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 長いタイトルですね。
 しかも奇跡の一日二回更新。
 二回更新されて喜ぶ人もいないでしょうけど。
 ついね、ネット上で発言していると、どうにか上手い事言ってパアーッと広まりゃしないかって期待してしまうんですね。
 バズるっていうんですか?よく分ってませんけど。
 でもそういうの狙ってても、なりたい物にはなれないんですよね。
 ドーンと有名になったとして、その後どうすんの?ってのは考えますね。有名になるアテもないくせに。

 実のところ世間から認められる人間国宝的なモノになった時のシミュレーションはばっちりですから。シュミレーションて書かないくらいにばっちりですから。嘘だと思うなら人間国宝にしてみると良いですよ。

 周囲からは良く言われるんですよ。この中で将来勲章が貰えるとしたら片岡さんですよね、って。
 勲章ってのが良いね。軍人さんの寄りあいみたいで。
 とにもかくにも、自分が目指している場所に向かってゆかねばなりませんよ。
 
 今回の更新は情報のアップデートです。
 公開研究会「日本の映画音楽・映画音響研究の現在」・シンポジウム「現代の無声映画上映における音楽伴奏の可能性」のチラシ画像を追加して、【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~のゲスト出演者もさらにご紹介します。
 ひょいと覗いて頂ければ幸いです。
 
 では。


●公開研究会「日本の映画音楽・映画音響研究の現在」
シンポジウム「現代の無声映画上映における音楽伴奏の可能性」

日時/9月5日
13時00分~15時15分 シンポジウム
15時30分~17時00分 参考上映『軍神橘中佐』
出演/
シンポジウム:今田健太郎(四天王寺大学)、神﨑えり(作曲家・ピアニスト・即興演奏家)、柴田康太郎(東京大学)、白井史人(東京医科歯科大学)、鈴木治行(作曲家)
参考上映:片岡一郎、湯浅ジョウイチ(構成・編曲・ギター)、丹原要(ピアノ)
会場/早稲田大学早稲田キャンパス 27号館小野記念講堂(B2F)
料金/申込不要・参加費不要
お問い合わせ/shibuodan2015@gmail.com


軍神橘中佐 1

軍神橘中佐 2

 あと一週間でのチラシ登場です。
 見かけた方はぜひ入手しておいて下さいませ。滅多の上映されない『軍神橘中佐』の貴重な上映記録となりますよ。



●ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望
放送日時/9月5日13時~、(再放送)9月7日深夜0時~
放送局/WOWOW
解説/日本映画史に名を残す不世出の剣戟スター、阪東妻三郎。俳優・田村高廣、田村正和、田村亮の父親だ。大正から昭和にかけて活躍し、“バンツマ”の名で多くの人に愛された彼には、俳優とは別にもう一つの知られざる姿があった。それは、自らの映画を世界で公開し、日本映画のマーケットを拡大しようと野望を抱くビジネスマンとしての顔である。
2014年、バンツマの孫で俳優・田村幸士が祖母から譲り受けた、幻のフィルムが復元された。そこには、子煩悩なバンツマの素顔を映し出すホームムービーや、1953年に逝去した際執り行なわれた本人の葬儀の模様のほか、世界進出を目指してあがく、彼の夢の軌跡をうかがい知れる貴重な映像が含まれていた。この貴重なフィルムや、初公開となるアメリカの映画会社に封印されていた書類、身近にいた人々の貴重な証言などを糸口に、時代を先取りしていたバンツマの苦悩や夢を浮き彫りにする。


ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望



●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』、岡大介
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com


【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~ 新チラシ

 ゲストでカンカラ三味線の岡大介さんが緊急参戦です。
 お名前はかねがね伺っていた方で、ブログを見ればお分かりの通り現在大変に活躍中の方で御座います。
 結果的に、かなりバラエティに富んだ番組となりました。きっと楽しい日になります。
 あとは私の時差ボケのみが心配です。

 岡大介さんの動画も貼っておきましょうね。





●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


●STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK
日時/9月16日19時~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、江村玲子
会場/ケルン文化会館
料金/無料

STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 表


STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 裏



●Cinema Concert at EYE film Institute
日時/9月27日16時~
演目/『浮草物語』
出演/片岡一郎、Martin de Ruiter(ピアノ)
会場/EYE film Institute

EYE



●EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf
日時/10月1日20時~
演目/『太郎さんの汽車』『御誂治郎吉格子』
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、宮澤やすみ(三味線)、田中まさよし(パーカッション)
会場/デュッセルドルフ映画博物館(Filmmuseum Düsseldorf)
料金/無料
主催/在デュッセルドルフ日本国総領事館、デュッセルドルフ映画博物館、国際交流基金 ケルン日本文化会館

EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf



●Le Giornate del Cinema Muto / 34th Podenone silent film festival
日時/10月5日20時30分~
演目/『忠次旅日記』(最新復元版)
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、田中まさよし(パーカッション)、宮澤やすみ(三味線)
会場/Teatro Comunale Giuseppe Verdi


Pordenone 2001
画像は2001年のポルデノーネのポスターです。
 
 
 本年度のプロジェクトはアーツカウンシル東京さんの助成、企業メセナ協議会さんの認定を受けて行われております。
メセナ&アーツカウンシル

 
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|08/30| 活弁コメント(0)TB(0)
 近頃の日本のニュースというとオリンピックロゴと国会前デモでしょうか。
 にしてもデモってのはどうして毎回参加人数で揉めるんですかね。
 Aは少なくとも10万人と報じ、Bは多くて2万人だと伝える。いくらなんでもそんなに違いが出るもんなんでしょうか。
 アタシはデモに参加した事がないので体感的に何も経験が無いので分りませんが。
 ちなみにドイツではしょっちゅうデモに出くわします。週末と言えばデモ。
 ドイツ人の中には「日本ではあれだけの事がおきているのに、なぜデモがもっと起らないんだ」と思う方もいるみたいです。
 実際、ドイツのデモやストは一定の効果があるそうなんですね。だからやるなりの価値がある。
 日本は成果が見えないですね。この違いはどこから来るものでしょうか。
 いずれにしてもね、人間の数を数える時は1人、2人、3人、沢山、に出来れば何かと幸せではないでしょうかね。
 映画館や劇場も3人以上来たら「今日は沢山来ましたねー」って喜ぶというね。
 弁士も10人はいるから沢山。
 つまりね、数字は大事だけど、数字に囚われちゃいかんのですね。
 
 お金、物凄く沢山欲しいなあ。

 お金が欲しいで思い出しました。
 恒例の協賛のお願いです。

 以下数行定型の協賛お願い文
 今回の渡欧では企業メセナ協議会様より助成認定制度の認定を頂きました。これにより渡欧事業への寄付をする事で寄付者に税制上の優遇措置が得られるようになります。芸術家にも寄付者にもメリットを設け、芸術の振興を図るこの制度を知って頂くと共に、本事業への御支援をお願い致します。
 助勢認定制度についての詳しいご案内はこちら



 
 本日のお知らせはオランダですよ。
 実はオランダ公演はもうひとつ企画されています。そちらも近日情報公開予定。
 とりあえずは、こちらから。

●Cinema Concert at EYE film Institute
日時/9月27日16時~
演目/『浮草物語』
出演/片岡一郎、Martin de Ruiter(ピアノ)
会場/EYE film Institute

EYE

 出国前の最後のお仕事が、晴れたら空に豆まいてで新垣さんと演った『浮草物語』でした。そして二月後にまた『浮草物語』をやる事になろうとは。海外にいると名作、重要作をやる機会がどうしても増えます。小津、溝口の作品を説明する頻度はとても高いのです。もし黒澤明監督が無声映画を一本でも撮っていたたら、きっと月に一度は説明する事になるんではないかと思われます。いや、権利関係で無理かな。
 今回の『浮草物語』はEYE film Instituteが「英語字幕入りのプリントを見つけたよ」って連絡をくれました。
 つまり本番まで、どんな状態のプリントが上映されるか分らないのね。海外にあるフィルムは、いきなりワンシーンごそっと無くなってたりする事が稀にあるので、ちょっと怖いですね。でも、それもまた楽しみね。
 ところでEYE film Instituteではシネマコンサートを毎週やってるんですな。日曜16時は生演奏で無声映画が定番。羨ましい環境です。日本のフィルムセンターでやれないだろうか。小ホールでも良いので。でも、フィルムセンターでやると、あいつが出たのに自分が出てないとか、あいつの方が出演回数が多いとか、ただでさえせせこましい密度の高い無声映画業界がますます混乱しそうだからやらない方が良いかもしれませんが。
 フィルムセンターさんも最近は海外からピアニストを呼んだりしなくなっちゃいましたね。
 やっぱり予算の問題かした。

