ようやく仕事が動き始めました。
 でもとりあえず、毎日ボン無声映画祭で映画を見ています。
 良く日本の無声映画関係者は「東京無声映画祭やりたいねー」とか言うんです。
 これって実は誰か派手な仕事くれねぇかな、って気持ちの吐露だったりします。
 海外の映画祭を見てると、そんなに無声映画祭をやりたいなら自分で企画して自分でスポンサー集めて、自分でキュレーションして、自分で会場抑えて、自分で……、とやらなきゃ駄目だなと思います。
 誰かがやってくれるのを待っていたら、恐らく永遠に無声映画祭なんて日本では開催されないんです。
 じゃあお前はやるのかって言われたらやりませんけれどね。
 しかしムリクリ無声映画祭をやる事によってスタープレイヤーが生まれるのかもしれません。少なくとも弁士協会とかをいきなり作るよりはハードルが低い気もしますね。小規模であっても無声映画祭を定期的に開催し、弁士や楽士の連帯感を高めていき、しかる後に協会を設立、みたいな流れしかないんじゃないかしら。現状、皆で団結しようって呼びかけたって集まる業界じゃないから、ウチの業界。
 俺だって二度と会わんと心に決めてる奴がいるしねぇ。
 難しいね、業界を盛り上げてゆくってのは。

 

 以下数行定型の協賛お願い文
 今回の渡欧では企業メセナ協議会様より助成認定制度の認定を頂きました。これにより渡欧事業への寄付をする事で寄付者に税制上の優遇措置が得られるようになります。芸術家にも寄付者にもメリットを設け、芸術の振興を図るこの制度を知って頂くと共に、本事業への御支援をお願い致します。
 助勢認定制度についての詳しいご案内はこちら




 コピペで支援のお願いしたって、誰も心動かないよな……。
 それはそうと日本は今、コピペで大変ですね。
 あれが本当はどうなのか門外漢の私には分りませんが、基本的には芸術を構築して生み出せるものはもはやほとんど出尽くしているとも言われています。あとはいかにアレンジするかしかないのだと。表現が完全に出尽くしたとは私は思ってませんが、とはいえ新しい物を生み出すのは困難な時代であるのは間違いなく、でも似ないようにだけを気にしていると面白くもなんともない物が出来上がってしまうのも実際です。
 大変ですよ、創作ってのは。
 我々弁士は創作よりもむしろ二次創作寄りの芸能です。それ故に模倣の蜜の味を良く知っています。
 良い所だけ真似て、端っこをちょこちょこっといじってオリジナルって態度をとるのって楽なんだ。
 それで高い評価を得られたりすると自分の意思じゃ止められなくなるんだ。
 だもんですからね、気を付けたいと思いました。自分のオリジナリティーは大事にしなきゃいけません。
 そして何らかの形で自分のオリジナルを作り上げないといけません。

 例によって前置きが長くなりました。
 告知です。
 お待たせしました今回はドイツの公演ですよ。

●STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK
日時/9月16日19時~
演目/『雄呂血』
出演/片岡一郎、江村玲子
会場/ケルン文化会館
料金/無料

STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 表


STUMMFILM MIT FILMERZÄHLER UND LIVE-MUSIK 裏

 最近本当に『雄呂血』づいてんな、俺。
 去年から突然モリモリ『雄呂血』を演ってる私ですが、それまでは意識的に避けてたのよ。
 なんたってウチの一門には宝ともいえる作品ですから。でもその『雄呂血』を解禁した初演の時に阪東妻三郎のお孫さんの田村幸士さんがいらしてくださって、その後もお付き合いをさせて頂いているばかりか『李王殿下を奉迎して』のフィルム発掘にも関われたので、縁の力というのは凄いなと思うのです。これだけ良い御縁が重なるんだから、阪妻も俺が『雄呂血』の説明をするのを認めてくれているんじゃないかと、勝手な解釈をしています。この見解は前も書いたかもしれない。
 そんなんじゃねえや下手糞奴、と阪妻に怒られるかもしれませんが、いっそ阪妻になら怒られてみたい、そんな弁士の微妙な心理。

 今回ご一緒するのはカールスルーエ在住のピアニスト・作曲家の江村玲子さん。
 この方なんと松村牧亜さん、天池穂高さん、小林弘人さんと大学の同期。
 みんなで示し合わせて無声映画に関わっているんじゃなくて、江村さんはドイツで依頼されてたまたま無声映画に関わり始めたんだそうです。どうなっとるんだ東京藝術大学音楽学部のこの代は。無声映画業界にとって最大派閥じゃないか。
 私が日芸で一龍斎貞橘さん、春風亭一之輔さんと同期なのも大概ですが、こちらはもっと密度が濃い、様な気がします。

 もう大分長くなったのですが、あと自画自賛を最後に。
 国際交流基金は上映権料を払って映画会社などから作品を購入しイベントに使うことがあります。今回のイベントで使う『雄呂血』もデジタルミームからTalking Silents DVDシリーズを購入しているから上映できるのです。しかしながら買うだけ買って中々上映できない映画も少なくありません。数万円払って上映は一度きりなんて映画もあるかもしれません。少なくとも無声映画の上映頻度はさほど高くありません。
 そこに私ですよ。私がドイツにいてイベントを行う事で、半ば眠っていたソフトを有効利用できちゃうんですね。
 皆様の税金を無駄にしない弁士がワタクシで御座います。
 税金からギャラも貰うけど。

 そんな皆様の税金と共に生きている私は下記のようなイベントにも出て、チャイナマネーにもタカッているのです。
 我ながら強欲仕事に意欲的だなあ。


●【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~
日時/9月6日18時~
演目と出演/
山城秀之山内菜々子 『キートンの文化生活一週間』
片岡一郎 『喧嘩安兵衛』『東京行進曲』
ゲスト・林家正楽 『紙切りで綴る名優伝』
会場/浅草フランス座演芸場・東洋館
(元・浅草三友館) 浅草六区:浅草演芸ホール4F
料金/2000円(当日・ご予約共) 全席自由
予約・お問い合わせ/bokutoukinema@gmail.com

【六区に映画の灯を燈す】 ~三友館という映画館があった~


●Sound of silence~中国無声映画と音楽の会~
日時/9月7日15時~、17時~、19時~  9月8日15時~、17時~、19時~
演目と演者/
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英

2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/ザムザ阿佐ヶ谷
料金/一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円 
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)

SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 裏



SOUND OF SILENCE~中国無声映画と音楽の会~ 表


 今回の渡欧はアーツカウンシル東京様、企業メセナ協議会様のサポートを受け遂行されております。

メセナ&アーツカウンシル

 
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