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 ミシガン大学でのSilent Ozuもなんと折り返し点を過ぎてしまいました。
 毎週一回小津作品の説明はなかなかの重労働でありまして、はっと気づくと一週間が過ぎているといった塩梅であります。名作を毎週なんて弁士としては本当にありがたい状態で、これを上回るには無声映画時代のように毎日上映しかないんではないかと思う次第です。

 無声映画時代でなくてもありましたけどね。東京キネマ倶楽部という場所が。現在、僕と同程度のキャリアを持つ弁士のほとんどがあそこに複雑な思い出を持っているでしょう。僕もありますですよ、フクザツな思いが。

 ありました、と書きましたが東京キネマ倶楽部はまだ存在しています。あの空間はもともとバブル全盛に大層流行った九段度キャバレーで、不景気と共に空き空間になってしまっていたんですね。そこを再稼働させるために無声映画の常設館、もっというとシアターレストランを作ろうという驚天動地の企画が立ち上がったのが10ン年前。一応は華々しくスタートしたものの、あっという間に閑古鳥。僕は映写技師として働いていたので多少スタッフ会議みたいなのを見てるんですが、まあどうして客が来ないかの責任を各セクションの担当者がお互いに……ね。
 
 今にして思えばロクな弁士が居なかったんですわね。オーディションの急ごしらえの弁士が毎日出てたってお客さんが来るはずがない。来たってリピートするはずがない。今ならもう少しマシな興行が打てるかもしれません。いや、変わんないか。

 ちなみに東京キネマ倶楽部で使っていた16mm映写機(今もあるんじゃないかしら)はコマ数調整も出来るなかなかの良い機体でした。サイレントスピードで上映した事なかったけど。

 なにが言いたいかというと小さな空間で良いから連日無声映画が上映される劇場が都内にあったら素敵だな、という事ですね。

 そんな回想に耽っておりますが、さて今日は二本立て。しかも小津とチャップリン。こんな豪華な二本立てはそうそう御座いませんぜ。上映作品は『突貫小僧』と『The Kid』です。
 『突貫小僧』は長らく失われてしまったと考えられていましたが、近年発掘され我々が見る事が可能になった作品です。近年たってそれなりに前だけど。余談ですが僕は突貫小僧こと青木富夫さんには会った事が御座います。会ったというか、青木さんと会っている師匠の傍にいただけですが。とにかくこの頃のAnn Arborにおける突貫小僧の任期は大したもので、今日も「あの子が主演の映画だから見に来た」なんて方も居るくらい。音楽はChris McNamaraさんの電子音楽でした。電子音楽と『突貫小僧』の組み合わせは滅多にないでしょうから、実に貴重な場でした。なんというか突貫な雰囲気と言うか。

 もう一方の『The Kid』はフィルムに焼き込まれたチャップリン作曲の音楽と共に上映です。今ではチャップリンの後期長編作品は権利がはっきりしましたので、上映には正式な手続き方が御座いますが、東京キネマ倶楽部時代はその辺が世界的に曖昧であっちこっちでチャップリンが上映されていたものです。その時期に師匠の説明とカラード・モノトーンさんの音楽で見た『街の灯』は忘れらぬ名演として僕の心に刻まれておりますが、その後は権利がはっきりした事でマツダ映画社所蔵の16mmでは上映が出来なくなり、近頃はトンと澤登の説明でチャップリンを見る機会が無くなったのであります。そんなこんなで、実は私、チャップリンの短編は結構させて頂いてますが、長編とくると丸っきりで、ましてや『キッド』『街の灯』『黄金狂時代』あたりの代表作は神々しくて手も出せない状況でした。それが今夜、説明させて頂けるのですからミシガン大学様々です。

 小津も良いけど、チャップリンもやっぱり素晴らしい。
 見に来てくれた小学一年生の女の子が笑ったり泣いたりしながら見てくれたそうなので言うこと無しですね。

 チャップリンの長編作品、たまには演りたいなぁ……。
 チャップリンには言葉は不要、は正しいのですが、言葉があった方が子供は楽しめるんじゃないかと。小学一年生には少し言葉で補助してあげてチャップリンの長編を見せる事はとても良い事だと思った夜で御座いましたよ。
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