 
 その他の公演については下記の通り。
 
●公開研究会「日本の映画音楽・映画音響研究の現在」
シンポジウム「現代の無声映画上映における音楽伴奏の可能性」

日時/9月5日
13時00分~15時15分 シンポジウム
15時30分~17時00分 参考上映『軍神橘中佐』
出演/
シンポジウム:今田健太郎(四天王寺大学)、神﨑えり(作曲家・ピアニスト・即興演奏家)、柴田康太郎(東京大学)、白井史人(東京医科歯科大学)、鈴木治行(作曲家)
参考上映:片岡一郎、湯浅ジョウイチ(構成・編曲・ギター)、丹原要(ピアノ)
会場/早稲田大学早稲田キャンパス 27号館小野記念講堂(B2F)
料金/申込不要・参加費不要
お問い合わせ/shibuodan2015@gmail.com


●ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望
放送日時/9月5日13時~、(再放送)9月7日深夜0時~
放送局/WOWOW
解説/日本映画史に名を残す不世出の剣戟スター、阪東妻三郎。俳優・田村高廣、田村正和、田村亮の父親だ。大正から昭和にかけて活躍し、“バンツマ”の名で多くの人に愛された彼には、俳優とは別にもう一つの知られざる姿があった。それは、自らの映画を世界で公開し、日本映画のマーケットを拡大しようと野望を抱くビジネスマンとしての顔である。
2014年、バンツマの孫で俳優・田村幸士が祖母から譲り受けた、幻のフィルムが復元された。そこには、子煩悩なバンツマの素顔を映し出すホームムービーや、1953年に逝去した際執り行なわれた本人の葬儀の模様のほか、世界進出を目指してあがく、彼の夢の軌跡をうかがい知れる貴重な映像が含まれていた。この貴重なフィルムや、初公開となるアメリカの映画会社に封印されていた書類、身近にいた人々の貴重な証言などを糸口に、時代を先取りしていたバンツマの苦悩や夢を浮き彫りにする。


ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望



●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com


【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~ 新チラシ



●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


●STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK
日時/9月16日19時~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、江村玲子
会場/ケルン文化会館
料金/無料

STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 表


STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 裏



●EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf
日時/10月1日20時~
演目/『太郎さんの汽車』『御誂治郎吉格子』
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、宮澤やすみ(三味線)、田中まさよし(パーカッション)
会場/デュッセルドルフ映画博物館(Filmmuseum Düsseldorf)
料金/無料
主催/在デュッセルドルフ日本国総領事館、デュッセルドルフ映画博物館、国際交流基金 ケルン日本文化会館

EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf



●Le Giornate del Cinema Muto / 34th Podenone silent film festival
日時/10月5日20時30分~
演目/『忠次旅日記』(最新復元版)
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、田中まさよし(パーカッション)、宮澤やすみ(三味線)
会場/Teatro Comunale Giuseppe Verdi


Pordenone 2001
画像は2001年のポルデノーネのポスターです。
 
 本年度のプロジェクトはアーツカウンシル東京さんの助成、企業メセナ協議会さんの認定を受けて行われております。

メセナ&アーツカウンシル

 
|08/30| 活弁コメント(0)TB(0)
 ヨーロッパにいると中国人だと思われる事が多い日本人の片岡一郎です。
 今日ね、電車に乗っていたら子供と目が合ったんです。まだ「パパ」とか「ママ」とかようやく言えるようになったばかりの子供。
 じぃーっとこっちを見てくるんで、僕も見帰したんですね。大人同士なら恋人か敵同士ってレベルで。
 そしたらタトゥーだの切り傷だのがあっちこっちにあるご両親が嬉しそうに「ほら、ニイハオ!」って子供を促すんですよ。
 先日もトルコ人のやってるカフェでアイスを買おうとしたら三回もニイハオって言われたしな。

 よく日本のパスポートは最強とか言うじゃないですか。
 ビザ申請免除で入れる国の数は多いし、入国審査で面倒な質問をされる機会も滅多にない。
 それに対して中国では旅行に行くのも一苦労なんです。
 なのに、この東洋人=中国人のイメージは凄い。分母がデカいとはいえ、やっぱり凄い。
 そりゃ西洋人にしてみたら「こいつは日本人かな、韓国人かも知れないな、とりあえず中国人にしておけ」って判断もあると思うんですよ。
 おっさんがテレビを見ていて、よく分らん女の子の集団が出ていたらとりあえずAKBだと思っとけば半分は正解だから、それで良いや的なね。
 おっさんて俺の事ですがね。

 さっきの御両親にはわざわざ訂正するのも野暮なので、とりあえず「Hallo」っつときました。
 僕らがそんな心温まる国際交流をしている脇で、本物の中国人の皆様がなにやらはしゃいでいましたっけ。

 とりあえずいつものお願いを貼っとこう。

 以下数行定型の協賛お願い文
 今回の渡欧では企業メセナ協議会様より助成認定制度の認定を頂きました。これにより渡欧事業への寄付をする事で寄付者に税制上の優遇措置が得られるようになります。芸術家にも寄付者にもメリットを設け、芸術の振興を図るこの制度を知って頂くと共に、本事業への御支援をお願い致します。
 助勢認定制度についての詳しいご案内はこちら





 えー大切なお知らせです。
 今年もポルデノーネ出ます!
 やーっと情報解禁。
 今回は大変だった。
 助成金とって、出演交渉して、作品選定して、楽団メンバーのスケジュール抑えて、etc.etc....
 でもやりたかった事がひとつ叶います。それだけで十分かもしれない。
 
 それでは出演情報でっす。

●Le Giornate del Cinema Muto / 34th Podenone silent film festival
日時/10月5日20時30分~
演目/『忠次旅日記』(最新復元版)
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、田中まさよし(パーカッション)、宮澤やすみ(三味線)
会場/Teatro Comunale Giuseppe Verdi


Pordenone 2001


 画像は2001年のポルデノーネのポスターです。
 この時の説明は師匠がやってます。
 ほぼ出演が既定路線だと思っていたボンの映画祭にフラれた話はこの間書きました。
 しょうがないから別の出番を探したんです。そこに浮上してきたのがデュッセルドルフの日本映画特集、そしてさほど日程の離れていないポルデノーネ。
 よし、こうなったらボンじゃなくてポルデノーネに出てやろうじゃないか!と一念発起致しまして、映画祭に猛烈アピールの結果、ギリギリで出演が決まりました。当然ながら私一人の力ではなく、多くの方々のお力添えがあっての出演決定です。
 でも俺だって頑張った。「今回は助成金が取れたから、日本からミュージシャンをこっちの予算で連れて行く。おまけに俺の説明に対応させて、お客さんに弁士が何を言っているのか完全に判るように英語字幕も用意する」って言い放ってしまったんですね。
 
 正直、本当に帰国まで生活がもつのかちょっと不安なんですよ……。
 でもやっぱりやりたかった事だしね。
 海外の無声映画ファンに、日本でも人材が育ってるぞ、とアピールしたいじゃないですか。
 んでもって、この功績を日本に持ち帰ってお金を稼ぎたい無声映画を盛り上げたいじゃないですか。
 だから頑張りました。 
 映楽団の上屋安由美と田中まさよし、音和座の宮澤やすみ、そして弁士の私。
 楽しみだよね、イタリアのピザとパスタとジェラート。

 上映開始時間は20時30分。各日のメイン作品が上映される時間です。
 いつもなら公式サイトにもうちょっと詳しい情報が掲載されても良い時期なんですが、今年はかなりバタバタしているのか、ここにきてようやくタイムスケジュールが貼りつけられました。そりゃバタバタもしますよね。作品選定終盤にいきなり『忠次旅日記』を捻じ込もうとする馬鹿な弁士が居たんだから。反省。
 とりあえずタイムスケジュールをご覧下さいよ。
 他の上映が映画のタイトルだけなのに『A Diary of Chuji's travel』にはIchiro Kataoka and Japanese musicians と書いてあるのさ。弁士も映画の一部として捉えて頂いているみたいな気がして嬉しいッたらない。
  
