芸術とわいせつを区別するために裁判をやるのはあんまり意味がないと思っています。
 いかがお過ごしでしょうか。
 昨日、某国から出演依頼のメールが届きました。
 嬉しいもんです。昨年は東京都から助成金を頂いてドイツ滞在をしたのですが、助成金を申請する為に立てた滞在目的は、欧州における弁士文化の普及、だったのです。幸い企画書を評価して頂いて企画は通りましたが、いやはや本当にアレが落ちたらキツかった。
 お陰様で滞在は上手くいきました。しかしこういう助成金はかならず終了報告をしなければなりません。
 報告するにあたって、例えば演劇の講演ツアーだったら何処で上演したとか、何人お客さんが来たとか、現地メディアにどれだけ取りあげられたか、を伝えれば問題ないのです。普及事業はちょっと違うんですね。どれだけ普及したか、どれだけ未来に繋がったかを提示出来ないと成果判断がし辛い。無論、多くのアートに関わる人は普及事業の結果半年や一年で劇的に出るはずのない事は分かっていてくれるでしょうから、そこまでシビアに考える必要もないのかもしれません。とはいえやっぱり目に見える成果は欲しい。
 そんな状況下でオファーがあると、こちらとしても自分の活動がちゃんと広がっているのを感じられて嬉しいのです。

 てな訳で、国内外問わずどんどんお仕事募集中です。
 生きてゆくためにも、もっと売れるか偉くならないと難しい業界です。
 東京オリンピックの辺りではそれなりに偉くなっている、と良いな。

 で、あるぽらんのチラシ画像を載せます。
 明日はぐらもくらぶの画像を載せる予定です。

● 12. Święto Niemego Kina "Orochi"
日時/4月24日16時30分~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、Maria Pomianowska
会場/Filmoteka Narodowa

 いままで詳しい情報を知らなかったのですが無声映画祭みたいですね。なんとびっくり。
 二日続けての公演で、初日は『雄呂血』です。『雄呂血』は松田春翠のコレクションの心臓部ともいえる作品であり、当然春翠の十八番にもなっていて、その芸は春翠の弟子、私の師匠の澤登翠にも受け継がれています。そんな事情から意図的に手を出すのを避けていた作品なのですが昨年、キネカ大森オープン三十周年記念上映で初演した所、『雄呂血』を説明する場が次々に出て来ました。やっぱりこういうものはタイミングですね。キネカ大森オープンの時には春翠が『雄呂血』を説明し、また三十周年記念上映の時に阪東妻三郎のお孫さん田村幸士さんと知り合い、『李王殿下を奉迎して』のフィルム発掘に繋がった……。まことに『雄呂血』は弁士の運命を導くフィルムであります。丁寧に演らねば。
 音楽はMaria Pomianowskaさんです。まだ会ったの事のない方なので楽しみ。

12 Święto Niemego Kina



●12. Święto Niemego Kina "Rwetes/Bóg gromu"
日時/4月25日18時~
演目/『雷電』『子宝騒動』
出演/片岡一郎、Wacław Zimpel
会場/会場/Filmoteka Narodowa

 二日目の演目は『雷電』と『子宝騒動』です。ちなみにですが私は自分の告知では上映作品ではなく、あえて「演目」としています。これは別に映画を下に見ているんではないのです。映画は好きだし素晴らしいと思います。でもこれからの世の中に無声映画を広げていこうと思ったら、やっぱり弁士や楽士という、現在生きている演者が表に出るのはとても重要なのです。「映画史の傑作ですよー。見ておかないと映画は語れませんよー」では新しいお客さんは増えないんじゃないか、そんな考えから「演目」なのです。
 二日目のミュージシャンはWacław Zimpelさん。この方も初めての方。海外で何が楽しいって、日本語が全く分からないミュージシャンが、ちゃんと日本語の音を聞き取ってセッションになる所なんですね。これは弁士にしか味わえない快感かもしれない。

12 Święto Niemego Kina


 無声映画祭の特設サイトも見つけましたのでリンクをはっておきます。
12. Święto Niemego Kina


●あるぽらんキネマ劇場 Vol.52
日時/4月29日15時~
演目/『ロストワールド』
出演/片岡一郎、五十嵐正史(ギター)
会場/あるぽらん’89
料金/2000円(1ドリンク付)
ご予約・お問い合わせ/電話:03-3330-8341(PM6:30以降) メール:aruporan@nifty.com

