LPレコードの逆襲

『LPレコードの逆襲 CDは音楽の楽しみを奪った』かまち潤・著 平成3年 毎日新聞社 を読みました。

 古い本です。発行が古いのではなくて、書いてあることが古いのです。本書はCDがLPに取って代わりつつある時代に書かれたもので、著者はタイトルからも察せられる通りLPレコードが大好きな方です。その為に文中でも建前としては「CD、LP共に長所と短所があり、特性を見きわめて利用するのが望ましい}としていながら全体の論調はあくまでLP寄りでして、アナログ愛好家がいかにCDに対して強い抵抗感を感じていたかを知るには絶好の書と言えます。

 例えばLPに対しては操作や設置の面倒さを認めながらも、手をかける事が愛情を育てる方法であると論じていながら、CDに対しては手軽さを認めつつ、小さくて探しづらい、これではライトユーザーは音楽から離れてしまうと危惧しています。

 LPでは大事な事がCDでは不満になってしまう。見事な論理の破綻でありまして、こうした破綻が随所に見られるのが本書の凄いところです。だがしかし、そこんとこを気安く否定しちゃあイケません。だって誰でも好きな物を守る時には論理がおかしくなってしまうぢゃないですか。愛すべきものを弁護するためには理屈ではない、情熱だ!とこの本は叫んでいるように思えるのです。

 とはいっても結局LPレコードの逆襲はなくCDに音楽業界は制圧されてしまったのですけれど。
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|03/26| 読書コメント(0)TB(0)












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