江戸バレ句
 
平成二年・集英社・渡辺信一郎/著

 バレ句、いわゆる艶な川柳ですね。昔から興味のある分野でありました。ただ古川柳を現代人の我々が解説なしで楽しむのは中々に骨が折れる作業ですので、いかに親切な注釈が付いているかが新書や文庫で出版される際の重要な要素になってくるのです。で、手が出なかった。さほど多くの川柳に触れたことがある訳ではありませんが、本書は末摘花等からの紹介も多く、それなりに楽しめました。

 江戸のバレ句を読んでいて驚くのが意外や露骨な単語や表現が多いのです。アタクシは本書を電車の中で読んでいたのですが、もし朗読をしてしまったら気狂いと思われるに相違ありません。しかし声に出さなければ表紙を丸見えにして読んでいても、満員電車で隣の人から見られても私は真面目な文学青年としか映らない事でありましょう。声に出して読みたくない日本語、ちゅうやつですなこれは。にしても、チン○とかマン○とかは江戸時代から在る言葉なんですね。ということは、これらの言葉は対象の本質を簡素に突いてるのでしょう。奥が深いなぁ。

 本書で紹介されたバレ句で好きなのが『誹風柳多留』115篇29丁に収録されている

   おめでたく 死にますといふ 姫初め

という句です。もっと穿った、読みの深い句も沢山あるのですが、この単純素朴な洒落が好みなのであります。

 読み込んでいけば、どんどん奥が深くなってゆき、馴染むほどに楽しさが増す。しかし、とっつきは悪い為に初心者には適切な解説が必要である。無声映画とおんなじです。ま、無理に自分のフィールドに話を引き込む必要もないのですが。
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|02/15| 読書コメント(0)TB(0)












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