 ポルデノーネに弁士が三年連続出演は正真正銘史上初です。
 ですが来年は出られるかどうか分らない。
 欧米では無声映画に生演奏が付くのは当たり前です。音楽家であれば映画祭に行けば3~4本の作品を担当するのは普通の事で、出演料も相応に出る。しかし弁士はそうはいきません。欧米での弁士は珍しいアトラクションとして機能しているのが現状です。だから映画祭に呼ばれても数少ない例外を除けば基本的には担当できるのは1作品のみ。さらに毎年出ていれば新鮮味は薄れてきます。今年出た映画祭に来年も出れる保証は全く無いのです。かといって日本では無声映画に必ず弁士が付くって訳でもない。

 我ながら良く生きていると思います。 
 ともかく楽しんで『忠次旅日記』を説明出来れば良いなと。
 皆様も十月の頭、ポルデノーネまでご旅行はいかが?
 今日は文章が弾んでるね。

 間近に迫って参りました。各公演は以下の通り。


●公開研究会「日本の映画音楽・映画音響研究の現在」
シンポジウム「現代の無声映画上映における音楽伴奏の可能性」

日時/9月5日
13時00分~15時15分 シンポジウム
15時30分~17時00分 参考上映『軍神橘中佐』
出演/
シンポジウム:今田健太郎(四天王寺大学)、神﨑えり(作曲家・ピアニスト・即興演奏家)、柴田康太郎(東京大学)、白井史人(東京医科歯科大学)、鈴木治行(作曲家)
参考上映:片岡一郎、湯浅ジョウイチ(構成・編曲・ギター)、丹原要(ピアノ)
会場/早稲田大学早稲田キャンパス 27号館小野記念講堂(B2F)
料金/申込不要・参加費不要
お問い合わせ/shibuodan2015@gmail.com


●ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望
放送日時/9月5日13時~、(再放送)9月7日深夜0時~
放送局/WOWOW
解説/日本映画史に名を残す不世出の剣戟スター、阪東妻三郎。俳優・田村高廣、田村正和、田村亮の父親だ。大正から昭和にかけて活躍し、“バンツマ”の名で多くの人に愛された彼には、俳優とは別にもう一つの知られざる姿があった。それは、自らの映画を世界で公開し、日本映画のマーケットを拡大しようと野望を抱くビジネスマンとしての顔である。
2014年、バンツマの孫で俳優・田村幸士が祖母から譲り受けた、幻のフィルムが復元された。そこには、子煩悩なバンツマの素顔を映し出すホームムービーや、1953年に逝去した際執り行なわれた本人の葬儀の模様のほか、世界進出を目指してあがく、彼の夢の軌跡をうかがい知れる貴重な映像が含まれていた。この貴重なフィルムや、初公開となるアメリカの映画会社に封印されていた書類、身近にいた人々の貴重な証言などを糸口に、時代を先取りしていたバンツマの苦悩や夢を浮き彫りにする。


ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望



●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com


【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~ 新チラシ



●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


●STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK
日時/9月16日19時~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、江村玲子
会場/ケルン文化会館
料金/無料

STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 表


STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 裏



●EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf
日時/10月1日20時~
演目/『太郎さんの汽車』『御誂治郎吉格子』
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、宮澤やすみ(三味線)、田中まさよし(パーカッション)
会場/デュッセルドルフ映画博物館(Filmmuseum Düsseldorf)
料金/無料
主催/在デュッセルドルフ日本国総領事館、デュッセルドルフ映画博物館、国際交流基金 ケルン日本文化会館

EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf


 弁士と楽団がポルデノーネに行けるのはアーツカウンシル東京の芸術文化支援事業、および企業メセナ協議会の助成認定制度のバックアップのお蔭です。御支援引き続き募集中。まだポルデノーネに間に合う!

メセナ&アーツカウンシル

|08/22| 活弁コメント(0)TB(0)
 ボン無声映画祭2015が終わりました。
 非常に充実したプログラムで御座いました。
 ひとつだけ不満があるとすれば、自分が出られなかった事です。
 実は今年は出演の予定だったのです。助成金も決まって、運営に連絡をしたら「今年は弁士なしになったの。御免なさい」って。
 おいおい、去年からの約束だったじゃねえか、今年は日本映画を特集しようかなまで言ってたじゃねえか、って絶望的な気持ちになりましたよ。計画の最初のプログラムが取り止めですもの。その代わりにデュッセルドルフが決まり、追加で某映画祭への出演(まもなく情報公開)も決まりましたので結果としては良かったんですが、やっぱり悲しいものでした。
 思わずブログに書いちゃったよ。日本語って良いよね。映画祭関係者が読めないから。英語だったらおちおち愚痴も書けやしない。
 芸人がネットであまり愚痴るもんじゃないですが。
 記録として今年の映画祭のプログラムを書いておこうと思いますが、長くなるので次回にしましょう。


 以下数行定型の協賛お願い文
 今回の渡欧では企業メセナ協議会様より助成認定制度の認定を頂きました。これにより渡欧事業への寄付をする事で寄付者に税制上の優遇措置が得られるようになります。芸術家にも寄付者にもメリットを設け、芸術の振興を図るこの制度を知って頂くと共に、本事業への御支援をお願い致します。
 助勢認定制度についての詳しいご案内はこちら


 
 繰り返しになりますが、自分が出られなかった事を除けば大変に良い映画祭でした。
 お客さんがお酒を飲みながら、時にはお客さんが連れてきた犬が喧嘩を始めたりして、野外の風を受け、場合によっては土砂降りの中で無声映画を生の音楽と共に見る空間は豊潤な文化の醸造場と言えるものでした。日本でもこんな具合に気楽な無声映画イベントが出来れば良いのに。研究者とマニアが息を殺して見たりするのも意義はあるでしょうが、基本は娯楽ですからね。

 なんて言いながら今日の告知は研究会での出演です。


●公開研究会「日本の映画音楽・映画音響研究の現在」
シンポジウム「現代の無声映画上映における音楽伴奏の可能性」

日時/9月5日
13時00分~15時15分 シンポジウム
15時30分~17時00分 参考上映『軍神橘中佐』
出演/
シンポジウム:今田健太郎(四天王寺大学)、神﨑えり(作曲家・ピアニスト・即興演奏家)、柴田康太郎(東京大学)、白井史人(東京医科歯科大学)、鈴木治行(作曲家)
参考上映:片岡一郎、湯浅ジョウイチ(構成・編曲・ギター)、丹原要(ピアノ)
会場/早稲田大学早稲田キャンパス 27号館小野記念講堂(B2F)
料金/申込不要・参加費不要
お問い合わせ/shibuodan2015@gmail.com

 基本は娯楽と言いながら、私くらい研究領域に食い込んでいる弁士もいないのが現実です。
 そもそも俺が研究好きだからな。
 ところでこの上映は凄いです。
 概要には以下の様に書いてあります。

早稲田大学演劇博物館に1920年代のサイレント期の映画伴奏譜が600点以上も収蔵された。これは、実際に日本の映画館で使用されていた楽譜資料としては、初めて研究者の前に公にされた資料ということのできるものである。



 無声映画について調べた人間なら共通事項としての認識ですが、無声映画時代にどんな音楽が演奏されていたのかこれまでは当事者の証言と観客の思い出、そして一般向けに発売された譜面、映画伴奏曲と銘打たれた和洋合奏のSP盤といったものを中心に調査するしかありませんでした。それらは当時の状況を物語ってこそいるものの、映画館内で行われていた演奏の直接の証拠とするにはやや弱いものだったのです。
 そんな状況下で出現したのが、この伴奏楽譜なのです。
 しかも素晴らしいのは、上記楽譜群が使いまわしの利く汎用性の高い定番曲のみではなく、特定の作品を上映する前提で準備された楽譜が一定数存在するという事なのです。
 
 なぜ今回『軍神橘中佐』が上映作品に選ばれたか、分りますね?
  
