
「有名塾」二度目の旗揚げ公演という位置づけの公演でした。今月4本目の舞台です。観劇は感激と同じ音なのは勿論偶然なのでしょうが、でもドラマティックという言葉には感激と観劇が内在している様な気がします。言語学的な細かい考察はヌキにして、です。演ずるものを見聞きする行為が連綿と続いているのは感激したいと多くの人が思っているからなのでしょうかね。
●『レッツ・ツイスト・アゲイン』
作・演出/原武昭彦
会場/アートスペース・プロット
下町ダニーローズで、というか最近はもっぱら句会でお付き合いさせて頂いている原武昭彦さん、入月謙一さんが出演しておりました。二度目の旗揚げというのは、かつて有名塾として旗揚げしたものの、その後色々あって…。ということらしいのです。なので今回、新たなメンバーでの二度目の旗揚げだったそうですが、中々今回もご苦労があった模様。原武さんはお笑いライブの世話役をやったりと若手育成にとても力を入れていて、毎回その辺にも感動してしまうのです。
物語は極めて分り易いもので、ショーパブのバックステージ物といった趣の作品。ショーパブなので随所にダンスやコントが入る仕掛け。それから営業時間外なのに歌が入ったりと盛り沢山なのであります。
原武さんは正に知る人ぞ知る、なごみ系怪優でありまして無闇矢鱈に面白い芝居をされる方なのです。あの空気はとてもじゃないが真似出来ない。ということは原武さんが作・演出のこの舞台に出演するのは小規模な公演ながら実は妙にハードルの高い公演に出演するという事になるのです。原武さんが用意したものをこなすべく若手の俳優さん達が七転八倒している様は舞台とは違ったドキュメントを感じさせるものでした。
特に笑いというのは反応がダイレクトに判るものです。逆に言えば笑わなかった時もまたダイレクトに判ってしまう。なので何とか笑いは取りたいが、原武さんの笑いはそう易々とトレースできる物ではない。でも笑いは取りたい。しかし原武さんの笑いは真似出来ない…。というスパイラルが生じる訳です。
となれば、この連鎖から抜ける為には原武さんの演出に応えつつも個性を打ち出してゆかねばならない。これがハードルが高いと言った理由ですね。
でもまぁ、考えてみれば笑いだけではなくて演技も他の表現も皆、極めてパーソナルな物なんだという事を改めて認識した公演でありました。
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