ嬉しいな。お子さんが騒いだりしても、演者はまったく気にしません。なのでお気軽に。
 是非遊びに来てくださいませ。なにしろとっておきの無声映画上映会だからな。マジメな話、安すぎて色々御免なさいと思わないでもない。

 ちなみに僕が一番愛しているカレー屋さんは神保町のボンディです。ベタだな。
 
|07/12| 活弁コメント(0)TB(0)
 秋田弾丸ツアーの弾丸告知も三日目で御座います。
 ツアー最終日は昼夜二回公演だい。

 こまかい御託は抜きに即、ご案内。

●2013秋田 無声映画ライブ
日時/8月4日14時~&18時30分~
会場/上小阿仁村 生涯学習センター
出演/片岡一郎(弁士)
    音楽 アンサンブル・バラダン
    田中まさよし(パーカッション) 
    上屋安由美(ピアノ・作曲)   
    市川仁志(オーボエ・口笛)
    益子侑(バイオリン)
上演作品/『太郎さんの汽車』『オペラの怪人』
料金/2000円
主催/映画ライブ2013実行委員会
協力/M-rak音楽企画、デジタル・ミーム

2013秋田ツアー


 昨年のツアーではチャップリンの作品を上映しましたが、今回はアンサンブル・バラダンが初の長編作品に挑むのも見どころの一つです。作曲の上屋さんはこの間の神保町シアターに来てくれたりしました。余談ですが同じ場に音和座の宮澤さんも来てくれておりましてね、私と一緒に仕事をしてくれる面々はそういう風に抑える所は抑え、研究すべきところはしててくれるのが嬉しい所ですね。なにしろどういう風にも出来ちゃうからね、無声映画に音楽や語りをつけるってやつは。

 その長編作品がさんざん告知しておりますが『オペラの怪人』です。主演は千の顔を持つ男と言われたロン・チャニー。この時代の映画は今日から考えると実に手作りなのですが、その手作りに手抜きが無いんですナ。とくかくオペラ座のセットや、地下迷宮の壮麗さはよくぞここまでと唸らされるものがありますし、怪人のメイクも無茶すんなよ、と言いたくなるような力業なので御座います。
 余談ですが本作はガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』の初映画化と言われる事も多いですが、実は二度目の映画化なんですね。初映画化はドイツ、タイトルは『Das Phantom der Oper』、制作は1916年。対して今回の上映作は1925年版です。一般的に無声映画版の『オペラ座の怪人』といえば1925年版を指します。ご存じの通り、無声映画はモノクロームなのですが、本作は舞踏会のシーンで二原色カラーが使われています。現在国内で流通している『オペラの怪人』は舞踏会シーンもモノクロのバージョンがほとんどですが、我々が上映するバージョンでは二原色カラーがご覧いただけます。その辺りも楽しみにして頂きたい部分であります。

オペラの怪人
'The Phantom of the Opera' in Lon Chaney

 もう一本は、お馴染み『太郎さんの汽車』です。こちらは鉄道の乗車マナー啓蒙映画で、そう言われると退屈そうな気がしてしまうかもしれませんが、実際は説教臭さはまるでなく、初期日本アニメの見事さばかりが印象に残る作品です。私は方々でやっておりますが、楽団演奏でこの作品を上映する事はほとんどありませんので、どうなりますが、楽しみな所です。何年か前に、私が個人的に入手した16mmフィルムでして、以来、大変仕事の役に立ってくれています。こういうどこでやっても、一定以上ウケる短編は重宝します。それにばっかり頼り過ぎちゃいけないんだけどね。

太郎さんの汽車
『太郎さんの汽車』


 ちなみにですが、このツアー、名古屋と東京でも行いますのよ。詳細は後日。
|07/11| 活弁コメント(0)TB(0)
 さあ今日の告知は秋田公演二日目ですよ。
 基本的にやる事は一日目と同じです。ただ場所が違う。それから日程的に一日差が大きな意味を持つ。