 上映も楽しみですが、シンポジウムの登壇者も充実しています。
 プロジェクトの中心を担う白井史人さん、柴田康太郎さんに加え、これまで『吸血鬼ノスフェラトゥ』『裁かるゝジャンヌ』『『カメラを持った男』に音楽を付けてきた鈴木治行さん、即興演奏の確かな実力で無声映画界で存在感を急速に増している神﨑えりさん、研究者であると同時に田中映画社さん・井上陽一先生系統の無声映画上映では和洋合奏団の楽長も務めている今田健太郎さん、という顔ぶれです。鈴木さん、神崎さん、今田さんはそれぞれ別のアプローチで無声映画の音楽と取り組んでおられますから、どんな話が飛び出してくるのか非常に興味があります。いっそ湯浅さんも交じってくれれば良いのに、と観客視点の勝手な意見。

 この研究会で無声映画の新しい地平が見えて来るやもしれません。
 そして先程柴田さんからご連絡を頂いたのですが、この研究会で使用される楽譜も浅草三友館で使われれいたものが中心になっていた可能性があるそうなのです。
 浅草三友館といえば次の日のイベント【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~です。もっともこちらのイベントは研究会的な再現を目指す目的ではなく、東洋館で無声映画を上映する事で三友館の存在があった事実をアピールし、浅草に映画の灯を燈そうとするものです、検証シンポジウムはありません。
 ま、映画は娯楽ですから。

 研究会のチラシも間もなく出来るそうです。
 無料の上にフィルムセンター所蔵の、滅多に上映されない『軍神橘中佐』が見られるチャンスです。
 従来、評価の低かった本作ですが、先日試写で見たところ、なかなかどうして面白い作品でした。
 お気軽にお越し下さいませ。

 ちなみに研究会は二日連続で行われます。
 二日目は会場が変わって東大駒場キャンパス、18号館コラボレーションルーム1です。
 こちらにもよろしければお運びくださいませ。

 という訳で、【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~などの出演情報は以下の通り。


●ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望
放送日時/9月5日13時~、(再放送)9月7日深夜0時~
放送局/WOWOW
解説/日本映画史に名を残す不世出の剣戟スター、阪東妻三郎。俳優・田村高廣、田村正和、田村亮の父親だ。大正から昭和にかけて活躍し、“バンツマ”の名で多くの人に愛された彼には、俳優とは別にもう一つの知られざる姿があった。それは、自らの映画を世界で公開し、日本映画のマーケットを拡大しようと野望を抱くビジネスマンとしての顔である。
2014年、バンツマの孫で俳優・田村幸士が祖母から譲り受けた、幻のフィルムが復元された。そこには、子煩悩なバンツマの素顔を映し出すホームムービーや、1953年に逝去した際執り行なわれた本人の葬儀の模様のほか、世界進出を目指してあがく、彼の夢の軌跡をうかがい知れる貴重な映像が含まれていた。この貴重なフィルムや、初公開となるアメリカの映画会社に封印されていた書類、身近にいた人々の貴重な証言などを糸口に、時代を先取りしていたバンツマの苦悩や夢を浮き彫りにする。


ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望



●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com


【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~ 新チラシ



●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


●STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK
日時/9月16日19時~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、江村玲子
会場/ケルン文化会館
料金/無料

STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 表


STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 裏



●EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf
日時/10月1日20時~
演目/『太郎さんの汽車』『御誂治郎吉格子』
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、宮澤やすみ(三味線)、田中まさよし(パーカッション)
会場/デュッセルドルフ映画博物館(Filmmuseum Düsseldorf)
料金/無料
主催/在デュッセルドルフ日本国総領事館、デュッセルドルフ映画博物館、国際交流基金 ケルン日本文化会館

EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf


 今年度の渡欧活動はアーツカウンシル東京の芸術文化支援事業、および企業メセナ協議会の助成認定制度のバックアップを受けて遂行されております。なおも御支援、御協賛を募集中。本気の本気で募集中。

メセナ&アーツカウンシル


|08/18| 活弁コメント(0)TB(0)
 戦後70年を受けての阿倍首相による談話が何かと話題になっております。
 ざっくり見渡した範囲では、以前から阿倍支持の方々は「よくぞ言ってくれた」と感じ、阿倍不支持の方々は「なんという恥ずかしい首相だ」と感じていたような印象です。言い換えるなら、あの談話で意見を変えた日本人はあんまりいなかった。
 人間の意見なんてそうコロコロ変わるものじゃありませんから当然と言えば当然な訳です。
 なにを申し上げたいかといえば、人の心を動かす語りって難しいよねって事なんですね。
 一応私も話芸の世界の端っこに籍を置いてますから、そんな風に思ったんです。

 なんとなく話す事の価値が下がっているのではないかと感じてはいます。

 とある芸人さんが、スタッフも唸った話芸だというので見てみたんですYouTubeで。おしゃべりの天才と評されているとも書いてありました。
 確かに非常に器用な語りでありました。アタシャ出来ない。
 でもなぁ、と。
 もっととんでもなく上手い人って以前はゴロゴロしてたよねって。
 そういった方々が次々に鬼籍に入られています。でも映像だって録音だって残ってるんです。物凄い語りがいくらでも聞けるんです。なのに、あれを天才的と言ってしまうのかと。

 外交にも影響がある事が明らかな場できっちり語る事も、生放送で現役のテレビスタッフを唸らせる事も、癪ですが私には出来ないでしょう。でもやっぱり、話す事ってもっともっと追究されても良いんじゃないかと思うのです。言葉とは人間を人間たらしめている重要な要素だけに。
 嗚呼、満座の観客を掌中に収めてしまうような語りをしたいものです。


 以下数行定型の協賛お願い文
 今回の渡欧では企業メセナ協議会様より助成認定制度の認定を頂きました。これにより渡欧事業への寄付をする事で寄付者に税制上の優遇措置が得られるようになります。芸術家にも寄付者にもメリットを設け、芸術の振興を図るこの制度を知って頂くと共に、本事業への御支援をお願い致します。
 助勢認定制度についての詳しいご案内はこちら




 海外公演の告知をもうひとつ致します。

●EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf
日時/10月1日20時~
演目/『太郎さんの汽車』『御誂治郎吉格子』
出演/片岡一郎、上屋安由美(ピアノ)、宮澤やすみ(三味線)、田中まさよし(パーカッション)
会場/デュッセルドルフ映画博物館(Filmmuseum Düsseldorf)
料金/無料
主催/在デュッセルドルフ日本国総領事館、デュッセルドルフ映画博物館、国際交流基金 ケルン日本文化会館

EYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorf

 ドイツで最も日本人が多い町として知られるデュッセルドルフで毎年開催されている日本映画週間に出演が決まりました。
 しかも記念すべき第十回のオープニングです。しかも会場はデュッセルドルフ映画博物館のBlack Boxです。この会場では月に一度、生演奏付きの無声映画上映が行われていて、しかもシアターオルガンも設置されている会場なんです。シアターオルガンときくと無暗にテンションがあがります。おそらく今回は使わないけど。
 演目はある意味定番『太郎さんの汽車』『御誂治郎吉格子』の二本立て。日本だけに。
 
 最近は同世代ミュージシャンの方々と共演の機会が出来て本当に嬉しいです。
 芸歴の上でも、夢声映画と関わる上でも先輩方とご一緒するのは光栄です。
 でも同時に、それではいけないだろう、いつまでも目上の方の胸を借りているばかりでは駄目だろう、同じ世代の人達と一緒に上を目指さなければならないだろうと思っていました。
 上の方々に退けと言っているのではありません。念のため。
 俺だって将来、下の世代が台頭してきても簡単に道を明け渡すつもりもありません。
 だけど、活動写真は若者が作っていたのも事実なんです。弁士だって若かったんです。徳川夢声が名実ともに映画説明者として頂点にいた昭和の頭に、あの先生はまだ三十になったばかりでした。今の俺よりも年下の男の子。
 芸事の世界は若い世代が常に必要なんです。
 だから同じ世代と頑張りたいんですわい。

 なんて、自分が若いフリしちゃった。
 山内とかもっと頑張れ。山城は年上だけど、まぁ後輩だから頑張れ。

 そうそう、今回の上映の特設ページも作って頂いちゃいました。→オープニング:活動写真弁士による無声映画上映 生演奏付き
 なんだか「活動写真弁士による無声映画上映 生演奏付き」ってフランス料理のメニューにありそうだよね。無いか。

 ちなみに今回のEYES ON JAPAN: Japanische Filmtage Düsseldorfで上映される他の映画は下記の通り。

『雨あがる』
『やじきた道中てれすこ』
『黒執事』
『春との旅』
『HINOKIO ヒノキオ』
『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』
『2つ目の窓』
『藁の楯』
『南極料理人』
『ニワトリはハダシだ』
『福福荘の福ちゃん』
『ひみつの花園』
『かぐや姫の物語』
『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』
『サカサマのパテマ』
『紅の豚』
『Tokyo Symphony』
『トランジット・ビジェアルズ』
『サッカー・ストーリー』
『ひとりっこ』

