FC2ブログ

 帰国まであと数日となりました。
 ここ何日か、自室に閉じ籠ってずっと作業をしていたのですが、それがこの紙フィルム復活プロジェクトのための準備でした。
 といっても僕が自室に閉じ籠っていたことを知ってる人なんか居ないでしょうけれど。

 紙フィルムをご存知でしょうか?
 何年か前に学研大人の科学の付録で紙フィルム映写機が付いたことがあったので、その筋のマニアなら知っているかもしれません。逆に言えば普通は知らないフォーマットです。

 

 調べてみたらYouTubeに動画を上げている方がいましたね。
 もう十年前だって。嫌ァねえ。せいぜい5~6年前の印象だった。

 要は映画フィルム状の印刷物に強い光を当てて、反射したものを映し出す装置なのです。
 メリットとしては紙なので昭和初期でもカラーの動画が容易に作れた、デメリットとしては絶対的な光量が足りないので大きく映せない、とまあ一長一短ある訳です。

 ところが現代ではこの紙フィルムをスキャンする事で、本来の映写方法では考えられない大きさや鮮明さで映写が可能になったのです。文明の進歩万歳! しかしここで落とし穴。スキャンて誰がやるの? スキャンした後の動画化は誰がやるの? そもそも紙フィルムってどのくらい現存してるの? とまあ問題は山積みなので御座います。

 紙フィルムをデジタル化したものは何と埼玉が幾つかやってくれています。凄いぞ埼玉。
 紙フィルムアニメ・デジタル化

 実に味わいのある良いアニメなんですよ。 
 私も何本か自分の演目としてデジタル化した紙フィルムアニメを持っておりますが、もっと別の作品もやりたいと思っておりましたところ坂本頼光さんが紙フィルムを持っていると仰言るじゃありませんか。しかも入手したものの、扱いかねているらしいじゃありませんか。
 ならば利害の一致。僕がデジタル化しましょうと話が進んだのでございます。
 かくして坂本、片岡共同プロジェクトとして紙フィルムアニメ『弁慶と牛若』のデジタル化が始動したのです。
 現物はこんな外見です。

紙フィルム

 真ん中の丸いのが本体。
 端っこにある丸いのは切れてしまった紙フィルムなので、当然これもスキャンします。

 スキャンした画像がこれ。

うしわか001

 左右が反転しているのは紙フィルムが反射を利用して投影するものだからですね。
 これもデジタルの力で……。

うしわか001正位置

 一瞬でこの通り。
 文字の所だと面白くないので画像もチラ見せします。

うしわか049

 ああ、なんと面白そう。
 ちなみにですが、プロジェクト始動とか言いながら、僕が坂本さんからフィルムを預かったのは数か月前です。
 正確にはプロジェクトではなく僕が始動。
 現在すべての画像スキャンが終了しまして、これからコマの切り出し、そして動画化へと進んでまいります。
 完成したら坂本、片岡プロジェクトの成果物として公表し、無声映画業界の方々には無償で使って頂けるようにしようではないかと話がまとまっております。
 ただね、これ凄っい手間がかかる作業で、弁士が仕事で使っても元が取れる仕事量じゃないんですよ。
 でも折角やろうと決めたので『弁慶と牛若』に興味のある方々は支援の意味でも、私や坂本さんの出演するイベントにいらしてくださいませ。そしてもしお手元に無声映画のフィルムがあったらヤフオクとかに出さないで僕らに下さい。きちんと公開しますので。
  
 そんなワタクシの直近の出演はこちら。

●無声期の映画館における和洋合奏:楽譜資料「ヒラノ・コレクション」とSPレコード
日時/2018年1月13日13時30分~17時
演目/『忠次旅日記』(ブルーレイ上映)
出演/片岡一郎、湯浅ジョウイチ(指揮)、鈴木真紀子(フルート)、古橋ユキ(バイオリン)、川上統(チェロ)、丹原要(ピアノ)、宮澤やすみ(三味線)、堅田喜三代(鳴物)
会場/早稲田大学 小野記念講堂
料金/無料(予約不要)

プログラム詳細/
第1部 シンポジウム(13:30-15:00)
発表 日活直営館における時代劇伴奏と和洋合奏
  柴田康太郎(早稲田大学演劇博物館研究助手)
発表ヒラノ・コレクションからみる場面別表現と邦楽器
  白井史人(日本学術振興会特別研究員PD)
発表 無声期日本映画の「尖端」と映画館における語り・音楽
  紙屋牧子(東京国立近代美術館フィルムセンター特定研究員)
音源紹介『忠次旅日記』に関するSPレコード
  片岡一郎(活動写真弁士)
邦楽解説SPレコードにおける邦楽表現
  堅田喜三代(邦楽演奏家)
コメント   アーロン・ジェロー(イェール大学教授)

15:00 –15:15 休憩(15分)

第2部 参考上映『忠次旅日記』(15:15-17:30)
1927年、日活大将軍、111分、35mm、染色・無声・不完全  ※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督:伊藤大輔、出演:大河内傳次郎、中村英雄、澤蘭子、伏見直江



無声期の映画館における和洋合奏:楽譜資料「ヒラノ・コレクション」とSPレコード 表

無声期の映画館における和洋合奏:楽譜資料「ヒラノ・コレクション」とSPレコード 裏


●第五回 片岡一郎の活動写真勉強会
日時/1月23日19時~
演目/当日のお楽しみ
出演/片岡一郎、藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/喫茶茶会記
料金/2,000円(1ドリンク付き)
予約・問い合わせ/syoseibusi@yahoo.co.jp(片岡)

2018年1月告知

 
 ここからはおまけの画像。
 紙フィルムは着色が自由に出来るとはいえ、なにしろ膨大な量の絵に色を塗らねばならず、元絵もっして大きくないためでしょう、かなり塗りにムラが御座います。さらに傷や破れもありますね。

 うしわか094 修正前

 これをフォトショップを使ってあれやこれやすると、僕だけの力でもこんな感じなりました。

うしわか094 修正後

 まあ綺麗。
 まさか片岡、すべてのコマにこの作業をして公開するのかと期待したそこのあなた、それは無理です。
 えっらい時間かかるんだわ。
 あくまでやろうと思えばこのくらいは出来るというサンプルです。
 全部のコマにこの作業をするとなると100万円じゃ嫌だなあと感じる仕事量になってしまいます。

 でもいつか、全コマに修正を施してみたいよね。
スポンサーサイト



|12/19| 未分類コメント(0)TB(0)












 管理者にだけ表示を許可する

http://kaitenkyugyou.blog87.fc2.com/tb.php/958-686b0b5e
この記事にトラックバック(FC2ブログユーザー)