向島百花園での公園でアリマシタ。出演は三遊亭圓馬師匠、ついでに私。

 演目は私が『カリガリ博士』、圓馬師匠は『佐賀の夜櫻・鍋島猫騒動』でありまして、私の演目はもう何度も演っていて若干「グズグズ博士」になりかかっているのですが、圓馬師匠はネタおろしで長講、しかも蝋燭に囲まれて酸欠状態という軽いSMプレイ的な高座でありました。私はソデから(というか壁一枚隔てて)拝聴致しました。こういう素敵な師匠とご一緒させて頂くのは光栄であります。感謝々々。

 何でも向島百花園では明治から大正にかけて文人墨客による怪談百物語の会がしばしば行われていたのだとか。その縁もあってのこの会が今年で4回目の開催となり、私は初出演でした。一晩に怪談を二席づつですから、この会が百物語を達成するのは約半世紀後になります。生きている自信のない方は化けて出席を願いたいものです。

 ちなみにこの日の『佐賀の夜櫻・鍋島猫騒動』は「このあとどうなるんだろう?」みたいな所で終わってしまったのですが、これは芸能の世界ではちっとも珍しくないんですね。講談なんかを聴きにいけば、そんな演目ばっかりの時も多々ありますし活動写真にも連続活劇というジャンルがあります。

 電車のレールに美人の女性が縛り付けられている。彼方から黒煙を発して驀進する列車が近づいて来る。美女を助けんと馬で疾駆する青年。しかし列車のスピードは馬より早い。美女、絶体絶命!「助けて!」みたいな台詞を叫んでいるに違いない(無声なので)美女のアップ。嗚呼、この美女は助かるのか?と手に汗握った瞬間、画面いっぱいに「To be continued」と出る訳です。これが連続活劇のスタイル。

 それで次の回を見に行くと美女は何故か青年に抱きしめられていたりとかしてね。

 連続物なんてそんなモノです。あんまり難しく考えずに気軽に楽しむのが吉でありましょうなぁ。

 しかし続きが気になる、なんというのは人間位なものでしょうね、やっぱり。あんまり猫がいい夢を見ている途中で起こされて怒った、という話も聞きませんし。先を予想する力=想像力は良い事ばかりではありませんが、といって一度知ってしまったら決して抜け出すことの出来ない甘美な能力です。私の想像力はもっぱらネガチブな方向に特化しておりまして「地球はもう限界にきている」的なドキュメントが大好きなのも、その辺をビンビン刺激してくれるからでなのだと今気付いた次第。

 そういった私ですので恐怖を感じる想像力は大変に自信が御座います。想像力があるのでホラー映画は基本的に観ません。「あんなの作り物だよ」とか「怖いのが面白いんじゃん」とか言う奴は想像力が足りてないのです。

 怖いのが面白い訳あるかァ!怖いものは怖いんだよう…

 そんなヘタレ想像力旺盛な私でも無声映画時代の怪奇映画は楽しく観ることが出来ます。全国の怖いもの嫌いなお友達、無声映画を御覧なさい。そして最近のホラー映画を観て「怖いのが面白いんじゃん」とか言ってる不感症共にしたり顔で言ってやるのです。「え?『カリガリ博士』観てないの?『吸血鬼ノスフェラトゥ』観てないの?駄目だよホラー映画のルーツをちゃんと知っておかなきゃ。君とホラーについて語るならその後だね」って。

 それを観たらどうすればいいか。お答えしましょう。「何?圓馬師匠の『佐賀の夜櫻・鍋島猫騒動』を聴いてないの?駄目だよJホラーのルーツをちゃんと知っておかなきゃ。君とホラーについて語るならその後だね」って。

 その手で逃げ続ければ良いんです。逃げてるうちに地球は滅びるでしょう。

化けて出た圓馬師匠と私
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|08/16| 活弁コメント(0)TB(0)












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