 ちょっと独特の選定ですね。
 どなたのキュレーションなのか気になる所。
 デュッセルドルフ近郊にお住いの方は是非お越し下さいませ。

 ドイツは無声映画関連、日本関連のイベントが多く、かつ地震が無い、実に良い国です。

 上記以外の出演情報以下の通り。


●ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望
放送日時/9月5日13時~、(再放送)9月7日深夜0時~
放送局/WOWOW
解説/日本映画史に名を残す不世出の剣戟スター、阪東妻三郎。俳優・田村高廣、田村正和、田村亮の父親だ。大正から昭和にかけて活躍し、“バンツマ”の名で多くの人に愛された彼には、俳優とは別にもう一つの知られざる姿があった。それは、自らの映画を世界で公開し、日本映画のマーケットを拡大しようと野望を抱くビジネスマンとしての顔である。
2014年、バンツマの孫で俳優・田村幸士が祖母から譲り受けた、幻のフィルムが復元された。そこには、子煩悩なバンツマの素顔を映し出すホームムービーや、1953年に逝去した際執り行なわれた本人の葬儀の模様のほか、世界進出を目指してあがく、彼の夢の軌跡をうかがい知れる貴重な映像が含まれていた。この貴重なフィルムや、初公開となるアメリカの映画会社に封印されていた書類、身近にいた人々の貴重な証言などを糸口に、時代を先取りしていたバンツマの苦悩や夢を浮き彫りにする。


●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com

【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~


●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


●STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK
日時/9月16日19時~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、江村玲子
会場/ケルン文化会館
料金/無料

STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 表


STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 裏


 今年の渡欧活動はアーツカウンシル東京の芸術文化支援事業、および企業メセナ協議会の助成認定制度のバックアップを受けて遂行されております。なおも御支援、御協賛を募集中。

メセナ&アーツカウンシル
|08/16| 活弁コメント(0)TB(0)
 ドイツに居ると日本との違いを感じる場面は多々御座います。
 去年あたりからでしょうか、日本では新幹線の指定席が空いていたら座って良いのか駄目なのか、なんて話題が時折ネットに上がる様になりました。おおむね日本人の反応は「駄目に決まってる」「常識で考えれば分かる」などです。
 ドイツですが、指定席でもなんでも空いていればどんどん座ります。
 では席を指定した人が来たらどうするのか。答えは簡単で「そこ、私が予約してるんです」「あ、そうですか」って座ってた人がどくだけの話なんですね。少なくとも自分が見た範囲ではトラブルになった事はありません。

 どちらが良いか悪いかではないと思います。日本では空いていても座らないのが常識で、ドイツでは空いていれば座るのが常識。
 何が言いたいかというと、常識なんて脆弱なものなんだってことです。
 だから常識を振りかざして他人様をあんまり悪く言わないようにしようとは考えてます。
 考えるだけですけど。志ん朝師匠が枕で仰言ってました。お酒を飲みながら他人の悪口を言うのは楽しいですからねぇ、と。
 全くもって同感です。他人の悪口ってのはやっぱりね、楽しいんですよ。
 松井秀樹みたいに悪口を言わないと決めて、本当に実行できる凄い方もいますが、あの人は特別です。
 世界中が松井秀樹になれば戦争もなくなるんでしょう。そしてAVが最大の産業になりそうな気がします。
 それはそれで別の戦争状態ではないかという気もしますね。

 

 以下数行定型の協賛お願い文
 今回の渡欧では企業メセナ協議会様より助成認定制度の認定を頂きました。これにより渡欧事業への寄付をする事で寄付者に税制上の優遇措置が得られるようになります。芸術家にも寄付者にもメリットを設け、芸術の振興を図るこの制度を知って頂くと共に、本事業への御支援をお願い致します。
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 本日のお知らせはテレビです。ティーヴィです。
 僕があんまり縁がない奴です。

●ノンフィクションW 阪東妻三郎 発掘されたフィルムの謎 ~世界進出の夢と野望
放送日時/9月5日13時~、(再放送)9月7日深夜0時~
放送局/WOWOW
解説/日本映画史に名を残す不世出の剣戟スター、阪東妻三郎。俳優・田村高廣、田村正和、田村亮の父親だ。大正から昭和にかけて活躍し、“バンツマ”の名で多くの人に愛された彼には、俳優とは別にもう一つの知られざる姿があった。それは、自らの映画を世界で公開し、日本映画のマーケットを拡大しようと野望を抱くビジネスマンとしての顔である。
2014年、バンツマの孫で俳優・田村幸士が祖母から譲り受けた、幻のフィルムが復元された。そこには、子煩悩なバンツマの素顔を映し出すホームムービーや、1953年に逝去した際執り行なわれた本人の葬儀の模様のほか、世界進出を目指してあがく、彼の夢の軌跡をうかがい知れる貴重な映像が含まれていた。この貴重なフィルムや、初公開となるアメリカの映画会社に封印されていた書類、身近にいた人々の貴重な証言などを糸口に、時代を先取りしていたバンツマの苦悩や夢を浮き彫りにする。

 
開化異相

 画像は番組とは関係ないですが、私の所蔵する『開化異相』のチラシ。
 ちょっと珍しいでしょ?
 
 この阪妻の特番のスタートラインは昨年、キネカ大森で上映した『雄呂血』でした。そこに来て下さったのが阪東妻三郎のお孫さんで俳優の田村幸士さん。終演後お話をすると、何やらフィルムがご自宅にあるというではないですか。何だって、それを見せろ、早く見せろ!と無礼もかえりみず幸士さんを焚きつけまして、その流れで発掘されフィルムセンターの「発掘された映画たち2014」で上映されたのが『田村家ホーム・ムービー』『昭和七年 二月十四日 李王殿下を奉迎して』『故 阪東妻三郎 関西映画人葬実況』の三本でした。ギリギリのスケジュールの中、私も若干のお手伝いはしましたが、田村家の皆様、フィルムセンターの方々のご尽力により貴重なフィルムは現代に甦ったのです。

 その時以来ずっと感じていたことがあります。それは幸士さんの阪妻復権にかける想いです。
 むろん、ご本人も俳優さんでいらっしゃいますから、阪東妻三郎が復権する事によって自分の活動にプラスになるという判断もああるかもしれません。少なくとも俺なら考える。そしてそれは人前に出る人間にとって自然な発想でもあります。しかし幸士さんからは、むしろ一人の俳優が持つ偉大な先輩に対しての敬意をこそ強く感じるのです。しかもその大先達が血縁。世間の、自分と同世代の人達にも広く大俳優阪妻を知って貰いたいという想いがともて強い方なのです。
 こんな方と『雄呂血』を御縁に知り合いになれたのは、どうしたって阪東妻三郎が導いてくれたと思いたくなるのが弁士心ってものです。
 ならば微力ながら、私も出来るだけの事はしようと。ついでに仕事にもしちゃおうと。
 その一つの成果が先日行われた「太秦江戸酒場」における無声映画上映でした。阪妻プロダクションで、太秦で撮った映画を太秦で上映する。しかも自分のお孫さんのプロデュースで。きっと阪妻も喜んでくれたと思います。
 
 そして次なる成果がこの番組です。
 阪妻が描き、追い、そして果たせなかった夢。

 世界進出。

 この番組では映画スター阪妻の、これまであまり触れられてこなかった側面に貴重な資料を駆使しながらスポットライトを当てています。
 私は僭越ながら番組中でちょっとだけ弁士をやっております。
 内容について、放送前なので詳しくは申し上げられません。というか私も見ていないので、どっちみち詳しく言えないのですが。
 でも現時点で聞いている内容だけでも、十分に見る価値のある番組だと言えます。
 あとはあれだ、俺、滅多にテレビには出ないから見てっていう。
 
 出ないから→× 
 出られないから→◎
 
 私がドイツやらアメリカやらポーランドやらで『雄呂血』の説明をしているのも、阪東妻三郎の世界進出の夢を、ほんの1%でも叶えている事になるのかな。もし阪妻にそう思って貰えたら冥加だな。
 という流れから『雄呂血』をケルンで上映する情報も含んだ、今後の出演案内ですよ。
 まあ、なんてイヤラシイ繋ぎ方でしょう。

●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com

【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~


●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


●STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK
日時/9月16日19時~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、江村玲子
会場/ケルン文化会館
料金/無料

STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 表


STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 裏


 今年の渡欧活動はアーツカウンシル東京の芸術文化支援事業、および企業メセナ協議会の助成認定制度のバックアップを受けて遂行されております。なおも御支援、御協賛を募集中。

