久しぶりに活弁の事を書くような気がします。本来は僅かであっても活弁の話題をネット上に上げるためにこのブログだって始めた筈なのですが、活弁界が呆れ帰るような下らない事ばかり起こる以前よりも認知度が高くなってきたので、もういいかなと思ったりもするのです。

 それはそれとして行って参りました。神楽坂毘沙門天。今回のイベント概要はコチラ


『血煙高田の馬場』(昭和12年・日活京都)
 弁士/井上陽一
 音楽/活動写真和洋合奏団

 監督/マキノ正博、稲垣浩
 主演/阪東妻三郎

バンツマこと阪東妻三郎の安兵衛がスクリーンに甦る!神楽坂、三年坂を駆け抜けた呑兵衛
安にちなみ、ワインや酒類におつまみ、茶菓で楽しみながらのタイムトリップ。上映後、出演者との交流あり。乞う、ご期待!!
●開催日:2009年3月4日(水) 16:00∼/19:00∼(開場は各30分前)
●開催場所:毘沙門天善国寺書院



 アタクシが行ったのは夜の部でした。

 良かった。

 前も言いましたけどね、お金取れる弁士はウチの師匠・澤登翠と井上陽一先生なんですよ。この2人の活弁は芸なんですよ。この2人を聞き比べると全く芸風が違うんです。これが同じ芸かと思う位、芸風が違うんです。無声映画という前提がなければ、澤登・井上が同業者だとは思わないでしょう。でも2人とも紛う事なき活動写真弁士なのです。

 この2人の芸を飲み込んでしまえる活弁て芸は凄いなぁと思うのです。俺もその内の1人ではあるけれど。


 にしても井上先生の芸はカッコいいなぁ、凄いなぁ。そのカッコよさ、凄さの理由はブレないという事なのだと思うのです。芸にポリシーがあるっていうかね。楽屋で話すとめっちゃアレなおっちゃんだけどね。酒と女が大好きでね。東京者(ワタシ)を苛めるのが大好きでさ、「今度あんたの前説やったげるわ」とか言うのよ。嫌じゃ、そんなん。やり辛いわい。

 ちっともカッコよさ、凄さを描写してませんね。

 でも井上先生の芸は良いのです。いや人柄も大好きですが。やっぱり芸あってこそです。井上先生の芸に触れると活弁とは声優やナレーションではないのだと、活弁以外の何物でもないのだと思い出させてくれます。

 ウチの師匠だってそうなんだけどね。←これフォローで言ってるんではないんです。ここまで書かないと誤解する人がいるんです。困ったものです。

 それはそれとして、最近は「○○に活弁して下さい」みたいな仕事も多いです。あと「○○に活弁つけたら面白そう」みたいな仕事も。それはそれでありがたいのです。私以外の弁士だって色々やってます。良い事だと思うのです。

 でも!

 でも、やっぱり活動写真弁士の本分は活動写真を弁ずる事にあるのです。それが基本で究極なのですよ。

 ワタシはブレているのです。分かっていて飲み込んだ毒がゆっくりと全身を駆け巡っているのです。だからブレていない井上先生に強烈な憧れを持ってしまうのです。ああ、神田伯龍先生にも同様の憧れを感じていましたっけ。

 ブレない人たちは素晴らしいです。でも現代社会では使い辛いです。だから仕事が多い訳ではありません。でも眩しい。こういう芸人、まだ居るんです。でもあと20年もしたら絶滅してしまうんでしょう。私はなれないでしょうし。でもね、汎用性が高い人ばかりが喜ばれる社会は、どこか気持ち悪いです。ましてやそれが芸人・職人となればなおさらです。

 鳩山君もさ郵便局のビルなんざどうでもいいんだよ。「お金で買えないものが文化だ」とか言うんなら、こういう人たちを守れよ。それが文化だろうに。手前の親父は弁士塚に一筆添えてるじゃないか。当節の政治家は芸術だの文化を分かんないね。野暮なんだね。

 また私の悪い癖がゾロ出始めたので抑えますがね。でも誰か、心ある人は澤登・井上二人会を企画して下さいな。もちろん生演奏でさ。それが文化というものです。ねぇアナタ?

 てか井上先生に弟子入りする関西の男子は居ないものか…。

 この公演、あえて知り合いの声優陣には声掛けませんでした。分かんねぇだろうなってのと、井上先生にいきなり感動する奴は声優として明らかに・・・なので。
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