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 四日目であります。
 誤解の無いように申し上げておきますが。僕はドイツが好きです。
 ここで色々書いてるのも、ドイツをあげつらうためではなく、今後のアーティストビザ獲得の為の参考になればと思うからであります。準備はどれだけしてもし過ぎという事はないのだと、知って頂ければ書いた意味でようというものです。

 さあ、三日連続六時起き、健康になりそうです。
 朝起きてみると、在日本ドイツ大使館からの返信が!
 こっからの情報、結構大切ですよ、ドイツでアーティストビザを取ろうと思っている皆様。

 ドイツ大使館法務担当の方からの返信を要約するとアーティストビザとは下記の様になります。

ドイツは各外人局の裁量でビザの種類を決めています。ボンではア-ティ ストビザは発行していないのかもしれないが、大使館としても、それは初の認識である事。であれば他の街の外人局を当たるのが現実的かもしれない。ちなみに間違いなくアーティストビザ発酵しているのはベルリンで、ミュンヘンでもおそらく大丈夫。
ア-ティストビザとは非常に不透明なビザであり、各外人局の判断 に任され、特に条文といったものは無い状況である。

他の街の外人局に行けないのであれば、いずれはア-ティストのフリ-ランスのビザを申請する事を目標に、今 回はどちらかの劇場、あるいは個人雇用者に雇用される、と言う形を取り、労働ビザの申請を入れるか、ということも考えた方が良いかもしれない。



 もっと分かりやすく言ってしまうと、アーティストビザというビザは存在しないのだそうです。各市町村の判断で発行している滞在許可で、アーティスト活動のみを認める限定的な条件の物を便宜的にアーティストビザと呼んでいるだけなのです。ベルリン等の大都市の外人局ならば、利用者がアーティストビザと言った段階で担当官が察しを付けて申請手続きに進めるのでしょうが、ボンはそこまで分らなかった、という事です。
 ですからFさんの「そんな制度はない」はあながち間違ってもいなかったのです。だからといってアーティストビザと一般的に呼ばれている滞在許可はある訳で、それを全く調べもせず「ビザなしでも日本人なら大丈夫」と言ってしまうのは問題ですが。

 なんてこったい。条文も何もないのか。それじゃFさんが対応してくれるか分らないぞ、と思っていたらもう一本メールが来ているではありませんか。
 ここからの文章が、この数日間の一番大事な所です。
 法務担当官さん、さらに法律書を調べてくれていた様なのです。そうしたら下記の様な事が分かったと。

http://events.kavantgar.de/2786;jsessionid=ACA75979B33BADCED5FA6BEE939DCEB3

 このサイトに

Wie eine Aufenthaltserlaubnis nach § 27 BeschV, zu Erwerbszwecken nach § 18 AufenthG und im Rahmen des Ermessens des Amtes nach § 21VI für eine freiberufliche Tätigkeit erteilt werden。

とあって

法律文では、§ 27 BeschV, zu Erwerbszwecken nach § 18 AufenthG und im Rahmen des Ermessens des Amtes nach § 21VI

となる



 というではありませんか。
 大まかな内容としてはフリーランスの仕事の為に役所の判断で滞在許可を発行する事ができる、というものです。
 何のことは無い、そんな規則が有るとか無いとか以前に、外人局の担当者が認めればフリーランサーに対して滞在許可を発行する事が出来るのです。

 さて、ここからは邪推です。
 大使館に現状を訴えた所、迅速に対応して頂き本当に助かりました。しかし昨日送ったメールには僕が外人局のFさんに不法滞在を勧められた事も書いたのですが、返信ではそこについては一切触れられておりませんでした。本来なら大きな問題だと思うのです。
 ここが政治という奴でしょう。大使館として不法滞在に触れてしまえば事が大きくならざるを得ない。だからそこには近寄らずに、可能な限りの解決策を素早く提示する、という。
 根拠は全くありません。そうじゃないかなと思ってるだけ。でもこれで駄目だったら日本領事館に相談する予定でおりましたか。そうならずに済んで良かったと思っています。たとえ抗議しても、この数日間で滞在許可が得られなければ今年の公演はパーになるのは避けられなかったでしょうから。

