更新が既に滞ってます。今回はリアルタイムでお届けする予定だったのに……。
 
 ドイツへついて早一週間、ようやく落ち着いて来たかなと思った時期に向いますよ、あの映画祭へ。無声映画業界のサンクチュアリ、ポルデノーネへ。ここ数年は柳下美恵さんが参加常連でもあり、また過去二回我が師匠の澤登翠も参加している映画祭でありますが、男性弁士は史上初なので御座います。
 まあ男性初ってのはあんまり話題性はないんですがね。女性初だと話題性がある場合も多いんですがね。それってサベツじゃねぇかとか卑屈になってしまっちゃいけませんね。

 今回の旅のルートはボンからフランクフルト空港まで電車、そこから飛行機でウィーン、乗り換えてヴェニス、空港でピックアップされて車でポルデノーネ。

 いきなりね、失敗したんですよ。ボンから空港までは大体30~40€なのね。駅の窓口で「空港までの切符をおーくれ」と頼んだら「次の列車の切符で良いのかしら?」ってんですよ。早めに空港に着いた方が安心なので「Ja!]って答えるじゃない。そしたら出てきた切符がケルン周りの切符でね、これは70€位しちゃうのね。高いのね。浮き足立ってたんでしょうね。その切符を普通に買っちゃって空港に着いたのさ。

 出発の三時間前に。

 早ぇよ俺。30€も高い切符買って、2時間半も空港でボンヤリするしかなくて、情けないにも程がありますわ。
 でも面白い事もありました。空港におペンギンさんが居たんですわ。

ぺんぐぃん

 本物じゃありません。見りゃわかるか。
 ラジコンで、近くで捜査している人がいました。おまけにスピーカーとマイクが付いてるんですね。お客さんと会話が出来る。「どっからきたの?」的な事を若干イカれた口調で回りのお客さんに聞いて回っています。露骨に迷惑そうな顔をするビジネスマン風の男性、にこやかにぺんぐぃんとの会話を愉しむおっさん、ちょっぴり怯えながらもお話ししてみるお子さん、そしてペンギンに無視され続ける東洋人(俺)。

 一時間ばかりでしょうか。愉快な時間でありました。
 外部の人がわざわざ空港に持ち込んだりはしないでしょうから、空港内のお店のサービスなのでしょう。時々背中にささっているチケットをお客さんに渡しておりました。

 さてヴェニスについてピックアップの方を探します。事前のメールでは僕の名前を書いたボードを持って待っていてくれるはずなのですが、居ねぇ、どこにも居ねえ。十分ばかり待っておりましたら、若いお兄さんに声を掛けられて、その方がピックアップの方。ボードは持っておりません。いいの、ここはイタリアだから。

 ポルデノーネまは、かのニール・ブランド氏と相席で御座いました。かつてフィルムセンターでカール・ドライヤーの作品の数々を氏の演奏で拝見したワタクシメと致しましてはドキドキなのですね。ヘドモドしながら「日本であなたの演奏を拝聴しました」とか伝える怪しい若造が僕でした。
 そんな状況で小さくなっている僕に運転手さんが突然「君に電話」と携帯を渡してくるじゃありませんか。おそるおそる出てみたら「デビット・ロビンソンがホテルのロビーで待ってるからね」と。待て、君。その人、映画祭のトップじゃないのかね。もう夜の十時を回っているじゃないかね。そういうVIP待遇慣れていないのだよ、吾輩は。

 で、ホテルに着いたらロビーにいらっしゃるんですわ。ちょこなんとした紳士が。
 挨拶をしますよね、当然。そしたら「何か飲みたい?それとも食べたい?」と。なにしろ機内で出たスナックしか食べてませんから「じゃあ少し食べる物があれば」と返事をしましたところデビット先生答えて曰く「うーん、ここは田舎だからこの時間は食事が難しいんだけれど、何かないかフロントに聞いてみるよ」って。いいから、ホントにそういう気遣いいいから。軽く握手して、じゃあよろしくね、でいいから。

 十五分後、もう日が変らんとするポルデノーネでデビットのおごりでサンドイッチをモグモグしている私の姿があったのです。デビットさんてば「Midoriは元気?彼女は今、四十歳くらいかな?」なんて非常に答えづらい質問をしてくるのですよ。「芸歴がそのくらいで、もぐもぐもぐ」と答えておきましたとさ。



 
スポンサーサイト
|10/08| 活弁コメント(0)TB(0)












 管理者にだけ表示を許可する

http://kaitenkyugyou.blog87.fc2.com/tb.php/708-17ae80d3
この記事にトラックバック(FC2ブログユーザー)