昨日、明日告知しますと言った件について書きます。
今日が終わるまで一時間も無いので、果たして「明日告知します」に間に合おうのか分かりませんが、「明日告知します」を実行するためにブログを書き始めたので、ギリギリセーフと致します。
さて、DVDが出ます。
私の説明が入っている。
倒置。
実を言うとDVD等のソフトに自分の説明を残すのはあまり乗り気ではありません。
理由はいくつかあります。まだそんな芸ではないだろうという意識、そもそも活弁は録音して聞くものではないという認識、そして自分が吹き込んだソフトが出ても「片岡の説明だから買おう」という人はそれほど多くないという事実、の三点が主な理由でしょうか。
いままで自分の説明を録音したソフトは2012年の「
チャップリン・ザ・ルーツ」だけです。
なんとびっくり、ハチネンマエ。
今でもちゃんと買えます。よければ買ってね。
とはいえですよ、そんな事も言ってられないのね。
やれることは全部やらないといけないと思うようになりましたのね。
そんな事を考えていた、およそ一年前、渋谷でムルナウの『都会の女』をやってくれ、ついてはDVDにするから録音もさせてくれという依頼が御座いました。
ムルナウですよ、あなた。
僕が最も愛する無声映画期の監督の一人がムルナウなのです。
初めてムルナウの『サンライズ』を見た時には、その美しさに打ち震えたのを覚えています。
映画の画質が美しかったのではありません。むしろ画質はあまり良くない16mm版でした。
けれど、『サンライズ』を見た直後に「これは、弁士、要らねぇや」と、この上もなく心地よい敗北感を感じたのです。
その後、意識的にムルナウの作品を見るようになり、果ては日本で見る機会のない『City Girl』のDVDをアメリカから輸入したりも致しました。その『City Girl』こそ、『都会の女』だったのですが、その時、アメリカから送られてきたDVDの画質の悪いのなんのといったらお話にならない。さすがに見る気を無くして、そのまま放置しておりました。
それから10年以上経って、まさか日本未発売の『都会の女』のDVD発売が計画されており、その説明をしてくれと頼まれるとは……。請けないわけにはいかない依頼でした。
しかも、内心心配していた画質も全く問題なく、僕が本当に見たかった『都会の女』がそこにはあったのです。
ただですね、好事魔多しと申します。
『都会の女』の収録も兼ねた上映会の日に僕は、魔に襲われます。
前日の夜から左目の視界が曇り始め、当日になると光は感じるものの何も見えず、さらに2日後には視界の半分以上が黒くなってしまったのです。僕の目は網膜剥離を起こしていたのですね。
そんな状況でやった説明なので思いもひとしお。
個人的には生涯の記憶に残るDVDになる1枚です。
そんな僕個人のトラブルはさておき、名称F・W・ムルナウの傑作『都会の女』が9月25日に発売されます。
再三申し上げておりますが、説明は私が担当、そして音楽は上屋安由美さんです。
ライブ録音、一発録りですので、いささかミスも御座いますが、それを上回る生の魅力が記録されております。
そして、なによりも『都会の女』という作品の見事さに唸ります。
麦畑のシーンだけで2500円の価値はあると断言致します。
弁士が嫌いなら音量をゼロにして見れば良いのです。
ですので、もう是非、ご購入を頂きたいので御座います。
Amazon、
楽天ブックス、
セブンネットで予約受付中。もちろん全国のDVDショップなどでもご注文、ご購入いただけます。

1930年/アメリカ/モノクロ/片面1層/89分/音声:日本語(弁士説明)/インタータイトル:英語(日本語字幕付き)/1枚組/特典:解説リーフレット(児玉美月)/発売元・販売元:Gucchi’s Free School + PHASE OUT INC./販売協力:TCエンタテインメント株式会社
児玉美月さんの解説も付いてくる、ソフトそのものが作品に対しての愛情に満ちた作りになっております。
くどいですが、是非お求めください。
しかもですよ、あなた。
25日の発売日前日に、よしもと有楽町シアターで『都会の女』が、DVDと同じく私の説明と、上屋さんの演奏で上映されます。
もし、買おうかどうしようか迷っている方は、24日に『都会の女』を見て頂きたい。
きっと欲しくなるから。
そんな訳で『都会の女』上映を含む、僕の今後の予定は下記の通りです。
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無声映画&活動写真弁士の楽しみ方講座vol.1日時/2020年9月10日20時~(リアルタイムでの視聴が出来ない方もアーカイブでご覧いただくことが可能です。)
出演/片岡一郎、
坂本頼光、
春日太一料金/2000円
視聴チケット販売/
キャスマーケットにて販売中●
活弁でGO! VoL.2日時/2020年9月24日 18時30分開場、19時開演
出演/立川直樹(プロデューサー・ディレクター)、片岡一郎、
上屋安由美(ピアノ)、吉本芸人のゲストあり
演目/都会の女、他
会場/
よしもと有楽町シアター料金/2500円
チケット販売/
チケットよしもと