 余談続きですがVISA(査証)とResidence permission(滞在許可)は混同されがちですが違う物です。
 いわゆるビザは外国人が国に入る為に事前に発行される身分証明なのです。よくあるビザ申請免除で入国というのは、国同士の信頼関係が有るから身分証明手続きなしであなたの国の方はウチの国に入って良いよ、という取り決めなのですね。対して滞在許可は入国した後に滞在するための許可なのです。
 つまりFさんが「ウチではビザを出せない」というも正しいっちゃ、正しかったのです。彼女がそこまで厳密な解釈で発言したのではないと、僕は確信を持っていますけれど。


 ここまで書いて、まだ外人局に着いてない。。。。。


 えいやっと着きました。外人局。
 Fさんのオフィスをノックして入ります。
 今日も「いつも笑顔で」の札は客側に向けられています。 
 そしてFさんは不機嫌です。笑顔はありません。
 というかパン食ってます。
 食パンの上にミートペーストを塗って、ピクルスの輪切りを乗せた美味しそうなパンを食べています。
 昨日の仕事っぷりからは想像もできないような、丁寧なピクルスの配置です。
 時計の針は八時を回っています。仕事は始まっている時間です。

 さあ第二ラウンド開始かと身構えましたところ、Fさんから詫びの言葉が。

「昨日はジークブルクに行けって言って御免なさい。あなたがもうボンに住民登録してたって知らなかったの」

 これはジークブルクから怒られたんでしょう。とりあえず謝っとけ作戦です。
 ちなみに昨日、僕は揃えた書類一式をFさんに見せていますが、その中にはちゃんと住民登録証も入っていました。
 このやろう、やっぱり昨日、まともに書類を見てなかったな。
 とはいえ「Entschuldigung(ごめんなさい)」の一言が彼女の口から出ただけでも前進です。
 さあ話を始めましょう。

「やっぱり何も出来ないわ」

 きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。
 ここでボン大学のUさんが攻勢に転じます。昨日、追い返されたのが余程悔しかったのでしょう。
 我々がいかに外人局の言いつけを守って来たか、そしてするべき準備を滞りなくしてきたか、もうこれ以上待つことは出来ない事を滔々と訴えます。
 
「でもそんなルールはないのだし……」

 ここで在日本ドイツ大使館ビーム発射です。
 さっきの条文を見せると、ひとつ重い溜め息を吐きました。
 これ、見た事ある。ウルトラマンとかで怪獣がスペシウム光線をくらって爆発する前に一瞬だけ動作が止まるヤツだ。
 彼女は爆発こそしませんでした。けれど受話器を取りました。
 そして、ついに、彼女が、この四日間の愛憎の日々を戦ってきた彼女が、Fさんが、働き始めたのです。

 そこからFさんは変わりました。さっきまでは『恐怖新聞』的なつのだじろう式の淀んだ目でこちらを見ていたのが、急ににこやかになりまして、てきぱきと書類を捌いてゆくではありませんか。プリンセステンコーだって、こんなに鮮やかなイリュージョンは出来ないでしょう。亡くなった中村勘三郎が『乳房榎』で見せた見事な早変わりだって遠く及びません。
 僕はこの時、世界最高レベルの早替えを見たのです。

 wunderbar!(訳・すばらしい!)

wunderbar


 それから30分後、僕のパスポートには出入国も可能な滞在許可が貼りつけられたのでした。
 (現時点ではまだ出入国をしていないので、本当に大丈夫なのか分かりませんが……)

 やれば出来るんじゃないか、F。
 なんと彼女ってば「そういえばイギリスに行くみたいだけど、ビザは大丈夫?」とか気遣いまでしてくれます。
 やれば出来るんじゃないか、F。
 なぜ最初からそれが出来ないのか。
 滞在許可証にはFさんの署名がしてあります。
 これからずっとパスポートが期限切れになる七年後まで僕はFさんと一緒です。

 ちなみにですが、アーティストビザ取得の必要書類の第一に挙げられた「ア-ティストとしての履歴書」をFさんは最後までチラリとも見なかった事を申し上げて、この四日間の記録の結びとさせて頂きます。

 おしまひ

 こうして僕はアーツカウンシル東京の支援を受けるこの旅を続行する事が可能になりました。

アーツカウンシル東京ロゴ
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