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 ボン大学の図書室に潜入してきました。
 大きな大学は目的ごとに幾つも図書館(図書室)を持っているパターンが多いのです。ボン大学もその例に漏れません。僕が入ったのは日本研究の為の図書室。

 あそこにもここにもある貴重な本の数々。台湾統治時代の文献だとか、100年前に発行された大連のガイドとか。
 一角に漫画も置いてありましたが、チョイスがおかしい。『ドラゴンボール』の11~13巻、『3×3EYES』の1~25巻、なぜか一冊づつある『コロコロコミック』『コミックボンボン』。「コロコロ~」は『ドッジ弾平』とか『おぼっちゃまくん』が掲載されてましたし、特集は人面犬と志村けん。俺、この号絶対に買ってた。
 あとなぜか『小学六年生』が約1年分。マンガとかにまじってストリートチルドレンの特集、ゴルバチョフについての記事があって見る者のの心をグイと鷲掴みです。こんな硬派な雑誌だったのか『小学六年生』って。こういうこと言っちゃなんですが、当時の『小学六年生』と今の『R25』を比べたら「小学~」の方が対象年齢高い気がしますぜ。やれやれ。

 そして月末の公演の詳細が出ましたよ。

●Vortrag und Filmvorführung - Taki no Shiraito
日時/2013年11月29日19時~ (小松弘先生の基調講演は17時15分~)
演目/『瀧の白糸』
弁士/片岡一郎
ピアノ/Mia Elezović
料金/無料
会場/Japanisches Kulturinstitut Köln(ケルン日本文化会館)


ケルン 瀧の白糸

 なんと11月末からボン大学で弁士を中心に扱ったシンポジウムが開催されます。詳細は後日お話し致しますが、この日はシンポジウムの基調講演に早稲田大学の小松弘先生、そしてシンポジウムの実践編として『瀧の白糸』が上映され、弁士はワタクシこと片岡一郎、ピアノ演奏は過去二回クロアチアで共演しているケルン在住日系クロアチア人のMia Elezovićさん。

 クロアチアといえば、今年もクロアチアの映画祭に参加が決まりました。やったね。
 これで今回の公演はドイツ、イタリア、オーストリア、チェコ、クロアチアの5ヶ国が確定。あと1~2ヶ国いけるかしら。

 明日はオーストリア入りなので、そちらの情報もあわせて乗っけておきましょう。

●East meets West/Stummfilmkunst aus Japan und Österreich
日時/2013年11月7日19時~
会場/Schlossmuseum Linz
上映作品/『Tokyo March(東京行進曲)』『Sherlock Jr.(キートンの探偵学入門)』
弁士/片岡一郎
ピアノ/Gerhard Gruber

●East meets West/Stummfilmkunst aus Japan und Österreich
日時/2013年11月8日19時~
会場/Kavárna Pontes
上映作品/『Tokyo March(東京行進曲)』『Sherlock Jr.(キートンの探偵学入門)』
弁士/片岡一郎
ピアノ/Gerhard Gruber

2013 Gerhard and me

 チェコ公演、会場がカフェになったり、上映日程が9日から8日になったりと色々変更が御座います。
 日程変更のメールがGruber氏から来たんですが「いいニュースだ。これで1日フリーになった」という文面でした。こちらの方々は本当にオフをしっかり遊ぶので素敵です。あとオンの日も空き時間はしっかり休んで遊びます。切り替えがしっかりしてるのね。

 この後もベルリンとかに出没しますので、よろしければ遊びにきてね。

                
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|11/05| 活弁コメント(0)TB(0)
 今日はボン大学のM先生の授業にお邪魔してきたので御座るよ。
 本日の授業のテーマはズバリ『鞍馬天狗』。単に嵐寛の話をするんじゃないんです。お能の『鞍馬天狗』から話が始まって、大仏次郎の小説に行き、映画へ、そして野村萬斎の『鞍馬天狗』へとつながってゆく講義。僕は授業の中で無声映画の『鞍馬天狗』のサワリをちょっと説明して欲しいと言われましての登壇でありました。