 というのも8月3日からは竿燈まつりが始まるんですね。秋田の代表的な行事にも数えられるアレ。我々が、というか誰が勝負してもイベントとして勝ち目のないアレ。
 実際に言われましたよ、「この時期に秋田でやっても……」みたいな感じで。むしろお祭りを見に来るのがメインなら止めないけど、というニュアンスで。そんな時期にドン被りのツアーやっても、的な雰囲気で。

 望むところで御座んすよ。こっちだって遊びで行くんじゃねえんだ。向こうは提灯が沢山ぶらぶらしてるだけじゃねえか。
 
 こうなったら本気で楽しんでやろうじゃねぇか、お祭りを。

 という訳で、この旅は楽しみが沢山なんで御座いますよ。おほほ。
 だからといって自分たちの公演に手を抜くつもりは御座いません。当たり前だ。
 では恒例の公演情報をば。

●2013秋田 無声映画ライブ
日時/8月3日21時45分~
会場/Jazz Live House The Cat Walk
出演/片岡一郎(弁士)
    音楽 アンサンブル・バラダン
    田中まさよし(パーカッション)
    上屋安由美(ピアノ・作曲)   
    市川仁志(オーボエ・口笛)
    益子侑(バイオリン)
上演作品/『太郎さんの汽車』『オペラの怪人』
料金/2000円
主催/映画ライブ2013実行委員会
協力/M-rak音楽企画、デジタル・ミーム

2013秋田ツアー
 

 今回の会場は昨日とは打って変わってジャズ&ダイニングのお店、The Cat Walkであります。ジャズライブハウスでの活動写真(もちろん生演奏)ってのが良いじゃありませんか。僕がミュージシャンの方々に対してある種の憧れがあるんです。結構著名な方でも地方の2~30人も入れば満席みたいなライブハウスでやるじゃないですか。そこには地元のお客さんが中心で、それから何人かの全国どこでも付いてくるような熱心なおきゃくさんがいて、という活動。
 僕には全国どこにでもなんてお客様はいませんけれどね、でも初めていく町のライブハウスで公演なんて実に楽しみ。かつては大荷物を持っていかないと映画は上映できなかったのが、現代では(デメリットもあるとはいえ)DVD等でどこでも手軽に上映できるようになった。ならこういう企画がどんどんできると嬉しいなと。
 弁士に限った話じゃなくて、ミュージシャンの方々によるフィルムコンサートが各地のライブハウスで行われるようになれば、これまでとちょっと違った音楽の、映画の楽しみ方として良いのではないかと考えたりもします。

 そんなこんなで、ここも成功させたい会場であります。
 開場時間21時、開演時間21時45分とちょっと遅めの進行ではありますが、お運びくださいませ。

 お待ちしております。
 これが終わってひと眠りしたら次の日は二回公演だ。うひー。

 では竿灯祭りの紹介映像を御楽しみ下さい。



 楽しみだなあ、イヒヒ。
 
|07/10| 活弁コメント(0)TB(0)
 ツアーだ、ツアーだ。
 今年の夏は二つもツアーを抱えてるぜ。
 売れっ子だぜ。行き先は基本、温泉だぜ。

 どっちかって言うとドサ廻りですね。嫌いじゃないけどね。
 各地をぐるぐると移動する仕事は悲壮感が漂わなければとても楽しい物です。
 この夏はそういう感じじゃないので、楽しく過ごせそうです。旅をして、行く先々の食とお湯を楽しむなんざ、嬉しいじゃ御座いませんか。

 という訳で、8月の頭は秋田におります。
 全三カ所、四公演を本日から小出しに紹介していきますよ。

 初日はこちら。

●2013秋田 無声映画ライブ
日時/8月2日14時30分~
会場/北秋田市脇神 縄文の湯 大広間
出演/片岡一郎(弁士)
    音楽 アンサンブル・バラダン
    田中まさよし(パーカッション)
    上屋安由美(ピアノ・作曲)   
    市川仁志(オーボエ・口笛)
    益子侑(バイオリン)
上演作品/『太郎さんの汽車』『オペラの怪人』
料金/2000円
主催/映画ライブ2013実行委員会
協力/M-rak音楽企画、デジタル・ミーム

