湯浅ジョウイチさんによるヨーロッパ現地レポート最終回です。
 ベルリン公演はこれまた大好評だったようで御座いますよ。
 これだけ各地で好評のモノを、どうして本家の日本ではもっと上手く利用しないのかっちゅう話ですよ。
 ウカウカしていると、海外に文化として持っていかれちまいますぜ。それで後になって「ああしまった、日本の大切な文化が」って事になるのがこの国の常でござんしょう。そんな事にならねぇようにしたいものですね。
 

‎12/3 昨日更新しようと思ったらホテルのネット使用制限時間を超えていたので今日まとめて。

昨日はベルリン日独センターでの公演。なんと幕の内弁当が用意されていた!ここベルリンには「DARUMA」という、日本の方が経営している食堂があって、ラーメン、カレー、ちらしずしの類までほぼ全部揃っている。しかも美味しくて安い!そのうえ私の胃腸を気遣ってお粥まで用意してくださるキメの細かさが素晴らしい。懐かしい味で元気を取り戻して公演に挑んだ。

「子宝騒動」はこちらでも大うけで、ギャグは国籍を問わないもんだと再認識。でも一方でこの映画の中で子豚が追いかけられたり放り投げられたりするシーンは可哀想だという意見もあった。動物愛護の意識が強い現代ならではだと思う。
... 「折り鶴お千」はローマ、パリ共に嗚咽が漏れ聞こえるほどの反応だったが、ベルリンでは公演中は静かだった。これは反応が悪いのかな?と思いきや、終演後に明るくなってみれば目頭を押さえる人がチラホラ。ベルリンの人は声を出さないらしい。

明けて今日は最終日。「DARUMA」で皆さんはちらしずし、私はうどんを食べた後、旧東ベルリン区域にあり1929年創業のサイレント専門映画館、バビロン劇場でのパフォーマンス。なんと創業時からある伴奏用のオルガンを弾かせていただけた。様々なSEも出るようになっていて、一つ一つの音がとても精巧にできている。風の音や海の音、サイレン等々パイプオルガンのスイッチよりも細かく配された伴奏システムはすべてアナログで、壁の向こうでその音に見立てた物が実際になる仕組み。しかしとてもリアルで、ぜーんぶ一人でこなせてしまう。なるほど日本の和様楽団とは伴奏音楽の方法が違うのもうなずける。エレクトーンを弾ける人なら覚えれば(とはいってもスイッチの量が膨大だけど)何とかなるかもしれない。ヒトラーの時代には、実はスクリーンの裏にユダヤの人々をかくまう隠し部屋があって、ナチ党員たちが見ているスクリーンを裏側でユダヤの人たちも観ていたという。そんなに歴史のある劇場で公演させていただくとは本当に光栄だ。

こちらは「折り鶴お千」の1本だけ。昨日とはアプローチを変えてアドリブパートも増やした。師匠の語りもノリに乗って熱演となった。
終演後わずかな時間ながらお客様とのディスカッションが設けられたのだけど、バビロン劇場では音楽に対しても高い評価を頂いたのが非常にうれしかった。日本式のやり方では音量的には常に押さえて弁士の前に立たず、脇に回るのがご常道なので、正直なところ苦労する割には評価されにくい部分がある。白状すると、過去それが理由でこの仕事に悲観的になってしまったこともある。それだけにこういう評価を頂けるととても嬉しいし励みにもなる。

全ての日程が終わり明日はいよいよ帰国の途に就く。ローマでお世話になった松永館長、阿部さん、ローマ日本文化会館の皆さん、ナントでお世話になった沼口さん、バロンさん、レアさん、小山内さん、フィルムセンターの赤崎さん、ナント三大陸映画祭の実行委員の皆さん、ホール Le Grand Tのスタッフの皆さん、パリでお世話になったファブリスさん、竹下さん、都さん、畑野さん、パリ日本文化会館の皆さん、ベルリンでお世話になった清水さん、河内さん、桐月さん、ベルリン日独センターの皆さん、バビロン劇場の皆さん。
そしてこの欧州公演を実現までこぎつけて下さった国際交流基金の望月さん、田村さん。本当に本当にありがとうございました。我々がここに来るまで数えきれないほど多くの人たちの尽力があって実現したことを忘れません。

1年余り前、ひょっとしたら…という程度で何となく持ち上がったこの公演の話。次第に具体化していき、公演地も増えて半月にわたって行うことになった。今こうしてベルリンの一室で文章を打っている事が夢のよう。外では土曜日の夜を楽しむ夜更かしのベルリンっ子達のにぎやかな声が聞こえる。ベルリンでは電車もバスも24時間なので、帰りの心配をする必要は無い。すぐ近くにはライブハウスと劇場もある。彼らはきっと明け方まで飲んで騒ぎ続けるだろう。そして彼らが疲れて寝静まった頃、我々はテーゲル空港へ向かう。個人的に心残りなのは、最終地ベルリンで胃腸を壊してほぼ1日寝込んだことと名物が食べられなかったこと…くらいかな?いまでもまだ復調はしていなくてあまり食べられない。
でもそんな状態なのに今一番食べたいのは…後楽園の味噌ラーメンだったりする。

でもその前に難関がある。帰りはテーゲル空港からフランスのドゴール空港でトランジットして成田へ向かうのだけれど、出国審査もさることながらトランジットの場所が遠い。何事も起こらないことを願うばかり…。特に師匠は荷物が増える一方で、我々は手いっぱいで手伝うことなどできないというのにどうするつもりなんだろう。
では、この続きは帰国後に。

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