 アメリカから持って来た演目です。恐竜大好きっ子の僕の念願の作品です。
 こういう作品は弁士ならではですね。いくら講談が歴史物といっても恐竜が出て来ちゃうと、それってどうなの?みたいな感じになると思うんです。恐竜が出てくる講談をやってる先生もいらっしゃるかもしれませんが。
 ともかく自分の好きな演目一本勝負です。このところ小ネタアンソロジー形式が多かったからね。ここらで普通の映画上映もやっとこうかな、と。にしても毎回演目選びには苦労しますよ。そんなに自由に使える作品も多くないからねぇ。どうしたもんかねぇ。『霊の審判』の再演とかも演りたい気もしてるんですが。

あるぽらん『ロストワールド』


●1度はスクリーンで観ておきたい――ゴールデン名画劇場
日時/5月4日13時15分~
演目/『夜ごとの夢』
出演/片岡一郎、天池穂高
会場/神保町シアター
料金/1,500円 (◆トーキー作品 =一般¥1200/シニア¥1000/学生¥800)

 成瀬は城戸所長に「松竹に小津は二人いらない」と言われて新天地を求めPCLに行ったとも言われています。けれど映画ファンに言わせれば「小津とは全然違うじゃん」ともなる訳です。でもやっぱり似てもいる。不思議な相似が二人の間にはあって、比べれば比べる程にていないのに、ぱっと見は似ている。
 どう似ているのか、どう似ていないのか、そんな辺りを『夜ごとの夢』ではお楽しみ頂きたいと思います。主演は何たって栗島すみ子ですよ。田中絹代が恐れおののいて近づくのを嫌がったという、撮影所で若い所員がキャッチボールをしていて自分が通れば当然ボールを投げるのを止めるもんだと思って自然に所員の間をすり抜けて行ったという、あの栗島すみ子ですよ。大正時代の『不如帰』の頃はまだ可憐な娘役ですが、本作では相当な貫禄です。ちなみにお婆さんになってからの写真は貫禄が着物をまとっているかのような方であります。どう語るかね。楽しみだね。
ゴールデン名画劇場


●春のぐらもくらぶ祭り2015 『音と影』 ~戦前日本における映画と音楽の融合
日時/5月24日14時~(第一部)、16時30分~(第二部) *入れ替え無し
内容/
 第一部 戦前日本における映画と音楽の融合・サイレントからトーキー、その成熟期
      無声映画期の映画伴奏 / 紙恭輔と映画音楽 / エノケン映画とジャズ / 貴志康一と映画 / ミュージカル映画の世界ほか
 第二部 夢想する無声映画の進化
      現代における気鋭音楽家と活動写真弁士による伴奏つき無声映画の再現。
      新垣 隆らによる無声映画音楽についてのトーク / 新垣 隆(ピアノ)、大谷能生(サックス)の即興演奏による無声映画上映 / 片岡一郎(活動写真弁士)、新垣 隆(ピアノ)による『己が罪作兵衛』(1930年・松竹蒲田作品)の上映
出演/大谷能生(音楽家) 、佐藤利明(娯楽映画研究家) 、 毛利眞人(音楽評論家) 、 保利 透(アーカイブ・プロデューサー) 、片岡一郎(活動写真弁士)、新垣隆(ピアニスト)
会場/江戸東京博物館ホール(両国)
料金/ 2.000円(当日券/ 入れ替え無し)
※博物館併設の駐車場の出庫は17時30分までとなっておりますのでご注意ください。

 こういうトーク―ベントの難しいところは、本当に確実な事だけを正確に話そうとすると、たいして話せることが無いってことでしょうか。無声映画時代の事って、本当によく分らないんですよ。伝聞でこうだったらしい、は知識としては持っていても、本当にそうだったのかと聞かれればちょっと自信がない事も多々あります。こういうイベントで互いの知識を持ち寄って、意外な事実が確認できたら嬉しいですが、さてどうなりますやら。
 『己が罪作兵衛』はネタおろしです。お客様の紅涙を絞る出来になるやならずや。乞うご期待。

ぐらもくん


●新垣隆の世界 Vol.2
日時/7月28日19時~(18時開場)
演目/『浮草物語』
出演/新垣隆、片岡一郎、アーロン・ジェロー
会場/晴れたら空に豆まいて
料金/前売り3,500円、当日4,000円+1D(600円)
予約/晴れたら空に豆まいて予約フォーム

 新垣隆の世界 Vol.2はイベントタイトルが変わりそうな風向きです。別に揉めた訳じゃないんですが、色んな人が関わっていますから違うタイトルの方が内容に即しているんじゃないか、という意見も出たりなんかしまして。まあタイトルが変わってもやる事が変わったりはしませんので、そのまままっすぐにやるだけですが。
 新タイトルが正式に決まりましたらこちらでも告知いたします。既に予約済みの方(いるのか?)はどうぞご心配なく。
 ちゃんと新垣さんの音楽を堪能できる構成に致しますので。
 
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