 『鞍馬天狗』について講義をするには天狗とは何か、義経とは何者かについても解説しなければならないのは自明ですが、そこはボン大学、生徒さんの口から「頼朝」とか出てくるから凄いのです。

 映画の『鞍馬天狗』(無論、大仏次郎の小説『鞍馬天狗』も)とお能の『鞍馬天狗』とは基本的には繋がりがありません。別に大仏次郎の鞍馬天狗は烏天狗に修業を付けて貰った訳ではないでしょう。けれど、一ヶ所だけ両者の存在がリンクする場所があります。
 それは1951年『鞍馬天狗 角兵衛獅子』においてです。



 19分12秒から鞍馬天狗が謡うのですが、これが『鞍馬天狗』。
 刺客を前にして謡う必然性はどこにもない曲ですが、鞍馬天狗の貫禄が出ている気がする興味深いシーンです。

 私の芸は大ウケ(主にM先生に)。一回やったら「もう一回やって下さい。生徒も二回目の方が聞き取れると思いますから」と。やりますけどね、でもそれって先生がもう一回見たか(ry
 肝心の芸ですが、朝イチだったので声が出ないのなんの。我ながらびっくりしたね。最低限度の水準は保ってますよ、念の為。

 二回、『鞍馬天狗』のワワリをやりましたら、さらなる試練が。
 『鞍馬天狗 角兵衛獅子』の謡を何回か聞いて皆で(先生、僕、生徒さん達)で謡ってみましょうと。
 やりますけどね。やりましたけどね。生徒さん達はこりゃ大変。日本語を聞き取るのがやっとの学生さんに『鞍馬天狗』を謡えってんですから・・・・・大学って学ぶ意思のある人には本当に面白い所です。
 とはいってもいきなり謡は無茶振りだろうと思いますね。日本の大学で、いきなり生徒さんにカンツォーネを歌わせるようなもんなんじゃないかしら。そのリズム、彼らの中に無いから。

 授業中に先生に言われたのでハッとしたのは「片岡さんも謡は分からないでしょう?」と言われて、そうか、そういえば英語が分かる日本人と、謡が分かる日本人だったら、どう考えても英語が分かる日本人の方が多くなっちゃってるのが現代なんだなと。日本人たるもの、謡だとか浪花節のひとっ節でも唸れるようにしておかないと恥ずかしいんじゃないかしら。そんな事ないかしら。

 余談ですが、ヨーロッパの多くの人にとって雅楽は旋律に聞こえず、ノイズに聞こえてしまうそうですよ。
 そして『鞍馬天狗』について調べていたら「CR鞍馬天狗」ってのがある?あった?事を知りました。

 働くなあ、鞍馬天狗ったら。


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|11/05| 活弁コメント(0)TB(0)
 こちらでは日曜日は基本的に、飲食店以外はお休みです。パン屋さんは昼過ぎまではやってます。スーパーはやってません。つまり日曜日はショッピングはほとんど出来ない。
 ところが今日、散歩でもと町をぶらぶらしてみたら、あのお店もこのお店もやってるじゃないのアナタ。
 どうもぼつぼつクリスマスらしいんですな。

 我々日本人の感覚だと、まだ早ぇよ、間に七五三とかあるじゃん、とか思ったりしますね。しないか。
 でもこちらは11月に入ればクリスマスに向けて入念な準備が始まります。

 考えてみれば去年、アメリカでもそうでした。あれだけハロウィンで大はしゃぎしておいて、終わったらすぐにクリスマスでそわそわするのがアメリカでした。ミシガン大学の先生が「学生が遊ぶことばっかり考えてる」とこぼしてましたが、まあアメリカはお祭りが好きなので仕方ないのでしょう。
 こちらではハロウィンはそれほどではないですが、クリスマスはアメリカなにするものぞと気合が入っております。
 

 町のあちこちにはクリスマスグッズが売られておりました。

クリスマス1


クリスマス2


クリスマス3

 あ、ドイツ人はクリスマスにお寿司で乾杯するんですよ。

お寿司で乾杯

 。近所の寿司屋の看板?がなんか可笑しかったので写真に撮ってみただけ。
 左の方の笑顔が自然なのに、右の方の笑顔はひきつっています。きっと右の方、弱みを握られているんでしょう。寿司だけに。