2013秋田ツアー



 秋田ツアーは3日、4日も御座いますが、初日が温泉ですよ。
 夏は怪談ものという安直な理由から『オペラの怪人』を上映致します。温泉場に洋画ほホラーは受け入れられるのか?個人的には怪談より総スカンが百倍も怖いのですが、まあなんとかなるでしょう。
 映画だけじゃ御座いません。こんな腕っこきの楽団とご一緒するのですから、ミニライブも当然行います。そっちメインで良いんじゃねえか、と個人的には思いますが。俺は『太郎さんの汽車』だけで良いんじゃねえか、と思いますが。もっと言えば、俺は温泉に入るだけで良いんじゃねえか、と思ってますが。

 ちなみに片岡の『太郎さんの汽車』はもう何度も見たよ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、この編成では見た事ないでしょ?こちらも新たに上屋さんが作曲をしてくれていますので、お楽しみに。もちろん『オペラの怪人』は完全新曲です。アンサンブル・バラダンの上屋安由美がアンドリュー・ロイド・ウェバーを越えますよ。確実に越えてきますね。他人事だと思って言いたい放題だな。

 パーカッションの田中さんはチラシにも記載がありますが秋田出身で御座います。田中さんに秋田弁で話してもらったことがありますが、本気で何言ってるのか分かりませんでした。当時、秋田の活動写真館ではこういう言葉で語る弁士がいて、地元のお客さん達も洋画を自分たちの言葉で楽しんでいたんでしょうね。思えば無声映画とは懐の深い芸術ではありませんか。

 裏話をひとつ申し上げますと、折角温泉なので、ポルノ無声映画を深夜に上映したら面白んじゃないかと盛り上がったのですがツアー初日に逮捕されるといけないというので、このアイディアは自然消滅致しました。なにしろ無修正だからな、あれ。なのでやりません。本当です。お笑いの「押すなよ、絶対に押すなよ」的なやらないじゃないです。

 やりませんとも。

 どっちにしたって、無声映画の為に秋田まで行ってられねぇよ、と東京の皆さん思うでしょ?そう思う方は、秋田の夏祭りを調べて御覧なさい。行っても良いかな、という気になりますよ。
 では8月頭は秋田で会いましょう。

 またあした。
|07/09| 活弁コメント(0)TB(0)
 いやァ暑い暑い。どうしたものか。
 高圧喰っちゃたまらないよ。PCだってたまらないんでしょう、こう暑くっちゃ、と変換したかったのに高圧を喰っちゃうくらいだからね。

 連日、お知らせブログを上げる決意でおります。
 でも最近、告知が億劫で……。ほらアメリカでは告知活動をほとんどしなかったんですよ。仕様がなかったとも言えますが。こっちに帰ってきたらしない訳にはいかないじゃない。でもメールをジャンジャン送るのが何となく、こう、ね。
 いずれやりますけどね。

 今月の27日には「プチぐら★」vol.10 声優になってみました。イギリスから来たけれどの巻」というイベントを荻窪のベルベットサンでやります。
 なんとトークゲストはイギリスから声優になるためにやってきて、そして日本の事務所に与り所属のポジションを勝ち取ったReinaさんです。これだけでもう、愉快な方だと言うのが分かりますね。楽しそうなイベントですね。Reinaさん、なんとオックスフォード大です。そんな世界最高学府から、どうしてあーた声優に、と思いますね。ちょっと並みの声優志望とは覚悟が違いますね。僕みたいに何となく受けてみたオーディションが受かって仕事貰ってるなんて奴は打ち首ですね。
 念の為申し上げておきますと僕はどこを切っても活動写真弁士ですが、たまに声優業もさせて貰ってます。帰国してからやってねぇけど。

