『血と霊』に捧ぐ

 さて二日目でやんす。

 ●活弁とピアノで魅せる「溝口健二のふたつの顔」 パルテノン多摩

 ・『血と霊』に捧ぐ 
  語り/澤登翠 ピアノ/柳下美恵 解説/佐相勉
 ・『瀧の白糸』NFC復元版(1933年)
  説明/澤登翠 ピアノ/柳下美恵

 『瀧の白糸』はモチのロンで名作です。個人的には『折鶴お千』の方が好きなのですが世間の評価はこっちが上であります。ましてや当時の批評を比べると月とすっぽんでして「折鶴」のけなされ様ときたらそりゃぁ非道いもんで、はい。しかし楽屋で佐相先生とお話をさせて頂いたのですが当時の批評というやつは注意して読まんとアカンのですよ。キネ旬は資料として貴重ですがチョイと自分の映画論に酔って書かれている批評も多く目にします。一歩引いて見てる分には楽しい読み物ですが鵜呑みにすると危ないのも事実。

 んで、目玉はどちらかといえば「『血と霊』に捧ぐ」でして、これはフィルムが消滅してしまった作品を原作、スチール、関連する美術家の絵画などをスライドで映しながら語りと音楽で映画に迫ろうという試み。袖から見ていましたが大層面白い企画でした。映画ファンではなく美術畑、演劇畑の人々に見てもらう方が良いかもしれない。

   この企画はロスト・フィルム・プロジェクトと題されて今後も活動を続ける模様です。失われた「無声映画」を語りと音楽で表現しようとする試みに嫌悪感を持つ御仁も居るでしょう。事実、そんな印象の文章も事前に目にしましたよ。しかしですな失われた作品が、何故今日にまで名を残しているのかを考えて見れば、それは言語によって伝達されてきたからに他ならない訳です。公開当時観た方の感想、あるいは雑誌等の批評で良かったの悪かったのどこそこのシーンが印象的だったのと書かれ、語られたが為に名作として駄作として伝えらている事実があります。「あの作品を語りと音楽で再現するなんて」と判断するそもそもの材料は言葉ではなかったか。我々はそう簡単に言語の呪縛から逃れられないのです。
 
 だからそんなに活弁と伴奏を嫌わんでもいいじゃないスか。ねえあなた。
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|01/28| 活弁コメント(0)TB(0)












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