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妖怪

 昨年末から一月中はあんまりにも仕事がない時間があったので読書に時間をかけることが出来たのでした。そこで『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『狂骨の夢』『鉄鼠の檻』と立て続けに読んだのです。少年時代、大の妖怪好きで現在は毎日のように古本屋をうろうろしている私にとって京極堂シリーズは禁断の作品であろうことは予想済みでありましたので今日まで手を出さなかったのですが、俗に言う魔が差したという奴で、ついに読んでしまったのでありました。
 
 しかしながら自分が好きなものの歴史を見ると恐竜、妖怪、無声映画とこの世ならざりしモノばかりで、そりゃあ友達が少ないに決まっているのです。同級生にしてみれば付き合い難い奴だったことでしょう。テレビもあんまり見なかったしねぇ。

 ちなみにタイトルの「何か妖怪?」は使い古された洒落ですが、言うウ人によって強烈なインパクトを放つ言葉なのです。以前水木しげる特集を何処かのテレビでやっていてゲストが三輪明宏、そこで三輪氏がおもむろに口走ったのが「何か妖怪?」だったのです。本物の妖怪が言うとそれはそれは魅力的な響きを持っておりましたっけ。  毎度の事ながら全て余談の文章です。
 
 さてさて、京極童シリーズの中核を成す妖怪ですが、彼らは頗る非常に魅力的な存在であります。なにしろこんなに生命力に溢れた存在はないのです。日本だけ考えても妖怪ブームは幾度と無くありました。水木しげる言うに及ばす、鳥山石燕、円山応挙の幽霊画、三好想山なんて人もおりました。そうした何度かのブームの中で妖怪は時代々々にあわせてその様態を変えているのです。時に神の没落した姿であり、時に未開の地の未知の生態系であり、あるいは人間の精神を説明するための道具であったりと。生活に暗闇が少なくなって妖怪の居場所が無くなってしまうのでは、と心配すれば軽やかに携帯電話やネットに棲家を移す手際なぞは驚嘆するばかりでありましょう。現代に生きていて実態としての妖怪を信じる人はほぼいないでしょう。少なくとも塗り壁や砂かけ婆が本当にいると思っている人は極めて特殊な思考の方です。では旧来の妖怪は滅びてしまうのか。否です。彼らは京極夏彦という作家を使って人間の脳の中に居場所を造ったのです。ここが凄い。どんなに頑張っても脳の中に住み着いてしまえば完全否定されることはないのですから。ワクワクしますねぇ、妖怪。彼等の生き残りにかける執念と戦略には感動を覚えます。

 現代人は妖怪から学ぶことがまだまだ沢山あるようです。
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|02/06| 読書コメント(0)TB(0)












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