 てなわけで早速イベント告知。

●「プチぐら★」vol.10 声優になってみました。イギリスから来たけれどの巻」
日時/7月26日20時~
会場/荻窪ベルベットサン
出演/片岡一郎(活動写真弁士)、Reina(イギリス人声優)保利透(ぐらもくらぶ)
料金/¥1500(w/1D)

ぷちぐら10


 特に予約とか御座いませんので、お気軽に遊びにいらして下さいませ。
 良いのか、そんなんで。

 でまあ最近、声の仕事とはなにか、について考える事が多いのですよ。
 今日はね、その辺についてつらつらと書いてみようかと思っています。どの程度の長さになるか、自分でも考えずに書いていますので長くなったらご容赦。まあイベントに来て頂ければ良いんです。私の駄文なぞどうでも。

 近頃、声優というお仕事について話題を振りまいたのは何と言ってもホリエモンこと堀江貴文さんでありましょう。氏が「声優って実際そんなにスキルいるんかえ?」と発言した事に対して、各方面からあれやこれやの意見が噴出した、と言う状況だったと認識しています。

 いわずもがなですが、声優にスキルは必要ですね。というか数ある演じる仕事の中でも声優さんくらいスキルが必要な業種も少なかろうと思うのです。ただし声優業に限らず、その職種特有のスキルは一歩外に出ると大して役に立たないのが常であります。機会には不可能な微細な感覚で綺麗に漆をおわんに濡れる人類の宝と呼べる能力であっても、その技術だけではペンキ屋さんになれるわけでもなければ、絵描きになれるわけでもない。お好み焼きにソース塗るのは大阪のおばちゃんの方が上手い訳です。

 声優のスキルというのは、声優の現場を成立させるためのスキルでもある訳です。
 たとえば堀江さんが、これまでとは全く違った環境でのアニメ作りを目論んでいるなら、これまでの声優さんのスキルは必要ない、むしろ邪魔になる可能性もあります。

 とか書くと、お前は声優を馬鹿にしてるのか、とお怒りの方も出てくるかもしれませんが、そうではないのです。こういう事態は映画の歴史で既に起きているのです。
 トーマス栗原という名前は映画史をやっていない方は知らなくて当然という名前です。この方、ハリウッドで演技術を学び、それを日本に持ち込んだ日本映画の歴史において重要人物なのですが、ここで彼が主張したのは歌舞伎などの旧来からある「型の演技」の否定でした。自分が映画を制作するにあたっては、あえて演技経験のない素人を採用し、彼らを監督の指示のもとに演技させることで、それまでの日本映画には無かったリアリズムを追求したのです。
 こうした出来事があり、また築地小劇場を代表とする新劇運動もあって、今日我々が当たり前と思っている演技論は日本に定着したんですナ。新しい事をしようとする時に、以前からの型・スキルが否定されるべき瞬間は確かにあるのです。堀江さんが演技論として「声優って実際そんなにスキルいるんかえ?」と言ったのではないのは勿論です。それは彼の構想するアニメにおいては声優のスキルは(発言段階では)重要でなかったからでしょう。むしろ声優のスキルを一切否定した所で凄いアニメが作られたとしたら、堀江さんの功績はアニメ史において甚大なものになるかもしれません。
 
 そんなに上手くいきゃあしないでしょうけれどね。

 さて、トーマス栗原はプロフェッショナルのスキルを意図的に遠ざけて作品作りを続けた監督です。ここで我々は一人の人物を思い浮かべねばなりません。現代でそれをやっているのは宮崎駿監督でしょう。
 宮崎アニメではどうして声優を使わないのか。「宮崎さんは声優の演技が嫌いだから」とか「プロデューサーが話題作りを優先しているから」とか言われています。実際、あれだけの規模で作られている作品ですから様々な要素が絡み合っているのだろうとは思います。ただ確固たる己の世界を持っている監督の場合、小器用な役者は不要だったりもします。黒澤映画における三船敏郎、小津映画における笠智衆、どちらもなくてはならない役者さんですが、まあ器用じゃないわね。組む監督によってはどうしちゃったの?という出来の者がある。それに対して、活躍されている声優さんてやっぱり器用なんですよ。器用でないと短い収録時間で一定以上のクオリティを維持し続ける事なんかできないです。これもまた声優には欠かせないスキルかもしれません。

