僕は日本大学の芸術学部というところに通ってました。通称日芸です。小さい時から「変わった子」扱いを友達や先生にされてきた僕は、そのニチゲーに入るのを楽しみにしていたのです。何故かと言えば奇人変人の巣窟と評判のにちげーなら、僕如きは個性のない、普通の青年になれるに違いないと思ったからです。「片岡君って個性無いよね」みたいに言われる事を期待していたのです。

 結果はどうなったか?

 「片岡君って変わってるよね」とにちげいでも言われたのでした。ちゃんちゃん。

 それで今日なのですが、今日は我が師匠の澤登翠が日本大学芸術学部における日本映画史の特別講師として授業内で講演をする事になったのでお供をしてまいりました。

 講演をすることになった、とは言ってますが、この話を事実上まとめたのは僕なのです。日本映画史の田島先生はウチの師匠に講演を頼みたい気持ちは前々からおありだったのですが、謝礼が充分に出来ないというので二の足を踏んでらしたそうです。僕は田島先生とは仲良くさせて頂いておりますし、日頃のご恩返しにと金銭面も含め橋渡し役をさせて頂いたという次第。

 さて講義ですが、これが頗るつきに面白いものでした。というのも最初の15分程度は映画史の初歩的な内容であったものが、興が乗ってくるにつれチャンバラ映画における肉体の躍動の話になったり、西洋と東洋の建築様式の違いの話になったりで澤登ワールドが全開となってゆき、学生は時折煙に巻かれたみたいになってました。しかしながら学生に向けて話すからといって、全て学生が理解できるように話す必要もないのですね。むしろそれまで興味も知識も無かった無声映画に極めて大きな広がりがあることが理解できる分だけ、よく解らない話というものの効果は期待できるのではないかと思います。

 学生の皆さんの反応も面白いものでした。『新版大岡政談』の丹下左膳(大河内傳次郎)の写真を見て「ビジュアル系だね」という感想は我々には出ないものです。若き日の阪妻の映像を見て、まだ10代の女子学生が「格好良い」と言葉を漏らしていたのも印象的でした。

 こうした授業で学生みんなが無声映画と活弁に興味を持ってくれれば嬉しいのですが、そんな事はあり得ません。でも100人学生がいれば1人や2人は妙に食い付いてくる人が居るものです。それが大事なのです。

 ちなみにギャラはホントに安いのです。別に母校に文句を言ってるのでは断じてありません。そのギャラでも意気に感じ90分間たっぷりと語り『血煙高田馬場』『豪傑児雷也』等の実演も本息でやってくれる師匠がとても有難いと思った次第。
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