小学校に行ってきました。いえ僕が勉強しに行ったんではなくて。
 こちらでたびたびお世話になっているOさんの娘さんが通っている小学校で、弁士を見て頂こうという企画ですね。枠としては音楽の授業で御座いました。

 授業の進め方としては、まず先生が今日の授業について簡単に説明して、僕にバトンタッチ。実演をしたら、今度は子供達が弁士にチャレンジ、最後に音楽が変わると無声映画のイメージがガラリと変わるという実験をしてお終い。

 最初に申し上げますと、実に、実に楽しい授業でした。
 先生が簡単に弁士について解説をして下さって、僕が後を引き継ぎます。一応挨拶をしなきゃならんと思って、たどたどしい英語で話してみたんですが、これが丸っきり通じねぇ。もうね、手に取るように分かるんですよ、子供たちが「このおじさんは何を言ってるんだろう??????」ってなってるのが。表情からバッチリ読み取れるのね。ほら、大人だと僕のカタコト英語も理解しようとしてくれるじゃない?でも子供は分かるか分からないかですからね、こっちの顔みてポカーンとしてやんの。
 もうしょうがねぇやと思って、早速実演にしました。こういう時はスラップスティックコメディに限りますね。字幕も英語だと安心ですね。以上の理由からお馴染みの『専売特許(It’s a gift)』を上映。これが冗談みたいにウケるのなんの。子供たちがギャンギャン笑う。んでもって音楽の先生じゃない、なんだかちょっとイカツイ男の先生が無声映画について解説をするもんだから、子供たちの興味は増すばかり。調子に乗って英語字幕は無いけどアニメならいけるかな、と『太郎さんの汽車』を上映。こっちも大受けの介。

 ま、僕のパフォーマンスがウケてるんじゃないんですけどね。
 映画がウケてるんですけどね。

 二本見て貰ったら先生が「実際に弁士をやってみたい人」と。この時、集まっていた子供は50人くらいですか。ほぼ全員が手を挙げましたよ。凄まじい積極性ですよ、アメリカの子供達。あのね、彼らと戦争しちゃイケマセン。無理です。勝てっこない。十歳になる前に勝負がついてます。
 しかも演目は『太郎さんの汽車』ですよ。英語字幕なし、台本なしで適当に喋ってみましょうって無茶な進行なのに、子供たちはドンドン自分なりに喋る喋る喋る喋る。ふと見てみると音楽の先生も一緒になって喋ってる。イカツイ先生は楽しそうに見ていて、ネットで下調べをしてきたんでしょう、時々弁士について解説をしている。

 なんだかね感動してしまいましたよ。子供たちも先生も弁士なんて二十分前に初めて見たんです。それをもう楽しそうにやっている。これ、日本の学校だったら、少なくとも先生が自分からやったりはしませんね。もし先生がやるなら失敗したくないから事前に台本を作って練習して来たりするんじゃないかと思います。でもこっちは先生も子供も同じ立場で一緒になって弁士体験を楽しんでいる。

 僕はもっと弁士の文化を広めたいんです。学校で学芸会ってあるじゃないですか。あれに1組は演劇、2組は活弁、3組は音楽、みたいにするのが理想なんです。あっちこっちで言ってますが、無声映画はただ見て終わりじゃないんです。今でも、これからもずっと生きている人間が参加できる映画なんです。子供達が弁士をやるチャップリンやキートンなんて良いですよ。しかもそれが弁士が金儲け目的のワークショップをやるんじゃなくて、なんとなく学校で行われるようになるのが一番の理想。

 そんな理想の萌芽を日本ではなくアメリカで感じましたね。
 アメリカの学校がどこでもこうなのかは分かりません。Oさんはいくつも学校を見学して、この学校を選んだそうですから、この学校は特別なのかもしれません。という事は日本にもこういう授業が出来る学校があるかもしれません。あったら良いな。あるなら交通費だけ出してくれるなら教えに行くね。
 とにかくもし自分に子供がいたら、こっちで育てたいなと思ってしまいましたよ。色んな人種の子もいるし。凄く環境が良い。

 なんて感激を覚えてしまう程に子供たちが楽しそうにしていました。
 よくよく見ると音楽の先生が一番楽しそうにしています。
 先生ってば……。

 ここまでやって授業時間は終わりなのですが、先生は最後の企画をどうしてもやりたいというので、授業は強引に続行。これは先生独自のアイディアです。『吸血鬼ノスフェラトゥ』の一場面を三パターンの音楽で見せようというもの。それぞれが全く雰囲気の違う音楽ですので、同じ場面なのに全く違う映画かと思ってしまうでしょ?と、子供たちに説明したいんですね。さすがに音楽の先生。
 昨夜Macを駆使して作ってきたらしい三タイプの『吸血鬼ノスフェラトゥ』を上映。おお!ホントに違う映画みたいだ!!と先生が自分の作ってきた映像にヴァカウケ。
 先生ってば……。
 
ここでも例のイカツイ先生がチョイチョイと解説をしてくれます。なんて文化に対する知識の豊かな先生なんだろう。きっと一日中本を読んでたりするんだわ、だってお腹も大きくて身体が重そうだもの。
 なんて思ってたら、このイカツイ先生の受け持ちは体育だって。
 今日一番の驚きでした。
 子供に無声映画とは何かを解説できる体育の先生……。
 人材の層が違うんだな。
 
 繰り返します。アメリカと戦争するのは止めましょう。

お土産の付箋と帽子
お土産にもらった付箋と帽子。学校の名前が書いてありますので、興味のある方は調べてみて下さい。
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|12/06| 活弁コメント(0)TB(0)












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