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 昨年の11月に亡くなっていた事、今更知りました。
 氏の出世作である『AV女優』を読んだのは8年程前だったと思います。なぜ手を伸ばしたのかは憶えていません。でも読後の何とも言えない感動は記憶しています。一度会ってみたい、そんな風にぼんやりと思っていた方でした。
 AV女優、風俗業界の人々と多くかかわってきた永沢さんは『AV女優』の巻末インタビューのなかで語っています。
   「(少なくともそういうところに“落ちてきた”なんて       感覚はないわけですよ。なのに、AVに出てダメになった女の    子たちを私はこんなに暖かく見守ってるんですよ、みないな調    子で書いてる記事がやっぱり少なくない。なんだあ、これ、と    思う」
   「人間が落ちるのを書くルポってあるじゃないですか。(中略)   そういうのって、あまり好きじゃない」
 彼等彼女等が「落ちた」のかどうか、それは解りません。しかし永沢さんはインタビューした相手を「落さず」に描ける力をもった書き手だったのは間違いありません。実際、対象を貶したり落したりすることがルポや批評における鋭い視線であると勘違いしている書き手、凄く多いのです。そこまでいかなくても感想を発表する時に、褒めるだけではいけないと誤認してしる文章や会話を目にし耳にする機会は少なくありません。当然、そうして無理矢理ひねり出された「落す」言葉は文章のスパイスになるだけの香りはもたず、逆に書き手の人格や見識を疑わせるような効果しか発揮しなかったりする訳です。
 今改めて永沢さんの本を読み返してみると、当時自分が何に感動したのかが分ります。それは落としも見上げもしない目線でした。向かい合った人を受け止める姿勢でした。

 受け止める。

 簡単な言葉ですが、ムツカシイ。けれどもしなければならない事なのでしょう。モノ書きも芸人の人を語るのが仕事ですから。
 とてもとても影響を受けた方です。未読でしたら是非。
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|01/13| 読書コメント(0)TB(0)












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