メセナ&アーツカウンシル
|08/15| 活弁コメント(0)TB(0)
 ようやく仕事が動き始めました。
 でもとりあえず、毎日ボン無声映画祭で映画を見ています。
 良く日本の無声映画関係者は「東京無声映画祭やりたいねー」とか言うんです。
 これって実は誰か派手な仕事くれねぇかな、って気持ちの吐露だったりします。
 海外の映画祭を見てると、そんなに無声映画祭をやりたいなら自分で企画して自分でスポンサー集めて、自分でキュレーションして、自分で会場抑えて、自分で……、とやらなきゃ駄目だなと思います。
 誰かがやってくれるのを待っていたら、恐らく永遠に無声映画祭なんて日本では開催されないんです。
 じゃあお前はやるのかって言われたらやりませんけれどね。
 しかしムリクリ無声映画祭をやる事によってスタープレイヤーが生まれるのかもしれません。少なくとも弁士協会とかをいきなり作るよりはハードルが低い気もしますね。小規模であっても無声映画祭を定期的に開催し、弁士や楽士の連帯感を高めていき、しかる後に協会を設立、みたいな流れしかないんじゃないかしら。現状、皆で団結しようって呼びかけたって集まる業界じゃないから、ウチの業界。
 俺だって二度と会わんと心に決めてる奴がいるしねぇ。
 難しいね、業界を盛り上げてゆくってのは。

 

 以下数行定型の協賛お願い文
 今回の渡欧では企業メセナ協議会様より助成認定制度の認定を頂きました。これにより渡欧事業への寄付をする事で寄付者に税制上の優遇措置が得られるようになります。芸術家にも寄付者にもメリットを設け、芸術の振興を図るこの制度を知って頂くと共に、本事業への御支援をお願い致します。
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 コピペで支援のお願いしたって、誰も心動かないよな……。
 それはそうと日本は今、コピペで大変ですね。
 あれが本当はどうなのか門外漢の私には分りませんが、基本的には芸術を構築して生み出せるものはもはやほとんど出尽くしているとも言われています。あとはいかにアレンジするかしかないのだと。表現が完全に出尽くしたとは私は思ってませんが、とはいえ新しい物を生み出すのは困難な時代であるのは間違いなく、でも似ないようにだけを気にしていると面白くもなんともない物が出来上がってしまうのも実際です。
 大変ですよ、創作ってのは。
 我々弁士は創作よりもむしろ二次創作寄りの芸能です。それ故に模倣の蜜の味を良く知っています。
 良い所だけ真似て、端っこをちょこちょこっといじってオリジナルって態度をとるのって楽なんだ。
 それで高い評価を得られたりすると自分の意思じゃ止められなくなるんだ。
 だもんですからね、気を付けたいと思いました。自分のオリジナリティーは大事にしなきゃいけません。
 そして何らかの形で自分のオリジナルを作り上げないといけません。

 例によって前置きが長くなりました。
 告知です。
 お待たせしました今回はドイツの公演ですよ。

●STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK
日時/9月16日19時~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、江村玲子
会場/ケルン文化会館
料金/無料

STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 表


STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 裏

 最近本当に『雄呂血』づいてんな、俺。
 去年から突然モリモリ『雄呂血』を演ってる私ですが、それまでは意識的に避けてたのよ。
 なんたってウチの一門には宝ともいえる作品ですから。でもその『雄呂血』を解禁した初演の時に阪東妻三郎のお孫さんの田村幸士さんがいらしてくださって、その後もお付き合いをさせて頂いているばかりか『李王殿下を奉迎して』のフィルム発掘にも関われたので、縁の力というのは凄いなと思うのです。これだけ良い御縁が重なるんだから、阪妻も俺が『雄呂血』の説明をするのを認めてくれているんじゃないかと、勝手な解釈をしています。この見解は前も書いたかもしれない。
 そんなんじゃねえや下手糞奴、と阪妻に怒られるかもしれませんが、いっそ阪妻になら怒られてみたい、そんな弁士の微妙な心理。

 今回ご一緒するのはカールスルーエ在住のピアニスト・作曲家の江村玲子さん。
 この方なんと松村牧亜さん、天池穂高さん、小林弘人さんと大学の同期。
 みんなで示し合わせて無声映画に関わっているんじゃなくて、江村さんはドイツで依頼されてたまたま無声映画に関わり始めたんだそうです。どうなっとるんだ東京藝術大学音楽学部のこの代は。無声映画業界にとって最大派閥じゃないか。
 私が日芸で一龍斎貞橘さん、春風亭一之輔さんと同期なのも大概ですが、こちらはもっと密度が濃い、様な気がします。

 もう大分長くなったのですが、あと自画自賛を最後に。
 国際交流基金は上映権料を払って映画会社などから作品を購入しイベントに使うことがあります。今回のイベントで使う『雄呂血』もデジタルミームからTalking Silents DVDシリーズを購入しているから上映できるのです。しかしながら買うだけ買って中々上映できない映画も少なくありません。数万円払って上映は一度きりなんて映画もあるかもしれません。少なくとも無声映画の上映頻度はさほど高くありません。
 そこに私ですよ。私がドイツにいてイベントを行う事で、半ば眠っていたソフトを有効利用できちゃうんですね。
 皆様の税金を無駄にしない弁士がワタクシで御座います。
 税金からギャラも貰うけど。

 そんな皆様の税金と共に生きている私は下記のようなイベントにも出て、チャイナマネーにもタカッているのです。
 我ながら強欲仕事に意欲的だなあ。


●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com

【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~


●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


 今回の渡欧はアーツカウンシル東京様、企業メセナ協議会様のサポートを受け遂行されております。

メセナ&アーツカウンシル

 
|08/14| 活弁コメント(0)TB(0)
 税関に行って参りました。
 日本から送った荷物が止められちゃったんですね。
 ドイツの税関は厳しいという人がいます。そうでもない、日本と同じくらいだという人もいます。
 どちらだかよく分りません。少なくとも輸入業に関わっていない日本人が日本の税関の厳しさを実感する事はあまりないでしょう。
 個人的な体験を申し上げると、昨年も今年も我が家の荷物はなにかしら税関で引っかかっているので、若干厳しいのかなという印象です。
 税関には去年も行ったんで慣れたもんですがね。税関に荷物を取りに来いって通知書を見せたら奥から送った段ボール箱を出してきましてね、開けて中を見せて、と。言われるままにダンボールを開けたら荷物の表面をチラッとみて、OKよって。簡単なもんですよ。ただし税関に荷物が回されると問題がひとつあります。本来なら宅配業者が我が家の玄関まで運んでくれるはずの荷物と税関から自力で持って帰らなければならないんですね。15kgありますからね、結構大変なんですわ。そんな簡単な見てるんだか見てないんだか分らない程度のチェックでOK出すなら税関に回さずに届けてよ、とか文句の一つも言いたくなりますが、没収も課税もされなかったんだから良しとするべきなんでしょう。
 余談ですが対応してくれた税関のスタッフさん、僕が皺ひとつ付けずに持参した通知書を一瞬でクシャってしてました。
 あなたたちのそういう大雑把さ、割と好きよ。

 以下数行定型の協賛お願い文
 今回の渡欧では企業メセナ協議会様より助成認定制度の認定を頂きました。これにより渡欧事業への寄付をする事で寄付者に税制上の優遇措置が得られるようになります。芸術家にも寄付者にもメリットを設け、芸術の振興を図るこの制度を知って頂くと共に、本事業への御支援をお願い致します。
 助勢認定制度についての詳しいご案内はこちら



 えー、本日の告知で御座います。
 ドイツにいるのに日本の公演の情報ばっかりあげてて大丈夫なんでしょうか私は、てな具合に心配になりますね。


●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com

【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~

 現在の浅草東洋館はその昔フランス座というストリップ劇場だったことは広く知られています。そのフランス座で若き日のビートたけしがエレベーターボーイをしつつコントの修業に励み、井上ひさしが座付作者をしていました。しかしフランス座になる前には三友館なる映画館であったと知る人は今となっては殆どいません。驚溝口健二監督の処女作『愛に甦へる日』が封切りされたのが三友館ですから映画史にとっても大切な劇場と言えます。
 かつて映画は浅草で封切られ、そのフィルムが二番館、三番館と回り全国へと公開されていました。
 いわば浅草は映画興行の振出であり、往年の六区の賑わいは映画興行を抜きに考えられないものだったのです。
 でありながら2012年に浅草から映画館は姿を消し、名画座やシネコンの登場が噂されながらも実現に至らず今日に致ります。
 この会は浅草六区に小さいながらも映画の灯を再び燈そうとするものです。
 三友館でデビューを果たした溝口健二監督へ敬意を表し、まずは『東京行進曲』をトリネタにご機嫌を伺います。
 そして記念すべき第一回のゲストはご自身も大変な映画ファンでいらっしゃる林家正楽師匠。演目は『紙切りで綴る名優伝』。これは見たい。むしろ俺が客席から見たい。

