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 無事に帰国いたしました。
 日本で何が良いって、やっぱり風呂ですね。
 食い物も良いけど風呂。
 これからクレジットカードの支払い地獄が待っております。
 だれか助けて。
 いやまあ、その分の収入は得ているんですけれど、あんまり儲かってないよのね、今回の渡独。
 来年は大いに稼がねば。

 そんな内緒話はさておきましてついにプログラムが発表になりました「発掘された映画たち2018」です。

 フィルムは物質である以上、映画の製作から時間が経てば経つほど劣化が進み新たな発見が難しくなります。
 事
フィルムセンターで数年に一度行われる「発掘された映画たち」でもメディアが飛びつくような発見は困難になってきているのかなというのが、近年の印象でした。
 ところが今年のプログラムを見て驚いたのなんの、いやはや凄いではないですか。
 無声映画の新発掘こそ減ってはいるものの、アニメ、ドキュメンタリー、個人映画の範疇では過去最高のラインナップではなかろうかと思わされる充実っぷり。これは通わねばなりません。

 そして実はこの充実した発掘された映画たち2018には、ワタシ大きくかかわっております。
 フィルム提供に「無声映画保存会」という謎の組織が散見されると思いますが、これこそ私と坂本頼光さんが結成した悪の組織任意団体なのです。
 以前から私と坂本さんがヤフオクにフィルムが出るとツイッター、フェイスブックでお騒ぎしているのは、私のブログを読む方ならご存知でしょう。我々、収入を注ぎ込んであちらこちらから無声映画のフィルムを入手しているのですが、困ったことにフィルムはただ手に入れただけでは上映が出来ません。適切な補修や場合によってはデジタル化を施してようやく皆様にご覧いただける様になるのです。さらにオリジナルのフィルムをいかに保管するかも考えなければなりません。
 無声映画保存はもはや弁士個人で出来る範囲を超えている部分が多々あるのです。

 そこで我々は「無声映画保存会」なる陰謀組織任意団体を結成し、積極的にフィルムセンターさん等、適切な機関に入手したフィルムの提供を行うことで発掘したフィルムを適切に保存、そしてなによりも多くの方に見て頂こうとしているのであります。

 今回は我々が入手し、フィルムセンターに寄贈したフィルムから5本が上映されることになりました。
 まず今回の「発掘された映画たち2018」の目玉にもなりうる発見が複数バージョン特集1――横田商会製作の『忠臣蔵』で上映される『忠臣蔵』です。
 これまで横田商会の製作した尾上松之助主演の『忠臣蔵』はフィルムセンター及びマツダ映画社の所蔵する版の存在が知られていました。しかしながらこれらの版は後に弁士の声色掛け合い録音を追加した音声版でしたが、今回私(ここはあえて私と書かせてください)が一昨年、京都で発見した『忠臣蔵』はなんと35mm・可燃性・染色版なのです。
 どのような状況で発見したかは今後お話しする機会もあるでしょうからここには書きませんが、弁士としてこんなフィルムを発見できたことは冥利に尽きるのです。
 さらに同時上映されるマツダ映画社所蔵版『実録 忠臣蔵』はフィルムセンター版との違いが幾度も指摘されており、最長版を望む声が何度も上がっていながら実現されずにいたものです。今回の『忠臣蔵』発見を機にマツダ映画社所蔵の35mm版から複製ポジを製作し、フィルムセンターに収蔵されることになりました。将来、無声映画保存会寄贈版、マツダ映画社所蔵版、フィルムセンター所蔵版の3つの版が比較検討され最長版が作られれば、と願わずにはいられません。

 発見から二年、ようやく皆様に『忠臣蔵』を見て頂くことが出来ます。
 参考用に私が撮った『忠臣蔵』のフィルムをあげておきます。

忠臣蔵

 ああ、なんという染色の美しさ。

 そして残る4本が上映されるのが個人映画特集2:森紅・服部茂作品集です。
 この4作品は坂本さんと私が「フィルムを手に入れなければ。しかしこのままフィルムを買い続けていると破産してしまう」と血涙とか血尿とか血べ……、とにかく大変な苦労をしながら入手したものです。すべて服部茂というアマチュア映画製作者の監督作品で、当時の9,5mm業界ではそれなりに名の通った方でした。服部茂監督の作品が突然ヤフオクに陸続と出品され我々がどうにか手に入れたものはこうしてフィルムセンターに収蔵され、陽の目を見る事になった訳ですが他にも出品されていた服部作品は、その後どうなっちゃんだろう。
 上映作品は『忍術三太郎』『學生スポーツ劇 若き日』『彌次喜多 散歩の巻』『喜劇 ホイホイ先生 海岸の巻』です。面白いかどうかは分かりません。いずれは我々の説明で上映できればと思っております。

 僕たちがフィルムセンターさんに寄贈したフィルムはまだ御座いますし、今後も寄贈は続ける予定です。
 そんな発見の成果は次回の「発掘された映画たち」で見て頂けるでしょう。
 まずは本特集にどうぞご来場をお願いいたします。

発掘された映画たち2018

 そしてこれからのフィルム発掘に力を注げるよう、公演えのご来場もお願いいたします。

●無声期の映画館における和洋合奏:楽譜資料「ヒラノ・コレクション」とSPレコード
日時/2018年1月13日13時30分~17時
演目/『忠次旅日記』(ブルーレイ上映)
出演/片岡一郎、湯浅ジョウイチ(指揮)、鈴木真紀子(フルート)、古橋ユキ(バイオリン)、川上統(チェロ)、丹原要(ピアノ)、宮澤やすみ(三味線)、堅田喜三代(鳴物)
会場/早稲田大学 小野記念講堂
料金/無料(予約不要)

プログラム詳細/
第1部 シンポジウム(13:30-15:00)
発表 日活直営館における時代劇伴奏と和洋合奏
  柴田康太郎(早稲田大学演劇博物館研究助手)
発表ヒラノ・コレクションからみる場面別表現と邦楽器
  白井史人(日本学術振興会特別研究員PD)
発表 無声期日本映画の「尖端」と映画館における語り・音楽
  紙屋牧子(東京国立近代美術館フィルムセンター特定研究員)
音源紹介『忠次旅日記』に関するSPレコード
  片岡一郎(活動写真弁士)
邦楽解説SPレコードにおける邦楽表現
  堅田喜三代(邦楽演奏家)
コメント   アーロン・ジェロー(イェール大学教授)

15:00 –15:15 休憩(15分)

第2部 参考上映『忠次旅日記』(15:15-17:30)
1927年、日活大将軍、111分、35mm、染色・無声・不完全  ※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督:伊藤大輔、出演:大河内傳次郎、中村英雄、澤蘭子、伏見直江



無声期の映画館における和洋合奏:楽譜資料「ヒラノ・コレクション」とSPレコード 表

無声期の映画館における和洋合奏:楽譜資料「ヒラノ・コレクション」とSPレコード 裏


●第五回 片岡一郎の活動写真勉強会
日時/1月23日19時~
演目/当日のお楽しみ
出演/片岡一郎、藤高理恵子(筑前琵琶)
会場/喫茶茶会記
料金/2,000円(1ドリンク付き)
予約・問い合わせ/syoseibusi@yahoo.co.jp(片岡)

2018年1月告知

 
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