本日付の夕刊フジ15面に載せていただきました。機会があったら見てやって下さいませ。この記事を書いてくれたのは、先頃二ツ目昇進を果たした志らく師匠のお弟子さんで立川志らべさんです。とてもお世話になっている方です。9月18日には紀伊国屋ホールで二ツ目昇進お披露目の会を、同時に昇進したらく次さん、らくB改メらく里さんとやるそうです。ご興味のある方は是非。

実写版デビルマン

 ついに観ました!あの『デビルマン』を!ずっと観たかったのです。小さな南の島だったら街ひとつ運営できてまだお釣りが来るという莫大な予算を注ぎ込んで制作して、それでいい評判を全く聞かないという大変にソソる映画なので御座いますよ。それをようやく観ました。いやもぉ、素敵なの素敵じゃないのって、もぉ。片想いが叶った様な充実感でした。

 パーヘクトな演技。
 
 エックセレントな脚本。

 ゴォヂャスなCG。

 ナイス!なカメラワーク。

 グンバツな監督。

 そしてそして1本しか観てないのに3本は観たような徒労感充実感。

 嗚呼、私は何度テレビの前で身悶えした事でしょう。『デビルマン』素敵過ぎました。クロアチアに行く前に『デビルマン』並ぶ傑作と評価の高い『鉄人28号』と『最終兵器彼女』も観ておきたいと思っています。

 この作品の監督はモーニング娘。の『ピンチランナー』も監督しているのだそうです。『ピンチランナー』に『デビルマン』何という華々しいキャリアでしょう。是非とも氏には日本のエド・ウッドとなるべく今後も活躍していただきたいと切に願う次第であります。ついでに言うと『デビルマン』の脚本は監督のカミサンだそうです。うわー。  何ゆえにこうした作品が生まれてしまうのか。これは一考の余地がありますね。近年日本映画が元気だと言います。これは日本の映画界に活気が出てきたと単純に言える事では実は無く、制作システムが変化した為だとも言えるのです。昔の映画は作品の最後にマルシー表示があって、その後に日活だとか東宝だとか入ってました。最近の映画はほとんど○○制作委員会と書いてあります。制作委員会ってのはその作品を作る為にお金を出し合った企業の集合体ですね。つまり、昔は映画は映画会社が全てのお金を用意していた(出していたではないです)のですが、現在では様々な企業がお金を出し合って映画を作るようになったと言う事です。インディーズや単館上映作品などを除いて、最近の映画はほぼ全て制作委員会システムで作られています。

 どうしてそういうシステムになったかというと、単純に映画会社が企業としての体力が無くなったってのもあります。でも映画ってヤツは当たるとデカイので参加したい企業はある。ならばそうした企業に出資してもらって、その代わり配給の利益やソフト化時の利益、関連グッズの売り上げ等、権利を分散するようになったのです。この方式は映画がコケた時に各企業の被る赤が少なくて済むというメリットがあります。という訳で映画業界は多額のお金が動くようになり、日本映画は活況を呈しているのです。

 ところがと言うか、当然と言うかデメリットも制作委員会制にはあります。幾つもの企業が制作に関わるということは、そうした幾つもの企業が「これは儲かりそうだ」と判断するような作品の企画がどうしても中心となってしまうのです。結果、ヒット漫画・小説が原作であるとか、超有名タレントが主演であるとかの作品ばかりになってしまう傾向があります。かくして『デビルマン』とか『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE 』みたいなのが巨額の予算で制作されて、少ない予算で映画を撮ってる人達は酒の席でひたすらグチり、無声映画に至っては上映すら予算が組まれなくなってしまうのですね。

 かつて黒澤明監督は自伝の中で「巨額の予算をきちんと使うには能力がいる」と主張されていますが、最近の失敗作とは正にそれでしょう。能力に余る予算と技術を完全に持て余してして、それが判っていながらもプロジェクトが巨大すぎるが故に監督やプロデューサーが降りられなくなってしまうのです。何十年も前に言われていることが現在に重く圧し掛かっているのです。

 今一つの問題として出資企業の映画に対する態度というのもあります。彼らは映画は事業ですから名作を作る必要は無いのです。儲かりさえすれば、ということは関連商品や主題歌のCDが売れれば映画がコケたって構わないのです。映画会社にも昔からそういう部分がありましたが、製作委員会システムはその傾向をより顕著なものとしたように見えます。

 いい映画を作ろうとしている人や企業が無いって言ってるんじゃないですよ。誤解の無きよう。

 ただこうした拝金主義的感覚は映画界を覆っているようです。以前テレビで紹介されていた洋画のバイヤーは作品の企画書の段階で億単位の上映権の契約をしてしうのだそうです。脚本もあがっていないような映画に対して巨額のお金が動くのです。そのバイヤー氏は契約の決めては直感と話していました。直感がある程度当たるから買い付けの仕事を任されているのでしょうが、やはり異常だと言わざるを得ないのではないかと思いました。

 それでも何でも映画に元気が出るのは良い事ですが、しかし現状のままでは決して小津監督のような人は世に出られない訳です。そういう事です。
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|07/11| もやもやコメント(2)TB(0)
【シネマ43】
映画秘宝という雑誌で毎年のベスト10、ワースト10を載せる号で「死んでほしい奴」というのをアンケートでのっけていたのですが、「デビルマン」のあと廃止になりました。
どうもシャレにならなくなったようです。
2007/08/27 18:57* URL* [ EDIT]
【かたおか】
ありゃりゃ、『映画悲報』誌は存じてますが、それは知りませんでした。この映画、シャレに出来ない人には殺してやりたいのど真ん中でしょうねぇ。私は駄目映画も好きなのですが、最近は巨額の予算を投じて造られる駄目映画が多いのが気になりますね。それはイカンだろうと。
2007/08/28 13:26* URL* [ EDIT]












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