本日は移動日で御座います。
 ザグレブからリエカまで車で移動。ホテルを出て、コンテンポラリーアートミュージアムに寄ってフィルムを車に乗っけて高速でリエカまで。
 こういうの良いですね。フィルムを積んだ車で移動っていうのが良いですね。巡業隊みたいですね。

 弁士の巡業隊は無声映画初期と、無声映画が作られなくなったトーキー初期の都合二回流行しています。無声映画期の代表的な弁士と言えば他でもない駒田好洋でありますね。「頗る非常大博士」と自らを号し誇張でなく全国津々浦々までフィルムを携えて駆け回った駒田先生の活動によって映画館が立てられない山間部までも映画が知られ、また江戸川乱歩や伊丹万作といった後に日本文化史に大きな足跡を残す人々に強烈な印象を残した大先達は近年再評価がなされていますが、もっともっと注目されていい人物です。
 そしてトーキー初期には映画館で上映されなくなった無声映画のフィルムを携えてかつての一流弁士があちこちを回ったのです。これもまたあまり語られることのない映画史の一側面です。日本映画の歴史で名前だけは頻繁に聞く名作佳作が最後に人前で上映されたのは、この巡回上映だった事も少なくないようです。それは例えば『新版大岡政談』であったり『照る日曇る日』であったり『浪人街』であったり。また弁士も伍東宏郎や里見義郎といった関西で名を馳せた方々が名調子を聞かせたそうです。おっとイケナイ、わが大師匠の二代目松田春翠もその一人。

 そりゃ綺麗な劇場で満員のお客様を相手に演る方が条件は良いに決まってます。でも同時にこうした巡業に対して得も言われぬ憧れや魅力を感じるのもまた事実。だから何となくフィルムと旅をするのは嬉しいのです。DVDと旅は良くしてますが、やっぱりこういうのはフィルム缶の存在感が大事ね。

 ザグレブからリエカまでは車で約二時間。
 山道を越えて、トンネルを抜けると突然出現する町がリエカです。この町は『魔女の宅急便』のモデルの一部になったとも言われているそうですが、調べてみると「ここがモデルなんじゃないか」と言われている町の多い事ったら。つまり、これらのヨーロッパ的な雰囲気を見事にミックスしたのが『魔女の宅急便』なんだなと思いますね。事実歩いてみると、何となくジブリっぽいような気がするんですわ。

 リエカに来るのは僕も初めて。こんな町まで来る日本人なんているんかいな、と思っておりましたら観光シーズンには結構来るみたいです。なぜって町の人達がカタコトの日本語を話すんですよ。ザグレブより日本語を聞く機会が多かったくらいでね。

「どうぞ」
「ありがとう」
「ちょっとまって」

 極め付きはイタリアレストランで店員さんが魚を出しながら

「スズキ」

これにはちょいとびっくり。ここのイタリアレストランも魚が美味かった。美味かったけど料理が出てくるのが猛烈に遅いです。店にはおおよそ二時間滞在しましたが、一時間半は待ち時間といった具合。店員もイタリア人だったしね。

 夜はご一緒したMartin Arnoldさん製作の実験映画をART KINO CROATIAにて拝見。ここが明日の会場でもあります。あのねこの劇場が実に良いんですよ。雰囲気があってね、なにより映画愛に満ち溢れている。こんな会場で説明をさせて頂けるなんざ有難ぇったら。

通路
劇場通路

 通路の壁が素敵なんですよ。

色んな映画
映画貼り混ぜ

女優
女優さんがた

ディズニー
でずにー

ヒッチ
二階にはヒッチ

チャップリンとキートン
当然の様にチャップリンとキートンもいます


 場内も素敵なんですわ。

場内 客席
客席 二階席もあります

マイブリッジ 引き
場内の壁には……

マイブリッジ 寄り
これぞ映画史に対する敬意

スクリーン&ピアノ
ピアノも御座います(常設かどうかは未確認)

KINO 正面
劇場を正面から

KINO ななめ
劇場を斜めから

 ザグレブでは見かけなかったパンフレットも御座いました。今年の目玉は『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』だというのが伺えます。

リエカ パンフ1
リエカ パンフ

そしてMartin Arnold氏の作品は実にどうも愉快な代物でして、パンフレットに印刷されているシルエットから愉快さというかマズさがお分かり頂けるんではないかと思います。

リエカ パンフ2
手が、手が……


 上映が終わったら皆でカフェに行って、ワイン飲んで、ぷらぷら歩いてホテルに戻って。現在のクロアチアはとても治安の良い国です。
 にしても飲んでばっかりいるな、俺。

 明日は再び本番ですぞ。
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