学士会館『ドクトル・マブゼ』

 恒例の神田学士会館公演でありまして、本日は『ドクトル・マブゼ』《第一部・大賭博士》の上映であります。データーは、一応書いておきましょう。


『ドクトル・マブゼ』第一部
1922年独作品
監督/フリッツ・ラング
脚色/テア・フォン・ハルボウ
出演/ルドルフ・クライン・ロッゲ
   ベルンハルト・ゲッケ
   ゲルトルード・ヴェルカー

説明/澤登翠
ギター/湯浅ジョウイチ
フルート/鈴木真紀子

でした。『ドクトル・マブゼ』は紀伊国屋からDVDも出ておりますので未見の方は観ていただきたい作品であります。何ていうのか、フリッツ・ラングは娯楽作家なのですな。朝日ホールでも何本か観ましたし『メトロポリス』やニーベルンゲン二部作は無声映画鑑賞会でも観ておりますが根本的にこの人の映画は楽しいのですね。犯罪、SF,ファンタジー、オリエンタル何でも御座れの作品作りは驚嘆に値するのではないかしらと思うのです。なので『メトロポリス』ラストにおける資本層と労働層の和解は当時の日本の評論家にすら失笑されてしまったりと、中々どうしてオチャメというか、その辺も娯楽作家らしさを見せていて高感度アップであります。

 現代の日本でラングファンが幸せだと思うのは先にも書きましたが紀伊国屋からクリティカル・エディションとして立て続けにハイクオリティなDVDが発売されている事が挙げられましょう。『メトロポリス』冒頭の金属の光沢の美しさときたら従来のビデオや16mmプリントで観てきた物とは雲泥の差があるのです。これを幸福と言わずして何を幸福と言うのか。若干お値段が高いのが困りものですが、値段相応の価値のあるDVDなんてやたらにあるモンぢゃ御座いません。今後も継続して頂きたいシリーズでありますので、私は財布をひっくり返してクリティカル・エディションを購入するのです。

 ん?前も書いた気がするね、この話。まあそれだけ貴重なシリーズだと言う事です。以前500円DVDが話題になったときにメーカーの思惑は別にしてDVDの適価の問題がクローズアップされた事があります。ユーザーは安くて良い物を望んでいる、しかし安すぎればメーカーは立ち行かない、安かろう悪かろうの製品が横行してえば市場そのものが将来的に冷え込んでしまう、といって各映画会社が出している正規版DVDは高すぎるのではないか、金儲けの事ばかりで映画を愛していないのではないか等々、様々な意見が出たのです。アタシも若干関わったのでそれなりに考えました。クラシック映画の場合、いわゆるパブリックドメイン、簡単に言ってしまえば権利切れの作品を取り扱うので適価が益々難しくなります。物凄い意見になるとパブリックドメインなんだから他人の商品だって好きに使っていいんだ、と言う理屈が出てきます。これね、実際あるらしいのよォ、某メーカーが市販の500円DVDをコピーして売っちゃったってパターンが。製品原価500円という脅威の安値でして、こんな事をすれば業界が冷え込んで潰れてしまうのは明らかなのです。その某メーカーは今も元気に活動中です。凄いやネ。

 余談でありましたね。とにかく適価というのは難しい問題を孕んでいるのです。で、そうした問題を侃侃諤諤していた時の着地点としてよく見られた意見が「価格破壊(500円)DVDが出てきてしまったのは仕方ない。しかしながら500円DVDは映像のクオリティも含め値段相応であるものが多い。ならば正規版メーカーは資料や映像特典などで魅力的な商品開発を目指すべきであろう」というものでした。

 パブリックドメインに正規版もへったくれも無いのですが、便宜的に使っている言葉です。

 さて、では市販DVDを見たときに、とくにパブリックドメインに属する作品で500円と4000円の値段差を納得させるDVDはどれくらいでているのでしょうか。残念ながら昔出したVHSマスターをそのまま転用、さもなくば一応デジタル処理をしました程度の商品が多いように思われます。勿論そうではない物もあります。『ローマの休日』は正規版(便宜的にね)を観た方がいいのです、絶対。ファンはそっちを買っていると思います。ただ、やはりそこまでクオリティの高いDVDはやっぱり少ないのが現状でしょう。その点紀伊国屋から出ているクリティカルエディションは高いけども納得できるクオリティだってことです。

