黒くて素早いと言ってもウサイン・ボルトではありません。
時々現れてくれたら楽しそうだけどな、ボルト。
彼について言及する時に「奴」とか「G」とかボカして書く方を良く見かけます。
おそらくは具体的に書いて読んだ方が不快に思うのを避るためだったり、あるいは自分でその名を思い浮かべるのも嫌だからだろうと思われます。でも中には、そうやってボカすのを楽しんでいる風な方もいますね。
僕はどれでもないのではっきりと申し上げます。ゴキブリね。
不快な方、御免なさいね。
嫌な方、別のページへ飛ぶなりして下さいね。
出るのよ、我が家には。
これを書くか迷った、というのは通常寒い地域にはゴキブリはほとんど出ません。それなのに出るって事は俺ン家がさぞかし汚いみたいじゃないですか。違うんだ。
殺虫剤はドイツでも日本と同じように薬局で買います。スプレー類も何種類か売っておりますが、興味深いのはスプレー缶に描かれているのはハエとかカ、あとハチ。ゴキさんの姿は見受けられません。ここから想像できるのはドイツにはやっぱりあいつらが居ないのか、それとも素敵に共存しているかのどちらかです。でも共存できるなら、ハエともカともハチとも共存できる筈です。
ちょっと脇道にそれますと、ボンの町中にあるパン屋さんの店内にはハチがブンブン飛んでます。ショーケースの中に入って菓子パンの砂糖をあつめてるとか普通の光景です。僕は彼らがとまったパンを齧るのはまに全く抵抗がありませんが、苦手な方にはショーケースの中にあるパンが全滅したように感じるでしょう。
それはさておき、共存できていないならやっぱり居ないのか。「ドイツ ゴキブリ」で検索してみますと本当に情報が少ない。海外で生活する時に結構役に立つのが主婦の方が書いたブログです。旦那さんの仕事に付き添う形で来た彼女たちはビザの関係で出来る仕事も限られていたりますので、日本にいる時よりちょっと時間があったりします。ボンヤリしているより友達に現地報告も兼ねてブログでもやってみようかしら、となったりするみたいで現地の雑貨の名前や洗濯機の使い方、お得なスーパーの場所、美容院はどこが良い等々、旅行ガイドには乗っていない、乗せるときりがない情報が沢山、しかも日本語で綴られているのです。実に助かる。
こういった状況でありながら「ドイツ ゴキブリ」で検索しても何も出てこないということは、彼女たちはブリちゃんに遭遇していない、と結論付けられるのです。 大げさ。
スプレーにキブりんの姿が書かれていないとはいえ、全く対Kakerlak用うえぽんが売っていない訳ではありません。ドラッグストアで扱っていたのはスプレーでもホイホイでもなくて、食べさせてやっつけるタイプのやつ。コンバットみたいなの。
パッケージの写真も撮ってみたのですが、見たくない人多そうだな。Nexa Lotte Ungezieferköderが商品名です。興味のある方は画像検索でもしてみて下さい。 Nexa Lotteの意味は分かりませんが、Ungezieferköderは害虫の餌という意味だそうです。
さっき書いたKakerlak(カーカラック)は通称で、台所なんかに出る奴らの世紀名称はEine Küchenschabe(アイネ クィッヘンシャーベ)が正式な名前です。ドイツ語って全ての名詞が男性名詞、女性名詞、中性名詞分類で来て、それぞれの名詞がどの性に属しているかで冠詞が変わるんです。Eineは女性名詞に付く不定冠詞、つまりKüchenschabe(ゴキブリ)は女性名詞なのですね。なんと皮肉な。な
なんにしてもEine Küchenschabeは名前としては長すぎます。台所で見かけて「キャー、ゴキブリ!」なら「大丈夫?僕がやっつけてあげよう」てな具合になりますが「キャー、Eine Küchenschabe!」だと「余裕があるみたいだね、自分で何とかして」と言いたくなってしまうではありませんか。
それと、こっちで見かけるのは日本のより小さいです。たまに出てくるだけなら叩いて終わりなのですが我が家はちょいちょい出る。調べてみたらドイツで出るのは主に移民の方々の輸送品に交じって入ってきてしまうパターンだそうです。僕の住んでいるのは、まさにそういう地域でして、そりゃ出るわと。
そんな訳で、これからドイツに住む予定のある方で、本気で、心の底からゴキブリが嫌い、とうより怖い方は移民の多い地域は避けた方が無難かもしれません。家賃お手頃で凄く住みやすいんだけどね。
今日はしんどい話題にお付き合い頂いたので、御礼に撮りたてホヤホヤの猫画像をプレゼント。
人懐こい、可愛い奴でした。
