本日はSilent Ozuの最終回です。
 ミシガンに来て二か月半、毎週々々金曜日に小津作品を説明する。夢のような時間でもあり、想像以上のハードワークでもありました。一言で言えば楽しかった。
 重圧もありましたね。なにしろお客さんが楽しみにしてくれているのが分かるんです。最初の数回こそ日本の文化だ、珍しい映画だってんで来てくれていたお客さんが、後半は「これは面白いものだ」と思ってきてくれている。『出来ごころ』の後に日本人小学生の男の子が「すげぇ面白い」って言いながら帰ってくれたばかりか、その後もほぼ毎週来てくれたりしました。突貫小僧や飯田蝶子の顔を覚えてしまって彼らがスクリーンに現れるだけで、何か楽しい事をするに違いないと期待する空気が感じられたりもしました。『非常線の女』の圧倒的なモダンな空気に戦前日本のイメージがガラリと変わった方もいらっしゃいました。シンポジウムとの共催での『東京の宿』では研究家の皆様からスタンディングオベーションを頂く、この上ない光栄に浴しました。『生れてはみたけれど』で無声映画時代から歴史が繋がる映画館で説明をさせて頂きました。そして日本語が全く分からないのに二カ月半すべての回に来て下さった方や、最終回にお疲れ様とヨモギ大福を差し入れして下さった方、様々なお客様に恵まれた事も強く心に残っております。

 いい思い出を書いているとキリがないのです。嫌な思いはしてないんじゃないだろうか。
 
 そんなSilent Ozuが今日、終わります。寂しい、とても寂しい。
 本日の演目は『浮草物語』、音楽はLittle Bang TheoryのFrank Pahlさんです。彼との共演はもう三度目ですから、不安も文句も御座いません。楽しくも悲しい小津世界を見事に表現してくださいました。Little Bang Theory の音楽で玩具楽器の持っている可愛さとほんの少しの物悲しさを知れたのも今回の大収穫であったと思います。

 最終回なので一世一代の名演を、とも思ったのですが無い袖が振れる筈もありませんで、どうにかこうにか。もっと上手くなりたいですね。
 
 あ、そうそうSilent Ozuシリーズには定職を持った気分を味あわせて頂きました。安定って素晴らしいですね。なので今日の前説で「Silent Ozuが終わったから、俺は明日からFloating Weed(浮草)だ」って言ったらアメリカ人に「Oh….」って言われましたよ。仕事くれぃ。
 この機会を与えて下さった皆様、協力して下さった皆様、お越し下さった皆様に感謝です。

 最後にSilent Ozu初日、Michigan Theaterでの風景をもう一度ご覧ください。(つまりまた写真を撮ってない)

サイレント小津初日


 とかいって、来週金曜日にはオハイオで『東京の宿』を説明するんだけどな。
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|11/09| 活弁コメント(0)TB(0)












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