無事に『毒流』が説明出来て良かった……。
 昨夜は心底ほっと致しまして、寝る前に『非常線の女』の稽古をしようと思ったんです。『毒流』『犬の生活』と一緒にDVDを送って頂いてましたのでね。『非常線の女』は先日ミシガンで演ったばかりなので、とりあえず『毒流』の台本に全力を注いていたんです。んでもってやっとおさらいが出来ると思ってDVDを再生したら、これ『東京の女』じゃね?という。
 いやー、ミシガンで一回出来ていて本当に良かった。

 今日は夜まで時間も御座いますので、そのへんをウロウロと。

ハーバード 教会2
教会は良いね

ハーバード 教会
イイね

 見知らぬ土地を歩くのは大好きです。自由時間はただひたすら歩いているなんて事もしょっちゅうです。知らない場所がだんだん知っている場所に変わってゆくのが楽しいのでね。だから一番ワクワクするのは長年住んでいる自宅周辺で入ったことのない路地を発見した時。
 どうでもいい話ですが。
 そういう訳で、僕は初めての土地でも二日目にはかなり歩けるようになります。安全な地域限定です、もちろん。
 今回宿泊したのはハーバード大学に至近のInn at Harvard でした。吹き抜け天井があって、なかなか素敵空間。

ハーバード ホテル 外
ホテル 外

ハーバード ホテル外
ホテル 中

 そんなこんなで夜。
 しつこいですが告知サイト
 今夜の演目は前述の通り『非常線の女』です。
 音楽は昨日は大定番のピアニストでしたが、本日はかなり実験的でなんとドラムオンリー。演奏者はDamon Krukowskiさん。
 正直を言えば無声映画の音楽は音階が出る者の方がやり易いのです。ドラムだけはなかなか難しい。実際、このシーンはメロディが欲しいな、と思う場面はありました。でもドラムのある種客観的な音が『非常線の女』に物凄くフィットする瞬間があるのです。その時には説明をしながら「うむむ、カッコイイ」と唸らされてしまったのでした。

 日本人は「間」を尊びます。水墨画と油絵の違いを思い浮かべて頂ければ分かり易いと思います。片方は余白だらけ、もう片方は絵具で埋める。弁士も楽士も日本人はあえて無音の時間を設けます。それに比べてヨーロッパもアメリカも楽士の方は基本的には音で作品を埋めていきます。あえて無音を設ける事はあまりしません。
 ところが『非常線の女』は奇妙な作品です。先日ミシガンで共演したArwulf-Arwulfさんは「あえて無音の場所を作ってみたいんだけど大丈夫?」と向こうから提案してきました。そして今日のDamon Krukowskiさんも、かなり大胆に無音部を作ってきます。こういう作品てちょっと無いです。何がそうさせるのか、とても興味深い作品だと思いますね。

 それから今日は本番中にマイクの電池が切れました。
 会場は百人程度の広さなので、ほぼ満席とはいえ生声でも問題ない大きさ。まあ良いかと思って続けていたら、新しいマイクが届けられたのです。そこまでは頻繁には無い(あっては困る)けれど、時折ある事です。終演後に両日質疑応答があったのですが、この日の質問に「途中でマイクを使うのを止めた時間があったけど、どういう演出意図なのか?」と聞かれて流石に驚いちゃったりしました。「電池が切れただけです。僕よりスタッフさんの方が動揺していたと思います」と答えておきましたが。

ハーバード情報誌 表紙
情報誌表紙

ハーバード情報誌 中
情報誌中 掲載ページ

 今回もっともお世話になったのはアレックスですが、次いでお世話になったのはハーバード・フィルム・アーカイブのHさん。彼はとてもお洒落な方で、着ている服のセンスがヨーロッパ的な品の良い雰囲気なんですよ。しかもHさん、バスター・キートンに実に良く似ている。僕が「キートンに似てますね」と言ったら「よく言われる」と笑ってました。フィルム・アーカイブのスタッフがキートンにクリソツだなんて、幸福な出会いというべきでしょう。多分、ものすごい頻度で言われるんだろうな。

 という訳でハーバードに来たらバスター・キートンにそっくりな人を探してみて下さいませませ。

 終演後はなんだかとても良いレストランに連れて行って頂きました。昨日のは打ち上げって感じですが、今夜のは、でぃなーって感じ。

 映画とは全く関係ないんですが、ハーバード大学は一年生は全員、寮に入って暮らすんですって。これは家が遠いとか近いとか、金があるとか無いとか関係なし。とにかく一年生の間は寮生活が規則なのだそうです。お部屋も個室じゃなくて相部屋。
世界中から優秀な学生が集まってきている自負があるからこそ、生活を一緒にさせて家の環境に左右されない人間関係を築くのが目的だとか何とか。中々に面白い校風だと思いました。

 アメリカで暮らしていても、日本で暮らしていても、どんな国で暮らしていても自由だとか平等だとかは建前でしかないと思うのです。でもこうして建前を全力で肯定する姿勢は素晴らしいと思います。
 じゃあお前、全寮制の環境で暮らせよ、と言われたら逃げ出しますが。

 Damon Krukowskiさんと「またご一緒しましょう」とお約束をして宿へ戻ります。ミシガンよりはずっと温かいので、夜の散歩も乙なものです。

 明日は出発前に急遽決まったボストン大での講義が昼にあります。
 働くなあ、わたし。
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