マリオの自由研究

 パントマイムは芸能としては非常に好きな部類に入ります。無言による身体芸としての原始性と年月を経た洗練度が不協和音を出さずに一体となっている稀有な芸がパントマイムであろうかと思います。では私がパントマイムを好きな理由がそうした部分にあるのかといえば全くそんな事はなく、むしろ上記のパントマイム感は今書きながら思いついた種類のものであるので、好きにどのように理由を付けるかという思考の中身を吐き出したに過ぎないのでありますよ。

 んでまぁ、パントマイムの公演だったのです。マリオというパントマイムサークルがありまして、最初はただの勉強会だったのがいつの間にやらNPO認可をうけて各所で芸を披露するようになっているようで、全く持って健全な発展を遂げている団体です。ワタクシはこのマリオを初期から拝見しておりまして、技術もさることながらステージ演出が試行錯誤を繰り返しながら練れて行く過程を見ているのです。進行面では不慣れな部分も多々あるのですが、それが段々と個性になってきているあたり、継続は力だと改めて感じたりなんかしたのです。

 このマリオには知人が二人居ます。一人はガッコの時の友達で藤平賢で、もう一人はその藤平から紹介してもらった田口英明さんです。彼らのパントマイムとウチの師匠の活弁でチャップリンの『モダン・タイムス』をモチーフにしたショートステージをやったことがあるのですが、ありゃ客が来なかった。無声映画の客は映画以外のイベントには冷たいです、ホントに。都合2回の稽古で迎えた本番は悪くないで出来だったのですがね。もう少しちゃんとやって見たい企画ではあります。

 さて、藤平賢ですが、まず一発で名前を読んでもらえる事はありません。なにしろこの字でトウヘイマサルと読むのですからまず無理です。彼もこれまではチラシ等にカタカナ表記でトウヘイマサルとしてきたのを今回は漢字表記にしておりました。何やら心境の変化でもあったんでしょう。といっても大した変化じゃあ無いに決まってますけれども。彼のこの日の舞台は自分の内面にダイブしてしまう薄暗い演目で、他のメンバーが分り易いマイムを見せているのに比べて圧倒的に意味が分らんと客席から大不評、さらに田口さんはマイムの舞台なのに喋る役で出演という素敵なズレっぷりで、アタシの仲良くしてる人はどうしてこうも逸脱した人ばかりなのだろうと物思いにふけってしまう夜だったのでした。

 以下、極私的な思い出話です。

   この藤平賢と講談の一龍斎貞橘とがアタクシの大学時代の数少ない友達でした。いや、厳密にはもう少しいました、もう少しだけ。まぁいいや、で、彼らと私は日本大学芸術学部文化部連盟ミュージカル研究会なる正式名称が異様に長いサークルに所属していて、そのミュージカル研究会で上手いこと共同作業の輪に溶け込めない三人だったのです。実際は三人ともそこそこ器用ですから溶け込む努力をしさえすれば輪の中に入って行くことは十分可能だったのですが、人間ドロップアウトを宣言してしまうと、その方が楽なんですね。結果、溶け込めない三人は溶け込まない三人になってしまったと、こういう訳です。こうした独立愚連隊は真面目に健やかにサークル運営をしたい面々にとっては非常に煩わしい存在だったことでしょう。特に後輩にしてみれば困った先輩であったことは想像に難くありません。彼らに対して悪かったなあと思わないでもないのです。

 ま、いいや。マリオ頑張れ、藤平賢ソコソコ頑張れ。
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