 もしかしたら宮崎駿監督の不幸は、三船さんや笠さんのような相棒と呼べる声優さんを見つけられなかった事かもしれません。プロか非プロかの二元論ではなく、己の世界を己以上に体現してくれる役者と出会えたかどうか。

 という訳で、程好く内容がとっちらかったので、クドクド書くのはここまでにしましょうか。27日はReinaさんと、こんな内容についても話してみたいと思います。

 当たり前ですが声優と弁士はどう違うか、なんて話もしたいですね。
 これについては最近色々溜まってま思う所が多いですから、このイベントで存分にぶちまけてやる丁寧にお話しする所存。

 
|07/08| 活弁コメント(0)TB(0)
 夏になってきましたね。
 我が家は大変な湿度です。暑いのは割に平気なワタクシですが、湿度はいけません。カビそうでいけません。夏は海外に限りますね、とか言ってみたりしてな。

 これからちょいと忙しい日々で御座いまして、誠にありがたいのであります。
 告知もジャンジャンさせて頂こうと思っております。五月蠅いとお思いの方もいらっしゃるでしょうが、どうかご勘弁下さいまし。
 どうせあれだ、10月になったらドイツに行くからね。そうしたら年内は静かになるからね。

 という訳で今日の告知はコチラ。

●駆け出し弁士七転八倒!第一回「山、滴る」
日時/7月17日19時30分~
会場/両国門天ホール
出演/山城秀之山内菜々子、片岡一郎
上映作品/『月世界旅行』『豪勇ロイド』『血煙高田馬場』『チーズトースト狂の夢』『日の丸太郎 武者修行の巻』
料金/1000円
問い合わせ/090-8177-1887(山城)
主催/映画説明研鑽会
協力/マツダ映画社、両国門天ホール

 澤登一門にも弟弟子、妹弟子がおりましてね。というか私は総領弟子なので、澤登の弟子は基本的に全てそうなのですが、ともあれ下の世代が頑張るのは良い事でありますよ。今回は満を持しての若手勉強会スタートというわけ。僕も昔は勉強会をやりましたけどね、荻窪で月イチでやりましたけどね、そりゃもう大変でね。一回やると次の日から次の回の準備です。月イチは疲労しますね。
 澤登一門の弟・妹弟子の山城&山内はそういう間違いは冒さないみたいです。シーズンに一回づつくらいの予定だとか。ナンダツマラン。

 映画は完成品なのに、弁士は未完成。これが弁士を嫌いな方には我慢ならない事態なのですが、芸能としてみるとそれは当たり前の事でして、弁士がもし常に完成品であったならこんなに詰まらない物もないのであります。私も大概未熟ですが、この会の主役の二人は弁士としてはさらに未熟。けれど勉強会をやる以上は毎回、成長を提示しなければならんのですから、結構な苦労なのです。
 
 どうぞ暖かい目で見守ってやって頂きたいと思いますよ。
 で、この二人の勉強会の記念すべき第一回に、なぜゲストが師匠の澤登でなく僕なのかと申しますと、会場の両国門天ホールさんと二人の間に入って話をまとめたのが僕だから、という極めて事務的な理由なのであります。今後、澤登のゲストの回も御座いますから、それまで、いやそれ以降も御贔屓の程。

 良い兄弟子だな、俺(←台無し)。

 僕は何を演るか、まだ決めておりません。リクエストがあれば受け付けるかも……。
|07/07| 活弁コメント(0)TB(0)