 映画中心の方で正楽師匠の高座を御存知ない方は、まずこちらの動画をどうぞ。



 ご一緒できるのが本当に嬉しい師匠です。
 継続的にやっていきたい会ですので、御支援をお願いしつつ、スタート記念の満席を願う次第。
 立て続けに以下のような公演も御座いますよ。


●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


 今回の渡欧はアーツカウンシル東京様の助成、企業メセナ協議会様の助成認定を頂いております。

メセナ&アーツカウンシル
|08/13| 活弁コメント(0)TB(0)
 いやはやドイツについて早くも十日が経過いたしました。
 ドイツ、今年は暑いです。猛暑です。といっても日本とは比べものにならないですが。
 ここ数年は夏といえば海外の、立場だけ見ると高等遊民の私です。実際はじたばた足掻いていますけれど。

 足掻いているついでに協賛のお願いです。
 今回の渡欧は企業メセナ協議会による助成認定制度に見とれられました。
 現在、協賛・御支援をお願いしております。
 詳しくはこちらから。
 これ、毎回書きます。

 最近のニュースといえば住民登録が無事に済んだって事でしょうか。
 ドイツは現在EUの中では経済的に一人勝ちとも言われていますが、だからといってバブル景気みたいにお金がジャンジャン溢れてきている訳でもなく、そこそこうまく回っているといった程度です。なのでお金がない自治体は結構苦しいんですね。
 ボンはと申しますと、苦しい方に属します。
 結果として市役所でも人員削減が行われているらしく、住民登録をするために窓口対応の予約をしようすると一か月先とか普通に言われてしまいます。ドイツ国内で引っ越して住民登録を書き換えるだけなら一ヶ月でも二ヵ月でも待てば良いんでしょうが、こちとら海外から来てますから。そんなに待ってた日にゃ観光ビザが切れちゃう。のんびりしてられない。ならどうするかと申しますと、朝一で役所に行くんですね。そうすると整理券が取れる。で、当日の対応をして貰える。その整理券だって役所が仕事を始める朝八時に行ったんじゃ遅いんです。もっと早めにいって整理番号を貰って、ようやく2~3時間後に対応して貰える。
 去年はそんなことありませんでした。前日に予約をして、普通に住民登録が完了しました。
 なのに今年はこのザマですよ。
 なぜかと言えば前述の人員削減が最大の理由ですが、さらに夏なので職員が順次休暇を取っていてさらに人出が足りないらしい。だったら切るなよと。せめて休暇が終わってから切れよと。昔のドイツではこんなことは無かったそうです。EUになって近隣諸国の悪い所を真似しちゃった感じでしょうか。
 
 日本でも武雄市の図書館が再度話題になっておりますね。
 やっぱりね、公共事業は効率だけで考えちゃ駄目よ。住民の不満が高まれば巡り巡って自治体が損をしますから。
 
 でも何とか朝一でお役所にいって住民登録は完了いたしまして、ついでに外人局で滞在許可申請の予約をしちゃおうって事になったんですね。私のブログにお付き合いいただいている方がどれだけいるか分りませんが、一年前から読んで下さっているならきっとご記憶の、昨年さんざん揉めた、あわや不法滞在をさせられるところだった、あの外人局です。
 外人局も予約なしで行くと整理券を取って順番を待つ仕組みなんです。
 外人局に行きました。あいかわらず薄暗い、ちょっと不健康な雰囲気の建物です。
 整理番号を取りました。この段階で、担当者が誰かはっきりします。
 びっくりしたね。去年のあの人だよ。
 展開は幾つか考えられます。

①担当官が完全に去年の事を忘れていて、淡々と事務が進む。
②担当官が完全に巨縁の事を忘れていて、同じ騒動を繰り返す。
③担当官が去年の事を覚えていて、スムーズに事が進む。
④担当官が去年の事を覚えていて、物凄く意地悪をされる。

 呼び出しアラームに導かれ、約一年ぶりに再会したFさん。
 同行者のIさんによれば、僕の顔を見た瞬間に目を見開いたそうです。
 で、結局、手続きは9月末に再度外人局に行って行えることになりました。

 今年は去年の様な騒動が起きないと良いな。
 無事に終われば芸人的には騒動も楽しいのですが、やっぱり心臓に悪いですからね。
 今年は順調に行くことを願って下さい。

 前置き長いですね。
 明日もブログを更新します。 
 明日は現在、絶賛開催中のボン無声映画祭についてお話しましょう。

 さて告知です。
 中国の無声映画を演ります。

●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏


SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表

 中国の無声映画には思い入れがあります。
 今も日中関係がややこしいですが、数年前にもかなり緊張感が高まった時期がありました。
 その時期に阿佐ヶ谷で集中的に中国の無声映画を演ったんです。
 三十年代中国無声映画の主なテーマは抗日でした。だからあえて抗日映画を日本人の弁士がやればちょっとは注目されるんじゃないかと思ったんです。結果としてその意図は外れました。さほど世間の耳目を集める事もなく二十本前後の作品を説明してネタ切れ。でもなんでも演っとくもんですね。僕が中国の無声映画をやった情報がネットには残っていまして、今回は中国の企業からのオファーです。
 こういう仕事をしていると、この作品は今回だけで生涯再演はないなと思わざるを得ない仕事が時々あります。
 準備にかける時間と報酬の見返りで秤にかければ演らない方が良いかもしれない。
 おおよそ芽の出る可能性の無い種まきです。でも地道に種まきをしておくと十年後にいきなり芽吹いたりするから油断できません。去年のオーストリア映画しかり、今回の中国映画しかり。

 今回は中国电影资料馆が国家予算でデジタル復元をした版が公開されます。
 残念ながら会場設備の関係でBlu-rayですが、100人前後の客席数ですからそんなに問題はないと思われます。
 そして目玉は映画だけではなく音楽です。
 この上映の為に中国から曹羊さん、張宣蘇さん、孫大威さん、陳睦璉さん、顔峻さん、そしてスウェーデンからLars Akerlund さんが来日します。さらに日本人チームは『あまちゃん』でその名をお茶の間にまで知らしめた大友良英さんが武侠物の傑作『『紅い剣士』(原題『紅侠』)の音楽を担当します。関係ないけどお茶の間って言葉を使うのに若干の照れはあります。
 どの作品も新たに作曲された音楽が中国の無声映画を彩ります。プログラムのトリ、中国無声映画史における最大の女優である阮玲玉主演『おもちゃ』(原題『小玩意』)を私の説明、上屋安由美さんのピアノ、藤高理恵子さんの筑前琵琶にてお届けします。 もちろん『おもちゃ』の演奏曲はこの上映の為に上屋安由美さんが新たに作曲します。
 私もこの上映の為に(他にも仕事はしますが)ドイツから帰国しますから、なんと日本、中国、スウェーデン、ドイツから出演者が集まって行われる上映会となります。どう考えたって採算は取れないんですが、それでも良いんだそうな。凄ぇなチャイナ・ア¥マネー。

 この『おもちゃ』って本当にいい映画なんです。
 現在にまで繋がる複雑な日中関係を考える上で、当時の中国の若者たちが何を考え何を訴えようとしていたのか、歴史書にはない瑞々しい感情が映画には込められています。それ故に本作は抗日映画でありながら、そうした限定的な時代背景を越えた普遍性があるのです。他の映画も良い映画です。中国の無声映画を見る機会もあまりないでしょうから、このチャンスに是非。
 これだけの作品が揃っていて一日券なら一本あたり千円ですから大変お得な上映なんです。奥さま、そう思いません?
 皆様の御来場をお待ちしております。

 今回の渡欧は企業メセナ協議会の助成認定、及びアーツカウンシル東京の助成を受けて行われております。
メセナ&アーツカウンシル

 
|08/09| 活弁コメント(0)TB(0)
 いやはや無事にドイツに着きましたよ。
 渡独前の各種公演にお越し下さった皆様ありがとう御座います。
 酷暑の栃木はグリムの館でお馴染み映楽団の皆さんとチャップリンを演ったのは安定の楽しさでした。
 NHK文化センターでN響のまろさんこと篠崎さんとご一緒出来たのも6年越しの思いが叶って嬉しゅう御座いました。
 晴れたら空に豆まいてで『浮草物語』を新垣さんのある種挑発的な音楽を共に上演出来たのも気持ち良かったです。
 それから間もなく公表できるであろう収録も致しました。
 目が回るような忙しさは芸人として、生きている実感が得られるものでもあり、これからも忙しくしていたいと希望する次第であります。
 これからボツボツとドイツ滞在中や一時帰国中の公演情報も上げていきたいと思います。