 長々済みません。たったこれだけの事を話すのに随分

 ん?前も書いた気がするね、この話。まあそれだけ貴重なシリーズだと言う事です。以前500円DVDが話題になったときにメーカーの思惑は別にしてDVDの適価の問題がクローズアップされた事があります。ユーザーは安くて良い物を望んでいる、しかし安すぎればメーカーは立ち行かない、安かろう悪かろうの製品が横行してえば市場そのものが将来的に冷え込んでしまう、といって各映画会社が出している正規版DVDは高すぎるのではないか、金儲けの事ばかりで映画を愛していないのではないか等々、様々な意見が出たのです。アタシも若干関わったのでそれなりに考えました。クラシック映画の場合、いわゆるパブリックドメイン、簡単に言ってしまえば権利切れの作品を取り扱うので適価が益々難しくなります。物凄い意見になるとパブリックドメインなんだから他人の商品だって好きに使っていいんだ、と言う理屈が出てきます。これね、実際あるらしいのよォ、某メーカーが市販の500円DVDをコピーして売っちゃったってパターンが。製品原価500円という脅威の安値でして、こんな事をすれば業界が冷え込んで潰れてしまうのは明らかなのです。その某メーカーは今も元気に活動中です。凄いやネ。

 余談でありましたね。とにかく適価というのは難しい問題を孕んでいるのです。で、そうした問題を侃侃諤諤していた時の着地点としてよく見られた意見が「価格破壊(500円)DVDが出てきてしまったのは仕方ない。しかしながら500円DVDは映像のクオリティも含め値段相応であるものが多い。ならば正規版メーカーは資料や映像特典などで魅力的な商品開発を目指すべきであろう」というものでした。

 パブリックドメインに正規版もへったくれも無いのですが、便宜的に使っている言葉です。

 さて、では市販DVDを見たときに、とくにパブリックドメインに属する作品で500円と4000円の値段差を納得させるDVDはどれくらいでているのでしょうか。残念ながら昔出したVHSマスターをそのまま転用、さもなくば一応デジタル処理をしました程度の商品が多いように思われます。勿論そうではない物もあります。『ローマの休日』は正規版(便宜的にね)を観た方がいいのです、絶対。ファンはそっちを買っていると思います。ただ、やはりそこまでクオリティの高いDVDはやっぱり少ないのが現状でしょう。その点紀伊国屋から出ているクリティカルエディションは高いけども納得できるクオリティだってことです。

 長々済みません。たったこれだけの事を話すのに随分言葉を弄してしましました。しかしこの辺りの問題は整理しなおす必要は我々の業界で必要かなと思ったのでつい、ね。

 パブリックドメインの話もしたかったと言うのがありますが、今日のメインは映像のクオリティの問題でした。なぜ、おんな話になったかと言いますと『ドクトル・マブゼ』なのです。ね、ちゃんとマブゼに帰ってきますでしょ?学士会館で上映したのは16mmプリントです。このプリントと紀伊国屋から出ているマブゼのDVDをプロジェクターで映すのとではどちらが鮮明かというと、たぶんDVDなんです。これからの映画上映は色んな意味で難しくなってきます。フィルムか?DVDか?ブルーレイか?クラシック映画に関わっていると殊に映像のクオリティには興味が湧くのです。35㎜プリントで上映された映画に弁士として参加する楽しさ、嬉しさったら無いのです。我々は結局映像ありきなのだと思い知ると共に、鮮明な映像で上映出来、それを語ることが出来れば落語にも演劇にも今の映画にだって充分に対抗できる魅力を無声映画と活弁は持って居るのだと認識できるのです。

 美しい映像で語る快感、これは弁士や無声映画伴奏者でなければ解りますまい。どんな映画ファンでも解らんでしょう。逆に言えばこの幸せが解らない弁士や伴奏者は不幸と言えます。それ位気持ちが良いのです。奇麗な映像には若干フェティッシュな愛情を持つようになりますよ、こういう仕事をしていると。

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|06/21| 活弁コメント(0)TB(0)












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