週に一度の本領発揮。
 Silent Ozuの日ですよ。
 今日の作品は『淑女と髭』でした。英語題は『Lady and the Beard』といいます。マンマか、そのマンマか、とやや突っ込みを入れたくなりますが、じゃあ何なら良いんだと言われても思いつきません。

 主演はかの岡田時彦であります。余談ですが数年前にミシガン大学には岡田時彦の御息女でいらっしゃる岡田茉莉子さん、そして旦那様でいらっしゃる吉田喜重監督がいらっしゃった事があるのです。校内でも何カ所かでお二人のサイン入りポスターが貼ってあります。ミシガン大学にとってもお二人を迎えるのは重大事だったのが分かりますね。

 僕のサインですか?契約書以外は特に求められてませんよ、ええ。
 
 私にとって『淑女と髭』は今回初演でありまして、おまけに笑いの要素も多い作品ですので、ウケなかったらどうしようと内心かなりビクついておりました。ダレた空気ってきついですからねぇ。

 それから今回の音楽は生演奏ではないのもポイントでした。では既存の音楽をそのまま流すだけかというと、それも違ってなんとDJとのコラボ上映なのでした。しかもDJは私が先日出演させて頂いてヘドモドしている様子を世界中にばらまいた番組のDJでもあるarwulf arwulf氏です。arwulfが二回続くのはコピペミスじゃありません。そういう名前なんです。頭文字が大文字じゃないのもタイプミスじゃありません。そういう名前なんです。

 私は無声映画の上映には弁士はつかなくても良いけど、音楽は生演奏で上映すべきだと思っています。少なくとも弁士を付けるための経費を浮かすために生演奏を何となく選曲されたありもの音楽でやるのは良くないと思っています。なぜならば無声映画は今後、生ものとして上映していくしか新しい観客を獲得するのは難しいと判断しているからです。ではDJはどうかというと、なかなか面白いなと感じましたね。作品ごとにゼロから音楽を選んで、上映中は演者のフィーリングで音をコントロールしていくやり方には、一定以上の可能性を感じました。arwulf arwulfさんは『淑女と髭』のモダンな雰囲気に着目して、レトロアメリカな音源から選曲して下さいました。
 選曲という作業は場合によっては生演奏よりも、もっと柔軟な判断と豊富な音楽知識が求められるのだなあと感じた次第。ちなみにarwulf arwulfさんがDJをされているラジオ番組は「余所ではかけない音楽をかける」がコンセプトで動物の唸り声とか、赤ん坊の泣き声とか、東南アジアの民族音楽とか、弁士の声とか、そういうものが流れています。

 心配だった笑いの部分も良く笑って頂きました。一番ウケたのはリンカーンの肖像画が出てくる瞬間です。まさに爆笑と表現するほかないウケ方で。ドォーンと笑いが起きて、次の瞬間に拍手。まさかアメリカの映画好き日本好きの皆さんも1931年の小津作品にギャグでリンカーンが使われるとは思っていなかったのでしょう。そりゃもう凄い反応でした。面白いと思ったら素直に笑ってくれるアメリカ人、大好き。

リンカーン
『淑女と髭』を未見の方は、この顔でアメリカ人が爆笑した場面を探す為にご覧ください。

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|10/05| 活弁コメント(0)TB(0)












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