チャップリンちょこ

 チャップリンとオードリーのチョコレートも売っておりました。
 なかなかに良く特徴が出ておりますねぇ。


|11/03| もやもやコメント(0)TB(0)
 11月に入りました。あと8週間で今年も終わりです。
 いやはや早いの何の。

 年の終わりは紅白歌合戦と日本では言われておりますが、実際に見ている方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。
 僕は生まれてから一度も紅白で年越しをしたことがありません。そういう方も少なくないだろうとは思いますが、それでも大晦日の代表的なテレビ番組といえば紅白歌合戦であるのは間違いないのです。

 ドイツにも定番の番組があると先日某所で伺いまして、気になっておったのです。
 そしたら今日、そのDVDを見つけました。『Dinner for One』という短編喜劇がそれです。

 もとは1920年代にイギリスで書かれた舞台喜劇が1963年にドイツのテレビドラマとして制作され、なぜか大晦日の定番となってしまった作品です。最初の導入部だけがドイツ語で語られ、あとは英語。
 
 今日は老婦人ソフィー90歳の誕生日。毎年新年に親しい友人を迎えてパーティを開くのが恒例となっているのですが、友人はすでに他界しており、パーティはソフィーと執事のジェームスだけ。そこでジェームスがお客さん全員の演技をして主人をもてなす、という筋ですが、内容云々と言うよりもジェームス役の役者さんの演技を楽しむのが主眼のドラマです。

 1963年からとなると、今年は50年目じゃないですか。紅白歌合戦は1951年からですので、さらに凄いのですが、とはいえ毎年出演者が変わります。こちらは毎年々々同じドラマを半世紀。これはこれで凄い。

Cinner for One
€5でした


 YouTubeにも様々なバージョンが上がっていますので、興味のある方はご覧いただきたいと思います。
 チャップリンの初期短編に繋がるセンスがある楽しい舞台です。
 登場人物も二人だけですし、演技の自由度も高いので舞台役者さんたちは実際にやってみるのも良いと思います。

 ちょっと興味をそそられるのは老婦人の扱いなんですね。
 あるバージョンでは老婦人はジェームスがお客さんの演技をしていると気付かないで、本気で友人だと思って喜んでいる、もうボケてしまった主人。でも別のバージョンでは二人気にになってしまったけれど、ジェームスが演じる事で誕生日を楽しく過ごそうとする素敵な共犯関係。どちらでも可能な舞台です。
 はてさて、どう解釈するのが良いのか、なんて楽しみ方もありですね。
|11/03| もやもやコメント(0)TB(0)
 僕の住んでいるアパートは光熱費込、週に一度タオルの交換、二週に一度ベッドのシーツの交換、電球が切れたら交換して貰えて、電熱器が壊れたら新しいのを買ってきてくれるという、かなり条件の良い所なのです。ゴキは出るけど。

 今日はタオルの交換日だったんです。ついでにシーツの交換日でもありました。
 それからお家賃は月頭に払うのが一般的らしく、それも一緒にやっちゃおうと思っていたのですね。

 タオルとシーツだけなら勝手にやって貰えれば良いのですが、家賃は現金払いなので大家さんに会わないといけないのです。しかも来週はオーストリアにいるので払えない。となれば今日、タオル交換にきた大家をとっ捕まえるしかないのです。ですが、ウチの大家、基本的に酔ってる。一日中酔ってる。よっていつ来るか分からない。

 今日は外出を控えて部屋で作業しておりましたが、待てど暮らせど来ない。
 ある週は午後一時ころ来ました。別の週は午後七時頃に来て「替えのタオルが無くなっちゃって、支度に時間がかかった」と言ってました。そしていま、このブログを書いている間に金曜から土曜に日が変わりました。

 とうとう来なかったよ、あの大家。
 家賃払わねえぞ、こんにゃろうめ。

 そういう事情で、今日はドイツに到着してから初めて一歩も外に出ない日でした。
 もったいないような、生活に慣れてきたような。
|11/02| もやもやコメント(0)TB(0)