無声映画鑑賞会 第600回
 無声映画鑑賞会も600回ですよ。思えば私が関わりだしたのってどれくらいだろうか?調べなきゃ分りませんが、んでもまあそれなりの年月が経っています。

 当日のプログラムはこちら

 『血煙高田の馬場』 松田春翠の活弁トーキー版
 『人生劇場』 説明/坂本頼光  音楽/カラード・モノトーン
 『御誂治郎吉格子』 説明/澤登翠  音楽/カラード・モノトーン

でゴザイマシタ。なんたって600回ですもの、この日を迎えるにあたっては色々ありましたよ。思わず遠い目になっちゃう位。ここに到るまでの基礎を作った大師匠春翠先生のご苦労というのは筆舌に尽くし難いものであったのでしょう。その歴史に敬意をどうしても抱いてしまう為、今日のオイラはいい子です。

 しかし、この日上映された『御誂治郎吉格子』は大変に美しい映像でした。ちょっと技術的な事を説明すると、今回のDVD上映に使用されたのはTalking Silentsシリーズでいずれ発売されるソフトと同様の物なのです。テレシネ原版は35㎜フィルムで、DVDマスターを制作するのに際して明るさなどの調整を行ったもの(のはず)です。

 フィルム(特に古い年代のもの)というのは極めて職人さんの熟練度によって現像の制度が違いますから、正直な話、これまでマツダ映画社で使用されてきた『御誂治郎吉格子』は若干画面が暗い等の難がありました。それを丁寧なテレシネでもってDVD化したという訳。

 厳密に言うとDVDの画質はフィルムに遠く及びません。多分8㎜と同程度の画質が得られるかどうかでしょう。早い話が16mmとDVDでは16mmの方が圧勝なのですね。それでもなお、この日のDVDの画質が優れていたという事はテレシネ技術の進歩を感じずにはいられないのです。細かく見ると肌の諧調が出てなかったりはしますが、それでもこれまで発売されてきたVHSと比べれば比較にもならん画質なのです。

 余談を重ねればブルーレイは16mmと同等の画質が得られるらしいです。という事は民生機で35㎜と同等の画質が再現できる日もそう遠くないという事です。

 そんな環境で制作されるDVDは無声映画のなにを担うのでしょうか?商品化は正しいのか?常にここから考えねばならない問題でもあります。映画を残すというのはどうするのが正しいのか。文化を残すというのは…。

 仕事柄、フィルム派の主張もデジタル派の主張も聞く機会がありますが、これは時代が決める事でしょう。そうした時代の中で無声映画鑑賞会も、変わったり変えなかったり攻めたり守ったりしなければナランという事です。本音を言えば第1回から付き合っている訳でもないので600回だからといって何という事は無かったりもします。それよりも601回の方が大事だし602回、603回、650回の方が大事なのです。続けていくというのは、多分そういう事なのだと思います。

 色々と考える600回でした。出られなかったことを恨んでなんかいないったら。
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|07/19| 活弁コメント(0)TB(0)












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