 一歩日本から出ると、今の日本はピリピリしてるなあと思いますね。
 暑すぎるんだね。ドイツ涼しいよ。皆、避暑するべきですよ。涼しい所で一週間骨休めしてから重要な会議をしたら良いんじゃないかしら。んまあ適当言ってますがね。

 そんなこんなでドイツです。
 果たしてこの半年を無事に乗り切れるのか色々と不安ではありますが。もうそろそろ日本に居た方が稼げるんじゃないかと思っちゃったりもしますが。まあもうちょっと色々と頑張ってみます。
 あ、一時帰国は9月半ば、10月中旬~11月上旬です。あと多分来年一月にもちらっと帰りますので、お仕事下さいませ。

 さて今回はちょっと重要なお願いです。
 昨年に引き続き、渡欧事業はアーツカウンシル東京さん、ボン大学さんの御支援を頂いておりますが、今回はさらに企業メセナ協議会さんの助勢認定制度に応募して、どうやら認定を受ける事が出来ました。やれ嬉し。

 メセナ、あまり馴染みのない言葉かもしれません。
 ざっくりいうと企業による芸術文化支援の事です。

「メセナ」【mécénat】は、芸術文化支援を意味するフランス語です。古代ローマ時代の皇帝アウグストゥスに仕え、詩人や芸術家を手厚く庇護した高官マエケナス(Maecenas)の名に由来しています



 という解説が企業メセナ協議会のサイトに掲載されております。解説の通りメセナ活動は欧州で始まり、日本ではバブル景気を背景に広まりました。私も大学の授業で先生が、メセナとは云々と言っていたのをぼんやりと覚えています。 バブル好景気時代は企業がお金を持っていましたから芸術にも気軽にお金を出していた様です。無声映画業界で言えば1989年の『イントレランス』武道館上映がその最たるものでしょう。今調べたら東芝がお金を出していますね。おそらくですが1989年より今の方が無声映画は盛り上がっている筈です。クオリティの高いソフトの普及率は段違いです。でもあの時代なら『イントレランス』に企業がドカンとお金を出し、さらに8000円かけて見ようという観客が何人もいたんです。いかに新日本フィルハーモニーの生演奏とはいえ。 
 こういっちゃなんですが、狂ってまさあね。

 お話は現代です。
 もう20年このかた日本は不景気不景気言ってまして、大企業も道楽で芸術にお金を出してくれる時代ではなくなりました。
 派手にお金を使う事で他社との差別化を図るなんて夢のまた夢の時代です。
 しかしメセナ活動はバブル時代とはいくらか形を変えて残ったのですね。
 それが現代のメセナと言えるでしょう。
 サイトを覗くとCSRという項目を設置している企業さんは少なくありません。CSRとはCorporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任をそれぞれが独自に果たそうとする動きです。メセナは主にこのCSRの一活動として捉えられており、派手ではありませんが地道な芸術支援は今も行われているのです。

 とはいえこのご時世に、舞台やるからお金を頂戴だの、展覧会やるからお金を出してだの言った所で資金が集まるものではありません。そこでメセナの普及、そして芸術団体と企業の仲立ちとして存在するのが企業メセナ協議会なのです。企業メセナ協議会では助勢認定制度という制度を設けており、支援者は寄付しやすく、芸術団体は寄付を集めやすくが制度の概要です。

 大雑把にいうと、企業メセナ協議会より社会的芸術的意義ありと認められた活動に対して、企業や個人が企業メセナ協議会を通じて支援をする事で税制優遇を受けられるシステムなのです。
 芸術団体は企業メセナ協議会の認定を得た事で、一定の社会的信用が発生し各企業に協賛のお願いをしやすくなります。一方で企業はお金を出した時に税制優遇を受けられるうえ、公益社団法人企業メセナ協議会に寄付をした体裁になるので社会貢貢献活動として分りやすくなります。そうした双方のメリットが生じる事でメセナ活動が活発になるのが本制度の狙いと言えましょう。

 つまり現時点で私は企業メセナ協議会から、今回の渡欧が社会的芸術的意義ありと認められた状況にあるのです。
 ただ助成認定制度はあくまで認定制度であって助成金ではないのです。この制度に認められただけでは一円にもなりません。むしろ手数料が発生する分だけマイナスになりかねない。認定された後に、それぞれの芸術団体が企業や個人から支援を受けるべく広報活動をしなければならないのミソなのです。

 さあ、ようやく本題に到着しました。
 このブログを読んだ皆さんのお力をお借りしたいのです。
 
 あそこの会社なら協賛してくれそうだよ。
 馬鹿だなあ、まずそういう相談ならウチの会社に来いよ。
 個人だけど幾らか援助しちゃうよ。

 なんて情報は御座いませんでしょうか?
 本制度における助成は1000円から受け付けております。
 説明が必要であれば一時帰国の際に出向いてもっと詳しいお話を致します。
 どうぞよろしくお願い致します。
 公益財団法人 企業メセナ協議会の助勢認定制度についての解説はこちら








 さて、ここからはもう少し突っ込んだ話。 
 本題とはずれますので、興味のある方のみお読みくださいませ。 
 まあここまで辿り着く前に読むのを辞めた方多数でしょうけれど。

 今回、助勢認定制度に応募して分かった事、感じた事が幾つかあります。それをつらつらと書き連ねてみます。
 
 まずは協賛を得るのは本当に大変だって事ね。
 認定が正式に出る前に事前アプローチとして10社くらいには電話したりメール送ったりしたのです。
 誰もが知っている大企業は総じて対応が素晴らしい印象でした。どこの馬の骨とも分らないような相手に対してもきっちり話を聞いてくださいましたし、協賛が不可ならばその理由も丁寧に説明して下さいました。しかし場合によっては代表電話取り次ぎの方に「一体何のご用件なんですか?」って、物凄く険のある言い方されて心が折れそうになったりもしました。基本的には社交性のない私の様な人間にはファーストコンタクトが苦痛で仕方ありませんし、そういう人間が電話してもきっとヘドモドして怪しい人間にしか相手も感じないでしょう。もしこれから協賛を得ようと思われる方は事務職を経験した事のある人に手伝ってもらう事をお勧めします。
 実際、大抵の事はネットで情報が手に入るこの時代に、いかにして協賛金を得たかを公開している芸術団体は殆どありません。それだけの苦労があり、また協賛してくれる企業に巡り合うまでが大仕事なのでしょうから、わざわざ赤の他人の為に情報を広める必要はないのです。

 もうひとつ思ったのは企業の時間間隔と、芸術団体の時間間隔の違いでしょうか。
 当然ですが企業は年単位の予算で動いています。つまり年度の途中に突然協賛してくれと言われても対応できない場合が殆どなのです。今回、私も企画そのものは評価して頂きながら(表向きはね)、予算枠が既に決まっているために協賛成らずとなった交渉が大多数でした。でも芸術団体は年度で動ける物ばかりではありません。社会背景を受けて今だからやらねばならない企画が幾つもあります。まして無声映画業界で一年前から企画が固まっているなんて滅多にありませんし……。
 結果として数年単位で動いているプロジェクトか、毎年恒例の企画以外が協賛を得るのは至難の業となってしまいます。
 でもそれってメセナの本義である「芸術・文化を通じた社会創造」から見た時どうなの?とも思ってしまいますね。
 このどちらが悪いわけでもないギャップを埋めるためにはどうすれば良いのかを考えてみたいのですが。

 あと最後にもうひとつ。
 何人かの方からはクラウドファウンディングを勧められたりもしました。
 個人的意見としては、どうも食指が動かないのです。
 僕の中の位置づけとしては助成金や企業協賛はパトロンで、クラウドファウンディングはご祝儀に位置します。
 芸人がネットを通じて祝儀をねだるのも若干気恥ずかしいというか、ね。
 無論ですが、これはあくまで個人の認識で、クラウドファンディングや、それを利用している方々を否定するものではありません。大いにやって頂きたいと思います。現に私もメセナの個人協賛はお願いしている立場ですし。

 長々書いてきましたが、マイペースにやっていきたいと思います。
 とりあえずね、弁士でここまでペーパーワークをもりもりやる人間もそういませんし。
 私なりに弁士の未来を切り開いているぞ、というご報告でした。


 本渡欧はアーツカウンシル東京の支援を受けて行われております。

アーツカウンシル2015


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